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FFGS、新ブランド「SUPERIA」をグローバル展開

2015年5月5日

 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)(渥美守弘社長)は4月23日、西麻布本社ICCショールーム内で記者会見を開き、「省資源」をメインコンセプトにしたオフセット印刷分野向けソリューションの新ブランド「FUJIFILM SUPERIA(フジフイルム スーペリア)」のグローバル展開を発表した。「SUPERIA」は、同社がこれまで追求してきた「安定した高品質・優れた環境性」という価値に加え、オフセット印刷業界向けに「確実な収益性アップ」という切り口で新たな価値を提供するソリューションブランド。会見では、国内において昨年後半から提唱してきた「戦略的『省資源』」という概念を「SUPERIA」として世界に発信していく具体的方針が示された。

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「戦略的『省資源』」を世界へ〜「環境はコストでなく儲かるネタ」

superia20150423_atsumi.jpg 「FUJIFILM SUPERIA」は、同社のコーポレートスローガン「Value from Innovation」に基づき、これまで追求してきた「安定した高品質・優れた環境性」という価値に加え、オフセット印刷業界向けに「確実な収益性アップ」という切り口で新たな価値を提供するソリューション。4月7日から中国・広東現代国際展覧センターで開催された「PRINT CHINA 2015」において正式発表され、幅広い製品群と品質管理技術、サポート技術などを総合的に投入して、順次、世界各国で提供を開始していく。

 「省資源」はこれまで環境配慮の観点で主に取り組まれてきたが、同社では、この考え方をさらに一歩発展させ、オフセット印刷会社で使われる用紙・インキなどの主資材の節減や、作業の効率化(作業時間の短縮)、工数の削減などによって生み出されるコスト削減効果、すなわち収益性改善という側面にも着目。経営的な視点から、企業基盤強化のための「省資源」を「省材料」「省工数」「省エネルギー」「省排出」「省ウォーター」の5つの「what」にカテゴリー分けし、これらを実現するための「how」を、刷版工程・プレスルーム向け製品群を中心に改めて体系化した。今後、新ブランド「FUJIFILM SUPERIA」では、確固たる品質、生産体制のもと、CTP版材、CTPシステム、印刷関連薬品、ソフトウェア、コンサルティングなどを含めた多様な製品の相乗効果によって、「5つの省資源」を実現していく。

【5つの省資源】
▽省材料:印刷コストに占める割合が高い「用紙」や「インキ」を中心に、主資材の無駄な使用を減らし、トータルの材料コストを削減する。
▽省工数:やり直しなどの無駄な作業時間を短縮、または生産方式そのものの変革から工程自体を削減する。
▽省エネルギー:工程の最適化により効率性を高め、エネルギーの使用量・コストを削減する。
▽省排出:薬品廃液やVOC(揮発性有機化合物)など、環境に悪影響を与える物質の排出を削減し、廃棄物処理コストを下げる。
▽省ウォーター:水の無駄な使用・排出を削減し、水のコスト、排水処理コストを削減する。

       ◇        ◇

 会見の席上、挨拶に立った渥美社長は、「我々は、国内において昨年後半から『戦略的省資源』という新たなコンセプトを打ち出し、2月のpage展でもブースデモやセミナーを通じて紹介してきた。この『戦略的省資源』とは、オフセット印刷の5大要素である印刷機、紙、インキ、水、刷版を横串にしてトータルに見て無駄を減らしていこうという概念。その効果を数値化することで、確実な収益性アップにつなげていく」と説明。さらに渥美社長は「コストダウンにおいて『常損』という概念がある。物を流す時、『最初と最後は必ず捨てる』という考え方だが、この『常損』そのものを見直すことがコストダウン活動の最終段階である」と述べ、そこにまで踏み込んだ「省資源」活動こそが「SUPERIA」の真骨頂であることを強調。「印刷会社にとって環境はコストではなく儲かるネタである。環境負荷を削減すればするほど企業は儲かる。そういった仕組み、土台づくりをサポートしていきたい」との考えを示した。

「利益直結」「総力結集」「効果歴然」

 「SUPERIA」とは、「SUPERIOR」(優れた)の語尾を変化させた造語で、「上質」「高いクオリティ」であることを表現している。

 同社では、この「SUPERIA」の設計において、コストダウン、売上アップによる「利益直結」、サポート、物流、生産、R&Dといった機能を営業が顧客に届けるといった「総力結集」、明らかな効果を達成する「効果歴然」という3つのコンセプトを掲げている。

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【完全無処理サーマルCTPシステム「SUPERIA XZ-R」】
 アルカリ現像やガム処理などの処理工程が一切不要という「完全無処理」に加え、「High Productivity/High Speed/High Quality/High Definition」を同時に追求。品質・生産性・環境性・経済性のすべてを高レベルで兼ね備えた、いわば「オフセット用CTPの究極形」として国内外で高く評価され、現在までにワールドワイドで約3000社、国内では約450社に導入されている。
 この、完全無処理プレートの全方位的な性能を支えているのは、富士フイルム独自の支持体表面制御技術を応用した「MULTIGRAIN構造」(MGV砂目)。無処理プレートでは、従来のMULTI GRAINを一段と進化させ、さらなる親水性向上を達成。より水を絞れるようになり、耐汚れ性が高まり、優れた印刷品質・刷りやすさを実現している。
 さらに、「FPD(Fine Particle Dispersion)技術」および「RSS(Rapid Stable Start-up)技術」を新たに投入。FPD技術は、感光層に特殊な微細粒子を分散させることで、画像形成性と画像部強度を同時に確保。RSS技術は、「画像部の強度」と「非画像部の除去性」という相反する性能を両立させ、印刷機上で高速かつ安定した画像形成を可能にしている。これらの高度な独自技術の相乗効果により、印刷条件に左右されない信頼性を実現。今後も、継続して基本性能を向上させていく方針。

【「SUPERIA」(有処理)サーマルCTPシステム】
 再現性・刷りやすさ・耐刷性に優れたプレートと、低補充・低廃液・高安定の自動現像システムの組み合わせにより、「最高レベルの印刷品質」と「歴然とした省資源効果」を提供。また、アルミ表面処理技術「MULTIGRAIN」や、塗布技術「MULTI-Coating」などの独自技術により、高品質な網点の安定的な再現を実現し、印刷時の汚れにくさと耐刷性を両立させたほか、最適な水・インキバランスを実現。さまざまな印刷条件下で「水を最適に絞った印刷」を可能にし、インキ使用量の最適化、インキ乾燥性の向上、色再現の安定化など、刷版・印刷から後加工までのトータルな生産効率アップに大きく寄与する。
 処理システムには、先進のZAC(ECONEX)テクノロジーを採用。この技術を搭載した自現機は世界で6,000台以上導入され、日本でも約3,500台が導入されている。
 現像カスを発生させない現像・補充液技術と、CTPプレートに投入された特殊表面処理技術、耐薬品性に優れた重層塗布技術の相乗効果により、処理液感度を常に安定維持できる「抜群の処理安定性」と、「圧倒的なロングバスライフ」(原理的には無限のバスライフ技術)を達成。その結果、CTP工程における「低補充・低廃液」「メンテナンス性の大幅な向上」を実現している。

【湿し水・印刷関連薬品「SUPERIA PRESSMAXシリーズ」】
 長年にわたる技術サポートを通じて印刷現場を熟知し、さらに、国内外の印刷薬品メーカーとのM&Aにより広範なノウハウを蓄積してきた富士フイルムは、印刷工程で生じるさまざまな課題に対し、豊富な薬品ラインアップの中から最適な製品を提供することができる。これらの印刷関連薬品は、「高い安全性」と「優れた使用効果」を両立させているのが特長である。
 印刷品質の維持において重要な役割を果たす「湿し水」は、インキ中に入る水量を最適にコントロールする「過乳化抑制技術」をはじめ、砂目の親水化基に付着・蓄積していく汚れを除去する「Grain Refreshing技術」など、富士フイルム独自の技術を複合的に投入することで、ローラー汚れやグレージング、ローラーストリップ、紙粉付着、ブランパイリングといった印刷トラブルを確実に抑制し、品質安定化、印刷機稼働率アップに大きく寄与。その歴然とした効果により、枚葉・輪転を問わず、多くのユーザーから高い評価を得ている。
 2015年5月より、日本国内では湿し水・印刷関連薬品のラインアップを刷新。「全製品、有機則非該当」を実現し、環境性能を一段と高めた上で、世界統一ブランド「PRESSMAX」のもと展開する。

【ワークフローシステム/スクリーニング】
 製造工程の要となるワークフローシステム「XMF」では、作業の効率化・工程数の削減を実現する自動化機能や、品質安定化・材料コスト削減に直結する機能など、さまざまな観点から「工程全体の最適化」に寄与する高度な技術を盛り込んでいる。
 なかでも、標準搭載の「インキ削減機能」は、透明効果やオーバープリントなどのグラフィック処理を含めた印刷品質を維持しながら、インキ使用量を確実にセーブすることが可能。さらに、富士フイルム独自の網点生成技術を応用したFMスクリーニング・高精細AMスクリーニングを併せて活用することで、「品質向上とインキ量削減の両立」が、より高いレベルで実現する。

【印刷工程改善支援ソリューション「SUPERIA Eco&Fast Printing」】
 富士フイルムでは、版材や湿し水を単に提供するだけでなく、実際に印刷で使用する際にその性能が最大限に発揮されるよう、印刷工程の最適化を多角的にサポートするコンサルティングも実施している。刷版生産拠点である吉田南工場でのQC活動から得たノウハウなども活かしながら、印刷機や湿し水などの状態を診断・分析し、その結果をもとに、メンテナンス方法や各種設定の見直しなど、印刷工程の改善活動をきめ細かくサポートすることで、品質の安定化、生産性の向上、材料・エネルギーコストの削減につなげていく。
 また、Japan Color、G7などの業界標準色の運用および認証取得の支援により、「標準化」による作業効率化・コスト削減もサポートする。

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