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富士ゼロックス、Color 1000i Pressの可能性を提案 〜 目指すのは「言行一致」

2016年1月1日

イベントツールで金・銀トナーを活用

 「音楽は、国や民族、言語、文化の違いを超えて、人々の心を動かすことができる世界共通のコミュニケーション」。そのコンセプトを実践するために富士ゼロックス(株)は、1987年から世界的に著名なヴァイオリニストであるイツァーク・パールマン氏の日本公演をサポートしており、その12回目の日本公演が2015年11月に行われた。同社では、2010年の公演から会場で配布されるプログラム印刷に「Color 1000 Press」を採用。そして今回、ゴールド・シルバートナーが搭載可能となった新しいプロダクションプリンター「Color 1000i Press」を活用してプログラムのほかオリジナルCDケースを作成し、高級パッケージ印刷への対応に挑戦している。そこには同社が掲げる「言行一致」への強い想いが込められている。

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中島 部長


 1987年の第1回の日本公演から28年の永きにわたり、同イベントを開催してきた理由について、富士ゼロックス(株)広報宣伝部・中島康光部長は次の様に説明する。
 「当社のミッションステートメントの1つに、コミュニケーションを通じて、世界の相互信頼と文化の発展に貢献という一文がある。今回のパールマンの日本公演に加え、当社はスポーツなどのイベントを、国や地域、民族、あるいは文化や歴史などの垣根を超えて人々が通じ合うためのコミュニケーションのひとつであると考え支援している」
 今回は東京、大阪、愛知の3拠点で4回の一般公演のほか、同社の顧客を招待して行われる「富士ゼロックスデー」が開催された。その「富士ゼロックスデー」では、プログラムと合わせてパールマン氏の演奏を収録したオリジナルのCDを特別に制作した専用のケースに収めて配布している。その印刷に使用されたのがゴールドトナー、シルバートナーの搭載が可能となった「Color 1000i Press」だ。
 同社では、「Color 1000 Press」が発表された2009年末以降、様々なイベントで同機で印刷したアプリケーションを提供。2010年公演のプログラムでは、表紙にクリアトナーで譜面を印刷。2013年公演では、パールマン氏の名前とバイオリンの絵柄にクリアトナーを施したプログラムを作成し、凹凸のある質感や光沢感のある色鮮やかな風合いを表現した。
 そして今回は、新たな機能として加わったゴールドトナー、シルバートナーの魅力を最大限に活用している。プログラムの表紙には、シルバートナーを、そして今回、新たに作成されたCDケースには、ゴールドトナーが採用されている。

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Color 1000i Press

「言行一致」への取り組み

 配布用の印刷物に自社のプロダクションプリンターを活用し、その機能を広くアピールする、メーカーとして当たり前のプロモーション活動である。しかし、同社の狙いは、それとは大きく異なる。同社が目指しているのは、「言行一致」への取り組みだ。
 「当社が追い求めていることは、お客様の価値創造を支援すること。そのためには、お客様に提案する前に、まず自分たちが実行し、評価をしなければならない。当社では、これを『言行一致』と呼んでいる。その取り組みの実践として、パールマンをはじめ、様々なイベントを通じて、当社のプロダクションプリンターによる出力物を提供している。つまり、単に当社商品をPRするのではなく、お客様の今後のビジネスのヒントになれば、という想いを込めている」(中島部長)

高級パッケージ制作への挑戦

 従来、「金」というと箔押し加工など、いわゆる「キラキラ」したイメージが一般的だが、中島部長は「当社のゴールドトナーの特徴である上品な『金』が表現できたと思う」と語っている。
 また、パールマン氏の日本公演は、各会場ごとに演奏する曲目が異なっている。そのためプログラムでは、PODの特徴の1つである多品種対応を活用し、各会場別に演奏される曲目を印刷した複数種類のプログラムを制作している。
 CDケースについては、展開図として印刷して、箱形のパッケージを形成することも可能であるが、同社では、あえて「貼り紙」として印刷し、CDケースの型紙に貼り込むことで、高級感と重厚感を演出している。今回は黒用紙を使用することで、ゴールドトナーがより引き立つように工夫した。
 「これまで印刷会社では、箔押し加工や、オフセット印刷でゴールド、シルバーを表現してきた。しかし、今回のような多品種小ロット対応では、コストと時間がかかるので、その課題解決策として提案するColor 1000i Pressを、今回の様に実際のアプリケーションとしてお見せすることで、より特性を理解してもらえたはず」

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プログラムの表紙にはシルバートナーを使用

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従来にない高級感を演出

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CDケースにはゴールドトナーを使用


前例のないサポートを高く評価

 スポーツやファッションなど多岐にわたる分野のイベントを手がけるIMG社は、第1回の日本公演から同イベントの運営を担当している。そのIMG社の藤田善彦氏に、富士ゼロックスの取り組みについて伺った。
 「パールマンの日本公演は1987年の第1回から、ほぼ隔年で開催され、今回で12回目となる。一企業が1人のアーティストに対し、28年という長い間、スポンサーとして支援している例はない。そのためパールマンにとって、日本は愛着のある大切な拠点であり、結果として、これだけ日本公演が継続できたと思う」
 同社が手がける何万人も集客できるスポーツイベントとは異なり、音楽関連のイベントは、会場収容力からの集客数は限定される。しかし、「音楽を通じて国や文化の異なる人々と感動を共有する」に取り組む富士ゼロックスの姿勢を藤田氏は高く評価している。
 次に「Color 1000i Press」で印刷されたプログラムについて藤田氏は、どう評価しているのか。
 藤田氏は、2010年の公演に際し、富士ゼロックスから「Color 1000 Press」によるプログラム制作の提案を受けた。藤田氏は「Color 1000 Press」の印刷品質を認識していた訳ではないが、富士ゼロックスの商品活用はメリットがあると判断した。
 プログラムのデザインやレイアウト、そして使用する写真など、パールマン氏に確認を取った上での制作となる。しかし、実際の仕上がり具合は、日本に来日してからの確認となるわけだが、クリアトナーが施されたプログラムを見てパールマン氏は、その仕上がりに納得したという。
 「当初、パールマンは、カラーコピーによる出力物を想定していたようだ。実際のプログラムを手に取って見て、コピー用紙の様に紙が薄くない、しっかりとした体裁と印刷品質にも満足していた」(藤田氏)

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藤田 氏


パールマン氏も納得の仕上がり

 藤田氏も「印刷に関する詳しい知識を持っている訳ではないので、技術的な側面から評価をすることはできないが、1回目より2回目、2回目よりも3回目と、常に進化したプログラムとして制作されている」と語る。
 また、今回のCDケースについてもパールマン氏は、大いに気に入った様で、実際に今回のCDケースを持ち帰っていることから、その仕上がり具合に納得していることが伺える。
 また、パールマン氏は、「1曲のために、ここまで立派なCDケースを作ったのか」と、驚くとともに「おもてなし」を大切にする富士ゼロックスの行動を評価したという。
 「パールマン自身、これまでの実績から、CDが配られていることは認識していた。しかし、それはプログラムに同封されたかたちでの提供であったため、今回の様に、独立した、しかもプレミアム感を演出したCDケースであったことから非常に喜んでいた」(藤田氏)
 藤田氏も、今回のCDケースを高く評価しており、今後は、他のイベントでの活用も検討できると述べている。
 「今回のCDケースについては、今後、他の音楽イベントの提案ツールとしても活用できると考えている。今回の様にパールマンという著名なアーティストのイベントで、かつプレミアムなお客様にオリジナルのアイテムを制作し配布することが、企業イベントのオリジナリティや満足度を高めると考えている」(藤田氏)

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