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FFGS、「中核事業」として後加工ソリューション拡充

2019年1月1日

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株) 柳川尚常務執行役員に聞く

 昨年末、日本国内におけるHohner社製後加工機の独占販売に乗り出した富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)(辻重紀社長、以下「FFGS」)。今年からHohner社製中綴じ機3モデルの国内展開を本格化させ、これを機に、同社が「中核事業」と位置付けるポストプレスソリューションの拡充を加速させていく。今回、新たな局面を迎えた同事業を管掌する柳川尚常務執行役員にインタビューし、そのソリューションの行方とともに、同じく同氏が管掌する完全無処理プレートの事業展開について話をうかがった。

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柳川 尚 常務執行役員


【後加工】
「本気」の姿勢示す 〜 Hohner社製品独占販売

 FFGSにおけるポストプレスソリューションの歴史は、富士ゼロックスとともにPOD事業を開始したおよそ20年前にさかのぼる。当時からオンデマンド印刷機の販促において、出力された「印刷物」を「印刷製品」へと落とし込む後加工分野も重要視していた。オリジナル製品を持たない中で、お客様の仕事内容や課題に合わせ、国内・海外メーカーとのアライアンスによる後加工機器の提供や導入サポートを行ってきた。
 しかし、印刷の小ロット化が進み、各工程で自動化や効率化が進む中、後加工分野においては、オフセット印刷やデジタル印刷、ロットの大小など、さまざまな仕事へ柔軟に対応できる設備が必要になると考えていた。そこでFFGSとして自信を持って提案できる後加工製品を探し求めた結果、drupa2016をきっかけにドイツ・Hohner社とのご縁が生まれた。
 Hohner社は、ドイツに本社を置く後加工機メーカー。ワイヤーステッチなどの機械開発で高い技術力を持ち、欧米を中心に展開。ステッチヘッドは、世界中の中綴じ機に使用されている。一方で、中綴じ製本機は2008年以降、主力製品として急速に導入台数を増やしており、アナログアタッチメントタイプや、デジタルプレスとインライン接続が可能な全自動タイプなど、ユーザーの戦略に合わせた幅広いラインアップを誇る。
 当社がHohner社をパートナーに選んだ理由は、性能や品質、またピーター・ショエルホーンCEOの人柄など様々あるが、昨年6月にHohner社を訪れ、経営方針のヒヤリングや製造現場の視察を行い、非常に信頼の置ける会社だと確信したことが最大の理由だ。
 また、その際にユーザー企業も見学した。そのユーザーは、他社メーカーの中綴じ機を次々とHohner社製に入れ替えている。現場の声を聞くと「使い勝手」「工具レスでシンプルなメンテナンス」という機能性に加え、アフターサービスでも高い評価を得ており、「10台ほどある中綴じ機すべてをHohner社製に入れ替えたい」という声を聞き、我々も自信をもった。これは、Hohner社が後発メーカーであるがゆえに、ユーザーの要望を柔軟に取り入れている証拠だと分析している。
 一方で、Hohner社からしてみれば、我々の提案を日本市場へ進出する大きなチャンスと捉え、積極的である。富士フイルムグループの販売力、総合力に対する大きな期待が感じられる。
 今回の取り組みは、改めてFFGSが本気で後加工分野に注力していくという姿勢を示したということを認識して頂きたい。その証拠に、今回はアフターサービスも当社で手掛け、その経験と技術をさらに蓄積していく考えである。
 これを機に、今後も様々なアライアンスを模索し、日本市場にマッチする製品、オリジナル色を出せる製品を持ち込み、これまでの実績と組み合わせながらトータルソリューションを拡充していく。

3モデルを国内展開

 今回、当社が国内展開するのは、ハイエンドモデル(フル自動セッティング仕様)のHSB13000シリーズ、スタンダードモデル(工具レスセッティング仕様)のHSB9000シリーズ、デジタルプレス対応ハイブリッドモデルのHSB DIGI-FS9シリーズの3機種。これらは欧州で約400台、北米で約100台の導入実績がある。

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HSB13000シリーズ

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HSB9000シリーズ

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HSB DIGI-FS9シリーズ

 Hohner社は、当然のことながら、業界が標榜する「スマートファクトリー構想」も視野に入れている。他社の折り機やリワインダーといった周辺機器との連携実績も数多く、また、デジタル化が進む北米ではデジタル印刷機との連携実績も豊富だ。今後は富士ゼロックスの次世代工程管理ワークフロー「SE-BizObjects Production Cockpit」との連携にも取り組んでいく。
 販促においては、ハイエンドおよびスタンダードモデルのオフセット印刷向けは、多くの更新サイクルを迎える中綴じ機の買い換え需要に応える方針で、そこを切り口にデジタル化の可能性を提案、訴求していきたい。
 一方、デジタルプレス対応ハイブリッドモデルについては、富士ゼロックスのPODやインクジェットデジタルプレス、あるいは当社のJetPressとの連携を訴求していく考えだ。
 なお、今年2月には「HSB9000」国内1号機を納入する予定。また、場所などは未定ながらショールーム機の設置も計画している。
 国内において独占販売する後加工機をポートフォリオに加えたことで、営業の意識も高まっている。また、日本国内のニーズを吸い上げて開発に反映させていくことも可能になる。「スマートファクトリー」という業界の将来像を見据えながら、自信を持って提案していきたい。

【無処理版】
刷版の理想・最終形 〜「グループ総合力」で差別化

 完全無処理プレートは、「刷版の理想形、最終形」になると考えており、引き続き当社でも強力に推進していく考えだ。
 当社が世界に先駆けて機上現像方式の完全無処理サーマルCTPプレート「ET-S」を市場に導入したのが2006年。当初から、刷版の最終形として可能性を示したものであった。それがユーザーでの実際の運用を通じてブラッシュアップされ、バージョンアップを重ねてきた。
 当時は、先進技術に積極的な印刷会社を中心に採用の検討をいただいたが、スペースの有効活用により導入にいたるケースも多かった。
 その後も、刷り出しの安定性や印刷適性に改良を重ね「ET-SH」「XZ-R」へと進化を続けてきた。また、印刷機メーカーが刷り出しの早さにフォーカスした開発を進める中で、刷版もこれに対応できるように改良を続け、有処理プレート「XP-F」同等の高感度、印刷品質を実現したのが現在の「SUPERIA ZP」である。有処理プレートよりも若干耐刷は劣るが、概ね有処理プレートと同様に使用できる印刷性能を持つ。
 そして次のステージとして、完全無処理サーマルCTPプレートの焦点のひとつとなるのが「耐刷」と「UV印刷対応」だ。この課題に対してFFGSが出した答えが、一昨年に発売を開始した「SUPERIA ZD」だった。
 完全無処理プレートの採用は、「合理化」という面でやはり欧米が進んでいる。しかし、日本でも新聞社や大手印刷会社をはじめ、多くの印刷会社が環境や省人化に着目しており、もはや「普及期」に入ったと言っても過言ではないだろう。
 今後の課題のひとつに「視認性の向上」があるが、この部分ではお客様が導入する上でのハードルとしては下がっており、投資要件としてそれほど重要なファクターではなくなってきている。「見えやすい」に越したことはないが、視認性は運用面でカバーでき、完全無処理プレートはそれ以上のメリットをもたらす。ただ視認性に対するご要望を頂いているのも事実で、その開発は当然のことながら続けていく。
 それを形にしたのが昨年12月に発表した「SUPERIA ZD-II」だ。砂目技術「MGZ」の設計思想を継承しながら、さらなるレベルアップを図り、従来のZDに比べ約1.5倍という耐刷性を達成するとともに、描画品質の安定性、版面の画像視認性も向上させ、プレートとしての信頼性を高めている。

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 完全無処理プレートの最終形は、刷り易さ、耐刷性、安定性すべてにおいて有処理プレートと同等レベルまでもっていくこと。しかし、ある意味で普及期に入った今、性能だけではなく、サポート面やサービス面がより一層求められてきている。
 当社では、有処理プレートから無処理プレートへの移行に取り組むユーザーに対し、最良な印刷条件で無処理プレートの使用開始に向けた支援を提供できるなど、とくにサポート面では圧倒的に優位性があると自負している。
 さらに対環境面では、カーボン・オフセット制度を活用した環境保全活動「Green Graphic Project(GGP)」がある。これは、「SUPERIA 完全無処理サーマルCTPプレート」のCO2排出量を全量オフセットし、「カーボンゼロ・プレート」として提供するもの。ユーザーは当社の無処理プレートを使用するだけでCO2排出量の削減や開発途上国支援に繋がるほか、CSR活動のひとつとして対外的にアピールもできる。
 さらに今後、刷版工程の自動化は多くの印刷会社で大きな鍵になるだろう。それに対応すべく、プレートのハンドリングの省力化に繋がる設備にも注力していく。
 刷版分野のみならず、我々のソリューションにおいて「富士フイルムグループの総合力」は、あらゆる分野で大きなアドバンテージをもたらし、すべてのお客様の企業価値向上に貢献できると確信している。

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