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FFGS、デジタルプレスとパッケージ印刷のショールーム「WING CITY ashigara」開設

2014年2月15日

 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(株)(渥美守弘社長、以下「FFGS」)は、デジタルプレスおよびパッケージ印刷の最新ソリューションを実機デモで体感できる新ショールーム「FFGS WING CITY ashigara」を、神奈川県南足柄市の富士フイルムテクノプロダクツ(株)内に開設した。同施設は、富士フイルム80周年記念事業の一環として完成させたもの。デジタルプレスソリューションを紹介する「デジタルプレスイノベーションセンター」と、パッケージソリューションを紹介する「グランパックス ラボセンター」の2つのショールームで構成。ソリューションコンセプト「i-Vision Wing」の両翼を担うこれらソリューションをより実戦的な形で紹介することで、印刷会社が印刷の未来を体感しながら今後の事業戦略・設備導入の検討を行える場を提供していく。

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左から、吉田会長、渥美社長、伊藤取締役・執行役員、佐藤常務執行役員、金子常務執行役員


 1月28日、「WING CITY ashigara」完成の発表記者会見が同施設内で開催され、会見には吉田整会長、渥美社長、伊藤卓夫取締役・執行役員、佐藤正人常務執行役員、金子雄次郎常務執行役員らが出席。はじめに挨拶に立った渥美社長は、「富士フイルムは1934年の誕生以来、今年1月20日をもって80周年を迎えた」と報告。新しいコーポレートスローガン「Value from Innovation」のもと事業展開していく決意を改めて表明した上で、「新生FFGS設立から1年、グローバル展開でグラフィック事業の水平統合を推進してきた。平成27年度にはグラフィック事業連結売上3,000億円を目指す」との方針を明らかにした。
 さらに渥美社長は、その原動力となるソリューションコンセプト「i-Vision Wing」について言及。「従来のオフセットの流れに加え、パッケージ向けフレキソ印刷ソリューションとデジタルプレスソリューションという両翼を伸ばしながら新しい印刷の姿を描いていく」との方針を示し、「刷版事業の強化」「デジタルプレスの拡大」「パッケージ分野・フレキソ推進」を核とした事業展開に意欲を示した。
 とくに刷版事業の強化では、富士フイルムの吉田南工場をFFGSに統合することを明らかにし、「刷版事業における開発・製造・販売・サポートを一元化することでワールドワイドの水平統合から垂直統合へと展開を加速させる」と説明。また、「デジタルプレスの拡大」「パッケージ分野・フレキソ推進」については「今回完成した『WING CITY ashigara』が重要な役割を担う」との考えを示した。
 続いて金子常務執行役員から「WING CITY ashigara」の全体コンセプトや概要が説明された。
 同施設は、「未来の印刷を感じてもらう場」をコンセプトに、富士フイルム80周年記念事業のひとつとして、富士フイルムの研究・開発拠点が集約された足柄地区に設立されたもので、「デジタルプレスイノベーションセンター」と「グランパックス ラボセンター」の2つのショールームで構成される。
 デジタルプレスイノベーションセンターでは、デジタルプレス分野での最先端技術や商品を紹介し、次世代のインクジェットデジタル印刷を提案。一方、グランパックス ラボセンターでは、プレートメーキングから校正、水性フレキソ印刷、ポストプレス、各種資材までのパッケージソリューションをトータルに提案。ソリューションコンセプト「i-Vision Wing」の両翼を担うこれらソリューションをより実戦的な形で紹介することで、印刷会社が印刷の未来を体感しながら今後の事業戦略・設備導入の検討を行える場を提供していく考えだ。
 また、デジタルプレスイノベーションセンターには現在、紙器・パッケージ仕様のJet Press720F(仮称)が設置されていることから「パッケージ製造分野においては、今後2大製造技術となるデジタルプレス、フレキソ印刷システムを一堂に紹介していく」(金子常務執行役員)としている。
 さらに富士フイルムデジタルプレスの品田英俊社長は、「Jet Pressは、富士フイルムの化学、メカトロニクス、画像処理、ソフトウェアといった幅広い技術を統合し、総力を挙げて開発したもの。開発・生産・販売が一体なって、この地で顧客の多様な要求に応えられる体制を整えていく」としている。


デジタルプレスイノベーションセンター

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Jet Press 720F(仮称)が設置されたDIGITAL PRESS Innovation Center

 デジタルプレスイノベーションセンターは、富士フイルム先進研究所、デジタルプレス事業の企画・開発部門(宮台R&D)、Jet Press製造部門(富士フイルムテクノプロダクツ)、ショールーム・デモ部門(FFGS)、教育・トレーニング部門(FFGST)が集結した、まさに富士フイルムのデジタルプレスのすべての機能が集約されたエリアに完成。企画から市場導入、教育までをトータルにサポートする施設である。
 コンセプトは、「デジタルプレスの工程・ビジネスを体験してもらう」「次なるデジタルプレスの姿を創り上げる」の2点。開設時から当面は「パッケージ印刷のマーケット動向」「超小部数パッケージ印刷の現状」「新たなニーズに応えるデジタルパッケージ印刷」といった「デジタルプレスにおけるパッケージ印刷のトレンド」をイノベーションテーマに掲げ、デジタル印刷によるパッケージ製作を中心に、新しいサービス、新製品の可能性を顧客とともに創造し、具現化していく場を目指す。
 展示されているのは、インラインニスコーターを搭載した厚紙対応のJetPress720F(仮称)。紙器印刷におけるJetPress活用のポイントとして「効率化(タイムコストの削減、損紙削減/出力安定性)」「広色域再現(出力安定性)」「新領域(バリアブル印刷、環境性能)」などを訴求していく。
【その他の展示製品】
▽次世代ハイブリッドワークフローシステム「FUJIFILM WORKFLOW XMF」
▽Webポータルシステム「XMF Remote」
▽各種印刷サンプル


グランパックス ラボセンター

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GRANPACS Lab.Center内に設置されたW&H社 MIRAFLEX AM 8色機

 グランパックス ラボセンターは、今後も大きく需要が伸びると予想されるパッケージ分野に対応した新たなフレキソ印刷システムを紹介する施設。入稿からフレキソ製版、フレキソ印刷、ポストプレスまでの全工程を体感できる、アジア初のショールームである。
 同分野における導入検討ユーザーの最大の不安材料は「新しいビジネス・技術に対するコンサル的なベンダーが国内にない」ということ。これに対し同社は、グランパックス ラボセンターにおいてプレートメーキングからCMS、印刷、ポストプレスまでのトータルソリューションを提供するとともに、システム導入のサポートを強力に推進。環境・食品包装の安全性をキーワードに水性フレキソ印刷の国内市場拡大を目指し、富士フイルムのフレキソ製版システムやフレキソ印刷機及び周辺機材など、FFGSパッケージソリューション「GRANPACS」を訴求していくことをコンセプトとしている。
 「フレキソ印刷工場」を標榜する同施設の最大の目玉は、CI型高速フレキソ印刷機「MIRAFLEX AM 8色機」(W&H社製)。直径1,620ミリの大型にして高精度なセンタードラムに代表される、信頼性の高い設計と製造技術によって高品質印刷を実現。版とアニロックスローラー、センタードラムとの印圧(タッチ)を短時間に最適化して品質の安定化と効率化を図るとともに、アニロックスローラー、チャンバーのインキ洗浄を少ない洗浄液で短時間に行えるのが大きな特長だ。最大原反幅1,320ミリ、最大印刷幅1,270ミリ、印刷リピート長370〜800ミリ、最大印刷速度400メートル/分、最大リール直径1,000ミリで、インスタントラーメンの袋なら50万袋/時の生産性を誇る。
 一方、フレキソ製版システムでは、B1サイズレーザー彫刻機「FLENEX DLE Setter DL-50/50W(仮称)」を展示。最大幅1,350×周長950ミリまでのスリーブ版と最大幅1,300×周長900ミリまでのシート版に対応し、高分解能レーザーの超微細記録ビームによる高精細なレリーフ彫刻を特長とする。
 シングルレーザー搭載機「DL-50」は富士フイルム版材との組み合わせで、0.8平方メートル/時、ダブルレーザー搭載機「DL-50W」では、世界最高速の1.6平方メートル/時を実現している。
 なお、同センターでは3月にオープンハウス開催を予定している。
【その他の展示製品】
▽軟包装向けフレキソ版「FDシリーズ(仮称)」
▽パッケージ印刷用ファインジェットプルーファー「GP-PRIMOJET Basic」

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