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クルツジャパン、多彩なメタリック表現を実現 〜 トナー上に箔を熱圧着

2015年9月5日

デジタル印刷機で簡単箔転写

 クルツジャパン(株)(本社/大阪府吹田市)は、デジタル印刷とメタリック加飾を融合することで新たな箔転写を実現する箔素材「DIGITAL METAL(デジタル・メタル)」を活用したデジタル箔転写ソリューションを提案している。「DIGITAL METAL」は、デジタル印刷機で出力されたトナー上に箔転写することができ、さらに、その箔の上にも印刷が可能な新たな箔素材で、そのデジタル箔転写ソリューションの核となるのが、新開発された箔加工機「DM-LINER」だ。

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竹田氏

極小ロット・可変印刷にも柔軟に対応

 「DM-LINER」は、デジタル印刷機で出力されたトナー部にのみ反応するデジタル箔転写システム。トナーにのみ反応するシステムなので、どんなデザインに対しても金型を必要とせずに、箔転写が可能。この特性によりデジタル印刷機の強みである可変印刷にも対応でき、1枚1枚異なる絵柄に対し、箔転写を施すことができる。当然ながら、極小ロットの箔転写にも柔軟に対応できる。

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加工プロセス

 加工プロセスとしては、まず、箔転写したい絵柄をデジタル印刷機で印刷する。次に、その出力物を「DM-LINER」に通すことで、トナーが熱で溶け接着剤の役割を果たし、トナー部分にのみ、箔が転写される。さらに、その箔転写された印刷物の上にもう一度、印刷することもできるので、様々なカラーバリエーションによるメタリック表現が可能となる。具体的には、シルバー箔の上に黄色を印刷することでゴールド箔を演出でき、そのほかの色についても同様のメタリック表現ができるので、複数色の箔を用意しなくても多彩な色表現を実現する。
 さらにナンバリングやQRコードなどの可変情報にも問題なく箔転写できるので、偽造防止加工の機能も有している。用紙幅は、210×297mm〜390×500mm、そして紙厚は90〜350g/平米に対応する。

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DM-LINER


転写された箔への印刷も可能

 同社のアシスタント・セールスマネージャーである竹田悠氏は、「トナー部に箔を転写する技術は、すでに存在していた。しかし、『DIGITAL METAL』は、箔の上からでもトナーが定着できる素材として開発されたもの。これにより、転写された箔の上に印刷が可能となり、より付加価値の高い箔加工で製品の差別化を図ることができるはず」と、従来の箔転写技術にはない、「DIGITAL METAL」の優位性について説明する。
 また、竹田氏は「従来の箔押し機は、オペレーターが様々な調整を行った上で稼働させることが多かった。しかし、『DM-LINER』は、トナー部分だけに箔が定着するので、単純にいえば、機械を通すだけで、誰にでも箔押し加工ができる」と、高度な箔押し技術が不要なことも特徴のひとつだと竹田氏は説明する。
 提供している箔のバリエーションは、シルバー、ゴールド、ホログラムを基本とし、さらにロゴマークやキャラクターなど、用途に応じたオリジナルデザイン箔にも対応している。

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フォトブックなど多彩な商品に対応できる


コールドフォイル印刷の校正にも効果を発揮

 竹田氏は、デジタル印刷機だけでなく、オフセット印刷機との連携でも、その効果を発揮すると説明する。
 「欧州では、オフセット印刷機によるコールドフォイル印刷の校正機として『DM-LINER』を導入するケースも見られる。コールドフォイル印刷は、本機による校正が必要となるため、資材コストだけでなく時間コストも膨大なものとなってしまう。しかし、『DM-LINER』であれば、1枚から箔加工を施せるので、低コストでの校正紙作成が可能。これによりコールドフォイル印刷の校正機としても力を発揮する」
 さらに料金形態も一新し、箔押しを行う度に課金される「ペイ・パー・スタンプ方式」を採用している点も新たな取り組みといえる。
 「従来は、資材である箔を数本単位で購入してもらっていたが、『DM-LINER』では、1スタンプ毎に課金されるペイ・パー・スタンプ方式を採用している。これは、デジタル印刷機のプリントカウンターと同様のシステムで、使用した分を月単位で請求するもの。これにより顧客側の在庫圧縮にも貢献できる」(竹田氏)
 また、同機の本体はドイツ本社とオンライン接続されており、仮にトラブルが発生した場合でもリモート操作で原因究明・復旧支援を行う体制が整っている。
 同社では、IGAS2015(東6ホール6-22)で、加工サンプルや映像で「DM-LINER」の機能を紹介していくとともに、印刷関連業だけでなく、ブランドオーナーに対しても、デジタル箔加工技術をPRしていく方針だ。
 なお、国内第1号機は、今夏、納入され稼働を開始しているとのこと。

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