ジーティービー、紙面比較検査システム「Hallmarker」-PDF、バーコード対応機能追加
2016年3月15日
DTPから製版・印刷・納品までの全工程における比較検査が可能なシステムを提供する(株)ジーティービー(本社/神戸市中央区、大西幹雄社長)は2016年、様々な新展開を開始している。紙面比較検査システム「Hallmarker」をVersion4.7にバージョンアップしたほか、初夏からはサブスクリプションでの提供を開始する。page2016では、カメラ式簡単検査システム「CorrectEye」よりも低価格で高解像度を実現する「CorrectScan」を発表した。drupa2016にも出展し、海外展開もさらに加速させる。
CorrectEyeの前で大西社長
初夏からサブスクリプションでの提供開始
同社のロングセラー製品である「Hallmarker(ホールマーカー)」は、一度に大量の内容を比較検査するような大量頁物の検査に威力を発揮する紙面比較検査システム。目視による検査工程を削減し、高速・確実な検査で顧客の信頼を得ることができるシステムで、カンプや先方の見本と自社のRIPデータの比較、修正箇所の確認、刷版データと校了紙の比較など、検査対象の組み合わせを選ばず、例えば1,000頁のA4カタログであれば1分間で14〜15ページのスキャニングと検査を行うため、1時間半以内に終えることができる。無人による深夜の自動検査も可能である。検査結果は専用ビューアーで簡単に確認することができ、利用者はその画像や検査結果を判断するだけである。
同社は今回、このホールマーカーをこれまでのVersion4.6からVersion4.7にバージョンアップした。新機能として、PDFが直接読み込めるため、RIPがない環境でも検査ができるようになったほか、バーコードのデコード機能で内容の確認が可能になった。また、「自動位置合わせ」および「自動歪み補正機能」の向上により、位置合わせ不良による検査エラーが減少した。Windows10にも対応している。
今回のバージョンアップについて同社の大西社長は、「PDF対応により、ユーザーの裾野がさらに広がることに期待している。また、バーコードの内容チェックは海外での需要が高く、海外展開を見据えた機能として追加した」と説明する。
同社はまた、今年の初夏よりホールマーカーのサブスクリプションでの提供を開始する。契約は月単位で3ヵ月から契約が可能であるため、検査システムが必要な時だけ、手ごろな価格で利用できる。しかも、常に最新版を利用でき、ユーザーにとっては様々なメリットがありそうだ。
「デザイン会社や小規模な印刷会社にも検査システムのニーズはあるが、コスト的にハードルが高いと感じている会社も多い。そのような会社に対して、サブスクリプションでの提供により、さらにユーザーの裾野が広がることが期待できる。また、普段は必要ないが繁忙期のみ利用したい会社や、普段は1台のみ利用しているが繁忙期のみ台数を増やして利用したいといったユーザーのニーズに対応している」(関本太一氏)
「CorrectScan」を発表
また、同社はカメラ式非接触型入力検査システム「CorrectEye(コレクトアイ)」を提供しているが、page2016においてカメラではなくスキャナで画像を読み込む「CorrectScan(コレクトスキャン)」を発表した。コレクトアイよりも高解像度を実現するとともに、低価格での提供が可能となっている。
「コレクトアイは非接触型であるため、インキが乾く前に検査することができるというメリットがあるが、昨今ではUV印刷も普及しているため、接触型であっても低価格であれば需要が高いと判断し、大型のスキャナとホールマーカーを一体化してシステム化した『コレクトスキャン』を製品化した。スキャナとホールマーカーが別々ではなく、スキャナで読み込んだら自動的に検査が始まるので、現場も使いやすいシステムになっていると考えている」(大西社長)
drupa2016にも出展
同社はdrupa2016において、代理店である東レインターナショナル(株)と共同ブースで出展する。また、サカタインクス(株)のブースにおいても、同社製品が展示される予定だ。
「当社では検査システムのほかにも、1bitTiffCTPワークフローやWEBサービス構築システム、オンデマンド印刷フローなどを取り扱っているが、drupaでは、主に検査関連システムを中心に出展する。現在の海外展開はアジア圏が中心となっているが、今後はヨーロッパも視野に入れた展開をしていきたい」(大西社長)
同社は印刷機に取り付ける検査システムではなく、プリプレスの検査システムからスタートした企業。このため、同社の検査システムは上流から印刷までの全工程において、上流の検査合格データを次の工程の検査マ スターとしながら、会社全体の検査の信頼性を上げていくことが可能となる。
大西社長は今後の製品開発について「検査システムをニーズに応じて細分化し、それぞれの目的に対して特化したものを開発していく。これにより、海外展開もさらに加速させていきたい」との方針を示している。