PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 注目コンテンツ > go-to-u、膨潤・硬化の抑制に成功 〜 各種UV機にゴムローラを推奨

注目コンテンツ

go-to-u、膨潤・硬化の抑制に成功 〜 各種UV機にゴムローラを推奨

2022年1月5日

go-to-u_1.jpg 「まだ樹脂ローラを使っているんですか?」と、各種UV印刷機を使用する印刷会社に向けて問題を提議するのは、(株)go-to-u(千葉県市原市)の後藤欣哉社長だ。印刷機械メーカや資機材メーカーでの勤務で得た知識やノウハウ、経験値を活かし、後藤社長は、同社の推奨のゴムローラ使用によるコスト削減、業務効率改善を印刷業界に向けて広く提案している。今回、後藤社長に、同社が推奨するゴムローラがもたらす効果や今後の展開などについて聞いた。


「UV印刷=樹脂ローラ」という認識を払拭


 同社は、印刷機用ローラ・ブランケットを中心とした印刷関連資材の販売から運用サポート、さらに各種コンサルティング業務を通じて、印刷会社の収益性向上と作業効率改善に取り組んでいる。

 社名の「go-to」には、「頼りになる」「間違いない」「定番」といった意味があり、そこに「u(you)」を付け加えることで、「あなたの(お客様の)頼りになる会社」になりたい、との想いが込められている。

 その同社では現在、UV印刷機(LED-UV、H-UV含む)を保有する印刷会社を対象にゴムローラの使用を提案している。

 速乾印刷による迅速な後加工工程への移行や短納期対応、さらに近年では、LED-UVなど省電力システムの登場により、各種UV印刷機の導入が加速している。その際に印刷機メーカーや資材販売会社の多くが、樹脂ローラの使用を推奨しているという。

 そのため国内印刷業界では、「UV印刷には樹脂ローラ」という認識が定着しているが、後藤社長は、そこにユーザーが抱える問題があると指摘する。

 「油性機からUV機に移行した印刷会社からは、これまで数年使用できたローラが1年も保たなくなったといった意見を多く聞くようになった」


高い耐久性でコスト削減と作業性向上に貢献


 その問題を解消すべく、後藤社長がこれまで得た現場経験を踏まえ、提案するのが同社推奨のゴムローラだ。

 「各種UV印刷機を導入している印刷会社のほとんどがポリウレタン樹脂配合の樹脂ローラを使用している。一方、ゴムローラは、膨潤することから敬遠されてきたが、当社が推奨するローラは、ゴムローラでありながら、膨潤を極限まで抑えることに成功しており、樹脂ローラに比べ、加水分解(軟化劣化)の心配もなく、長期間にわたり使用できる」

 同社の推奨するローラは「NBR(ゴム)」のゴムローラだ。従来、NBRは、UVインキや高揮発性の洗浄剤に弱く、膨潤すると言われてきたが、同社が推奨するローラは、日本の環境にも耐えられるNBRの開発に成功し、UVインキをはじめ、LED-UVなど高感度UVインキ、高揮発性の石油溶剤に対し、膨潤・硬化を極限まで抑え込んでいる。

 同社の推奨するゴムローラは、樹脂ローラと比べ、1胴当たりのコストが高くなるが、後藤社長は、「長期使用できることから最終的なコストダウンにもつながり、さらにローラ交換やローラ調整による生産ロスの削減、オペレータの負荷低減など、作業環境の改善にも寄与できる」と、その効果について説明する。

 さらに同社では、ホームページ上で、導入ユーザーの協力のもと、樹脂ローラと同社推奨ゴムローラの硬度変化グラフを公開している。

go-to-u_2.jpg

go-to-u_3.jpg

 「どちらを選ぶかは、お客様が決定すること。しかし、多くの印刷会社では、不要なトラブル発生を回避するため、1年を待たずに早めのローラ交換を行っている。この現状を多くの方に認識して欲しいとの想いから、データを公開している」


「変える」ことで見えてくる効果


 後藤社長がこれらゴムローラのメリットを提案し、ユーザー側もその効果について理解するものの、採用に至らないケースもあるという。その大きな要因は、生産現場のスタッフが抱く「変える」ことへの不安感だと後藤社長は説明する。

 「多くの印刷工場では、これまで運用してきた生産方式を変えることを拒む傾向がある。オペレータから見れば『今まで問題がないのに、なぜ変える必要があるのか』と考えるのが普通である。もちろん当社は、その考え方を否定する訳ではないが、『変える』ことで、作業性が劇的に向上する可能性があることを多くの現場オペレータの皆さんに知ってもらいたい」

 同社では、樹脂ローラからゴムローラに切り替えた際に、オペレータがスムーズに作業が行えるように技術的なサポートも実施している。そのため同社では、パッケージ印刷会社でオペレータを務め、近年では、数多くの印刷関連会社でのアドバイザー経験を有する河原進氏を取締役として迎え入れ、ユーザーごとに最適な運用方法などを提案している。


強い会社組織づくりをサポート


 さらに同社は、印刷業務コンサルティングのほかに、強い会社組織づくりを目的に「チームビルディング」コースを新設している。

 チームビルディングとは、最近注目を集めている組織づくりの手法の1つ。後藤社長は、「専門会社と提携している資材販売会社はあるが、自社で印刷会社向けのコースと専任講師を持っているのは、当社だけだと思う。このコースでは、画一的な内容ではなく、印刷会社にあった内容となっているので、ぜひ、業界の多くの企業で活用してもらいたい」と述べている。

 このチームビルディングコースの講師には、箱根駅伝や高校駅伝で優勝に導くなど、強いチームづくりに貢献した実績を持つ小野圭久氏を招聘しており、同社では、顧客の要望に合わせたかたちで、講習会や講演会を実施している。

特集
印刷×DX 2024
印刷×DX 2024

印刷業におけるDX戦略の最前線を特集。
(2024年7月15日)

パッケージ印刷ビジネス 2024
パッケージ印刷ビジネス 2024

パッケージ印刷の事業化に向けたソリューションや具体的な取り組み事例を紹介。
(2024年6月15日)

after drupa 2024
after drupa 2024

「drupa2024」出展企業の展示製品やソリューションについてシリーズで紹介。
(2024年6月25日〜)

AI・ロボット活用 2024
AI・ロボット活用 2024

印刷製造工程におけるAI(人工知能)およびロボット技術の活用について、その現状と可能性を探る。
(2024年6月15日)

印刷とサステナブル 2024
印刷とサステナブル 2024

印刷業界における持続可能な社会の実現に向けた取り組みにフォーカス。
(2024年4月25日)

drupa 2024 特集
drupa 2024 特集

世界最高峰の印刷・クロスメディアソリューション専門メッセ「drupa2024」の事前情報(見どころなど)を公開!
(2024年4月2日〜)

販促アイテム 2024
販促アイテム 2024

印刷会社が提案する「販促アイテム」
(2024年3月25日)

デジタル印刷特集 2024
デジタル印刷特集 2024

「生産工程の見直し」あるいは「創注」という印刷経営戦略としてのデジタル印刷ソリューションにフォーカス。
(2024年3月25日)

検査システムによる品質管理 2024
検査システムによる品質管理 2024

システマチックな検査工程で品質保証と効率化を目指す。
(2024年3月15日)

特集一覧へ
印刷関連のブログ
twitter|@PJnews_headline
twitter|@PJnews_headline

https://twitter.com/PJnews_headline

facebook|印刷ジャーナル
facebook|印刷ジャーナル

https://www.facebook.com/printingjournal