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日本オセ、校正出力の最適化を提案 〜 独自技術で高生産・高品質を実現

2013年5月8日

 日本オセ(株)はトナー方式とインクジェット方式の利点を融合した新技術「クリスタル・ポイント・テクノロジー」を採用したモノクロ・カラー対応高生産性大判プリントシステム「Oce ColorWave(オセ カラーウェーブ)550」を発表した。ColorWaveシリーズとしては600、650に続き3機種目となる同機は、高生産性・高品質出力といった機能を継承しつつ、価格を抑えた普及モデルとして開発された。今回、同機の特長や日本における販売戦略などについて、同社・営業推進部の吉村俊一部長、同販売推進グループの東出晃マネージャーに話しを伺った。oce_higashide_yoshimura.jpg

東出マネージャー(左)と吉村部長

 「Oce ColorWave(オセ カラーウェーブ)550」が搭載している「クリスタル・ポイント・テクノロジー」とは、オセ社(オランダ)が約10年の歳月をかけて開発した独自の技術。大判プリンター分野では、これまでLEDトナー方式とインクジェット方式の2つの技術のプリンタが用途に応じて利用されてきた。しかしLEDトナー方式は、インクジェット方式同等の高画質化が求められ、一方、インクジェット方式は、LEDトナー方式のような高い印刷スピードが要求されていた。この2つの異なる印刷方式の優位性を一体化した技術が「クリスタル・ポイント・テクノロジー」だ。
 その大きな特長は、イメージングデバイスから固形の「トナーパール」を加熱し、ジェル状に変化させて用紙に噴射するといった従来にない印字プロセスを採用していること。噴射されたトナーは、結晶化して用紙に確実に定着するので、色のにじみなどが発生することなく、鮮明な画質を表現できる。
 「液体ではないのでインクジェットのようにインクの飛散がなく、安定した吐出が可能。また噴射されたトナージェルは瞬時に定着するのでドットの形状を正確に保ったまま普通紙をはじめ様々なメディアに印字することができる」(東出マネージャー)。
 またジェル化したトナーは結晶化しているので乾燥工程も不要で、かつ水性インクと異なり耐水性を兼ね備えていることもその特長の1つといえる。
 普及モデルとして発表された同機は、上位機種と同様にカラー、モノクロ兼用機として開発。印刷スピードは、モノクロA0サイズで24.8秒/枚、カラーでは38.5秒/枚で、最上位機種の「ColorWave650」と比較しても(モノクロ24秒/枚、カラー26秒/枚)カラー出力スピードは抑えた設計となっているが、モノクロ出力速度では、ほぼ同等の生産性を維持している。

モノクロ出力ユーザーのカラー対応力を強化

 印刷業界向けの販売戦略としては、デジタルプルーファーとしての提供となるが、その校正業務の効率化に同機のカラー、モノクロ兼用という機能は、大きな効果をもたらすと吉村部長は説明する。
 「多くの印刷会社では、モノクロ出力用、カラー出力用として2台のプリンターを並列して設置している。しかしこの550であれば、カラー/モノクロ出力に1台で対応できる」(吉村部長)。
Oce_ColorWave.jpg さらに同社では、印刷業界向けとしてCTPワークフローにおける体裁確認、つまり内校用としての活用についても積極的に提案している。景気の低迷により印刷物自体のロットは減少傾向にあるが、同社では出力される版は、印刷物の受注ロットと必ずしも比例しないと考えている。
 「カラーデータをにじみなく高速に、しかも普通紙で出力できるので、作業全体の効率化・コスト削減に大きく貢献できる」(東出マネージャー)。
 カラー・モノクロ兼用機能を搭載した同機ではあるが吉村部長は、その主な販売ターゲットとして「モノクロ出力主軸の印刷会社」を挙げたうえで「市場では、カラー出力へのニーズも高まっている。CW550であれば、モノクロ出力主体の印刷会社にも、モノクロ出力の生産性を維持しつつ、カラー出力という新たな付加価値創造の手段を提供できる」と説明。また東出マネージャーは「カラー出力については若干、速度を抑えているが、クオリティに関しては、クリスタル・ポイント・テクノロジーを採用しているので、上位機種と同様の高品質な出力を行うことができる」と説明する。
 またチリやほこりの発生もなく無臭で廃棄物も最小限に抑え、さらにヒーターを使用しないのでオゾンや熱も発生しないなど、人と環境にやさしい技術であることも導入メリットとして挙げている。

オンデマンド印刷機としての活用の提案

 また普及モデルとして低価格化を実現した同機は、保守料金形態についても使いやすさを追求したメニューを設定。同機では、出力用紙領域により換算される平米方式を新たに取り入れている。これにより描画率の高いコンテンツでも出力用紙の平米で換算されるので、カウンター料金の増加を気にすることなく使用できることも大きなポイントだ。
 CTPワークフローにおける業務の効率化・コスト削減を実現する同機であるが、同社では、それ以外の活用方法についても積極的に提案していくという。それは高生産性・高品質出力、そして多様なメディア対応力といった同機の機能性をPOPや大判ポスターなどを印刷するデジタル印刷機として活用することだと東出マネージャーは説明する。
 「欧米では、すでに実用化されており、日本市場でもCTPワークフローにおける使用に留まらず、例えばショップ展開をしている顧客に対しては、オンデマンド印刷機として活用することでビジネスの領域拡大に貢献できるはず」(吉村部長)。

【Oce ColorWave550】

 同機は、クリスタル・ポイント技術を使用した初の普及版モデル。従来機より45%ダウンの300万円台という大幅な低価格化を実現。同機は1台でモノクロ機/カラー機両方の働きをするシステムで、これにより従来、モノクロ普通紙プリンターとカラーインクジェット2台で運用していた大判プリント業務を1台に集約することが可能となり、設置スペースや消耗品、メンテナンスのコストを節約できる。プリント解像度は600dpi。印刷スピードは、モノクロA0サイズで24.8秒/枚、カラーでは38.5秒/枚となっている。
 同機に使われているオセ社の特許技術「オセ・クリスタル・ポイント・テクノロジー」は、トナー方式の特長である普通紙への高速プリント、インクジェット方式の鮮明なカラー高画質プリントという双方の長所を持つ画期的な技術で、カラープリントのコストを低く抑えることに成功。さらにチリやほこりの発生もなく、無臭で廃棄物も最小限に抑えることができるなど環境にやさしい最新テクノロジーとなっている。

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