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富士ゼロックス、3都市でVersant 2100 Press公開 〜 プロ向け機能を多数搭載

2014年7月25日

画像処理技術を刷新す高画質を実現

 富士ゼロックス(株)は7月2日、マンダリンオリエンタルホテル東京を皮切りに福岡・大阪の計3都市で、本年7月に発売を開始したカラー・オンデマンド・パブリッシングシステム「Versant(バーサント)2100 Press」の製品披露会を開催し、延べ1,400名が参加した。「Versant 2100 Press」は、同社の上位モデル「Color 1000 Press」のプロ向け機能を厳選し、そのコンパクトなボディに凝縮して搭載したスタンダードモデル。会場では、印刷実演も行われ、高品質・高生産を実現する同機の機能性が披露されたほか、特別セミナーや各種ソリューション提案などが行われた。

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Versant 2100 Press


300g/平米の厚紙もフルカラー100ページ/分の高速出力

 カラー・オンデマンド・パブリッシングシステム「Versant(バーサント)2100 Press」は、上位機種の「Color 1000 Press」の技術ノウハウを詰め込みながらコストダウンを実現し、これまでデジタル化の投資を控えていた印刷会社に対し、デジタル化への第一歩を踏み出してもらうために開発されたスタンダードモデル。
 製品名の「Versant」とは、「Versatility(多用途)」+「Flexibility(適応)」+「Well-versed(熟知)」を混ぜ合わせた造語で、その意味は、生産性、画質、信頼性、効率性等のあらゆる側面で発揮される優れたコストパフォーマンスを示している。同機は「優れたコストパフォーマンス」、「オフセット印刷に迫る高画質」、「導入企業の売上を最大化する仕組み」という3つのコンセプトをもとに開発されている。
 本体中央にあるベルトロール定着器や冷却装置は、上位モデル「Color 1000 Press」の技術をベースにコンパクト化したうえでコストダウンを目指し、再設計を施している。これにより52g/平米から350g/平米まで幅広い用紙に対応し、300g/平米まではスピードダウンすることなく、1分間に100ページを出力できるので用紙を選ばず、高い生産性を発揮する。
 大容量トレイは、涼風と温風を吹き込み、用紙を巻きながら搬送するため、密着性の高いコート紙や薄紙から厚紙まで、幅広い用紙出力に対応。また用紙出力は、郵便ハガキからA3フルトンボ付きサイズまで対応できる。各トレイから出力された用紙は、ゲート式レジストレーション機構により高速走行する用紙の姿勢と走行経路の安定化を実現、高精度な表裏見当が可能となっている。
 また2本の加熱ロールと定着ベルトの接触面積を十分に確保することにより、定着ベルトを効率的にムラなく一定温度まで加熱し、厚紙においても温度低下することなく連続走行が可能となっている。
 用紙冷却装置は、トナー定着後、用紙に蓄積された熱を放熱し、用紙同士の張り付きやカール、波打ちなどを抑制して仕上がり品質の向上と後処理加工までの時間短縮に貢献する。また紙詰まり時に機内に残った用紙を自動で排出する機能も標準装備しており、ストレスなく効率的に運用することができる。
 これら多彩な機能を搭載しながら、本体容積も上位機種「Color 1000 Press」に比べ、約半分に削減。奥行きも抑えられ、場所を選ばない柔軟な設置レイアウトを可能としている。

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会場では様々なソリューションサービスも提案

 
新開発のプリントサーバーを搭載

 今回、プリントエンジンとセットになるプリントサーバーを全面刷新。新開発の「GX Print Server」による特許申請中の独自の中間フォーマットによる画像処理では、テキストやイメージなどをオブジェクト毎に効率的に圧縮することにより、処理時間を短縮。またRIPアクセラレータボードにより、従来、ソフトウェアで行っていた処理をハードウェアで行うことにより処理時間の短縮を図っている。これらによりサーバーのRIP生産性が大幅に向上。具体的には、大容量のバリアブルデータ等も高速に処理でき、従来の「PX Print Server」と比較して約3倍のスピードを発揮。これによりサーバーのRIP処理時間がボトルネックになることなく、システム全体の稼働率を向上させることができる。
 実績のあるピクセル2,400dpi出力画像解像度と定評のあるEAエコトナーの技術をベースにイメージングアーキテクチャーを刷新。このイメージングアーキテクチャーとは、プリントサーバー側のRIP、イメージ処理から出力部であるプリンターにかけての一連の画像処理のことで、新開発の1,200dpiRIP処理と同社独自の技術の組み合わせにより、文字や線画の品質を向上させている。この技術により、これまでの課題であった文字のつぶれや線画のジャギーを解消し、高品質に出力することが可能。また漫画などで使用されるスクリーントーンで発生するモアレに対しては、新開発のFMスクリーンで粒状性を維持しながらモアレを解消することができる。これにより成長著しい同人誌印刷にも効果を発揮する。ほかにもスクリーンの選択肢も拡げており、出力物に合わせて使用することができる。

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特別セミナーも3講座開催


多彩なアプリケーションに柔軟に対応

 同機は従来からの測色機を装備し、マニュアル作業による調整に加え、上位モデル「Color 1000 Press」で好評のインラインセンサーを標準で搭載。このインラインセンサーがキャリブレーションはもちろん表裏見当合わせや階調調整などの基本的な調整作業を実行。チャートの出力指示をかけるだけなのでオペレータが行う出力前の準備作業を軽減することができる。
 さらに同機では、定着器の設計を工夫したことにより封筒の走行性を改善。バリアブル印刷と組み合わせることにより付加価値の高い印刷物の提供も可能となる。また66cmまでの長尺用紙へのプリントも可能となり、A4の3面付けや、A4サイズの冊子を包む本のカバーや帯なども作成することができる。
 この他にも350g/平米までの厚紙もプリントできるので、プレミア感のある厚紙名刺やコースターのようなノベルティ、さらには小ロットのパッケージ印刷等にも対応。これら幅広い用紙対応力により、印刷会社が受注できるビジネス領域を拡大することができる。

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