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富士ゼロックス、新たな視点で人材育成を支援 〜 実践的な教育に特化

2013年11月15日

経営・技術のスキルアップに貢献

fujizerox_iizuka_ogino.jpg 「人材育成」。企業の持続・発展には欠かせない重要な問題として認識しているが、実際にどう取り組めばいいのかを模索しているのが実情ではないか。富士ゼロックス(株)では、この問題に応えるため早くから「教育」に特化したプログラムを展開している。経営者から営業支援、技術サポートなどを網羅した、さまざまな教育プログラムをラインアップし、その充実した講座内容は各方面から高い評価を得ている。そこで今回、同社が提供する教育プログラムのいくつかをピックアップして紹介する。

変化に対応できる経営者の育成
 
 同社では、人材育成プログラムとして5つのコースを用意している。その中で経営者育成コースとして開設されている「印刷創世研究会」では印刷会社の後継者や幹部候補を育成する教育研修として、これまで約200名が受講している。
 その研修内容は、バランス・スコアカード(BSC)をベースに、財務や生産管理、マーケティング等を学び、自社あるいは自部門の発展に向けた事業戦略を受講者自身が立案する。これにより受講者は、自社・自部門の強みや弱みを再確認し、それらを成長させる手段を自ら創り出すことでリーダーとしてのスキルとモチベーションを養っていく。さらに企業・部門としてのビジョン策定だけでなく、変革に対応できる経営者・幹部となるために自己分析を行い、意識改革を図っていく。
 この「印刷創世研究会」を担当している同社・飯塚彰一氏は「当社以外にもさまざまな機関で経営者育成を目的とした教育プログラムが提供されている。当社のコースがユニークな点は対話型であること。つまり受講生同士のディスカッションや講師陣とのセッションを通じて、事業戦略等を受講生が主体的に立案していく。また研修後も、同期として切磋琢磨した交流を深めている」と、その特徴について説明する。
 合宿研修等の半年にわたるプログラムを経て、最終課程では、受講者が立案したビジョンと事業戦略を自身で発表して修了となる。

重要なのは徹底的に顧客を知ること
 
 変革の時代の中で、営業力強化はすべての企業のニーズといえる。そのニーズに応える教育コースが、「顧客価値創造型営業コース」だ。同コースは、受け身の営業スタイルから能動的な課題解決型営業の実践を支援している。
 具体的には「顧客の課題を見つけるために、『顧客』『顧客の顧客』『顧客の競合』の3つの視点から徹底的に顧客を知ること」をコンセプトに、受講企業がインターネット等で顧客情報収集を行い、カスタマー・バリュー・マーケティング・マネジメント(CVM)モデル図を作成。それを元に顧客と対話を進めながら顧客の潜在課題を抽出し、課題解決提案へとつなげる営業手法である。
 作成したCVMモデル図は、受講企業の社員全員でディスカッションされることでさらに洗練され、仮説提案書としてまとめられていく。最終的には、課題解決案として顧客に具体的な提案書として提示していく。
 「顧客側の真の印刷要求は『早い』『安い』『きれい』の改善的な役割ではなく、発注した印刷物による顧客満足度の向上、競合との差別化や収益率向上などの戦略的な役割を求めている。受講企業はそのニーズや課題を見つけ、顧客の戦略的な役割を担う印刷物を提案するための手法を学ぶことがこのコースの目的といえる。また、顧客との関係強化にもつながると確信している」(飯塚氏)。
 実際に顧客に提案した成果は受講企業内で事例として発表され、次の具体的提案書や企画書への展開に向けた検討材料として受講企業内で共有化され活用される。

アドビアプリケーションの活用支援

 同社では、経営者や営業といった人材育成とは別に、技術や資格といった教育プログラムも数多く用意している。
 その1つが印刷業界のDTP分野で幅広く活用されているアドビ社製のアプリケーションについて、基本機能や応用技術などを学べる「アドビ アプリケーション教育」だ。
 同社は本年7月「アドビ認定トレーニングセンター(AATC)」の認定を取得。これにより同社は、アドビ社のアプリケーションが提供する機能や技術に関する情報をいち早く、わかりやすく提供することが可能となり、新たな教育プログラムとして開設した。
 コースは、「Adobe Photoshop」と「Adobe Illustrator」の各アプリケーションに対し初級と中級の計4講座を用意。
 初級講座では、基本機能を講義と実習を交え学習し、各アプリケーションで必須となる機能を習得することができる。また中級講座では、応用機能と実践テクニックについて課題制作を通して学習していく。
 このプログラムでは、受講者が実際にカラーマネージメントを体感し、さらに作成したデータを設置されたデジタル印刷機「Docu Color 1450 GA」で出力し、その結果を確認することができるので、より実践的な技術習得が可能。また各アプリケーションは最新バージョンに対応していることも魅力の1つといえる。
 同社・荻野賢氏は「印刷業界では、アドビ社のアプリケーションが当たり前のように活用されていることから、今さら学ぶことはない、という方が多いかもしれない。しかし最新の機能について使い方をマスターしているオペレータは、まだそれほど多くはないはず」と、搭載された機能をフルに活用するためにも、多くの印刷業界関係者の受講を呼びかけている。
 同コースについては、「Adobe InDesign」への対応に関する要望が多く寄せられていることから、来年にも新たなコースとして追加することを検討している。

カラーマネージメントの認定制度創設

 また同社では、カラーマネージメントに関する専門知識を有する人材育成とともに業務の高効率化支援を目的に技術認定制度「Fuji Xerox Color Management Basic/Professional」を創設している。
 この技術認定制度の「Basic」では、DTP・製版・印刷・ゼログラフィー・カラーマネージメント分野に関する知識を認定するもので、筆記試験によって合否を判定する。「Professional」では、さらに実技試験が加わり、デジタル印刷機のプロファイル作成技術を認定。同認定の取得は高度な色調整技術習得の証明となることから、社内技術力の向上や取引先に対する品質管理への取り組みをアピールする手段として活用するユーザーが増えている。
 「オフセット印刷機と異なり、デジタル印刷機のオペレータは、印刷だけでなく製版のスキルも身につける必要がある。そのためデジタル印刷機を正しく、かつ効率よく運用するためには、総合的なスキルを有した人材を育成することが鍵となる」(荻野氏)。

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