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インクジェットで産業構造変革 〜 コニカミノルタIJ 大野彰得社長に聞く

2013年1月1日

konicaminolta_ij_oono.jpg drupa2012においてB2枚葉インクジェットデジタル印刷機「KM-1」を発表(技術展示)し、印刷業界に新たなビジネス展開の可能性を提案したコニカミノルタIJ(株)(本社/東京都日野市、大野彰得社長)。さらに同社が開発したデジタルテキスタイルプリンター「ナッセンジャー PRO 1000」は、欧州を中心に本格的な導入が進み、捺染業界のデジタル化促進の原動力となった。「インクジェット技術で産業構造を変える」と語る大野社長は2013年、その理念実現を目指し、あらゆる産業界に対し、同社の最新インクジェット技術を活用した新ビジネス創出支援への取り組みを加速させていく。

インクジェット技術の応用であらゆる産業分野に進出
 
 2012年は、印刷業界向けに「KM-1」というB2サイズの枚葉インクジェット方式のデジタル両面印刷機を技術展示としてdrupa2012に出展し、印刷産業全体のビジネスモデルを変えるインパクトを与えることができた。事業の主軸となるインクジェットヘッドや部品などを扱うコンポーネント事業分野では、その「KM-1」搭載インクジェットヘッドのベースとなっている次世代インクジェット「KM1800i」も高い評価を得ている。
 さらに当社の「ナッセンジャーPRO 1000」という最新のデジタルテキスタイルプリンターがイタリアにおいて導入が進み、従来の捺染業の主流であったスクリーン印刷からインクジェットによるプリントへの切り替えが本格化したことが挙げられる。現在、年度目標として10台の販売予測を立てているが、おそらくその目標は達成できるはず。
 また当社のインクジェット技術の発展系の製品としてMEMS技術を用いた微小液滴インクジェットヘッド「KM-128SNG-MB」を発表し、プリンテッドエレクトロニクス用途向けとして提案活動を開始している。この分野においては、今後も積極的な展開を予定している。
 これまでと違った用途として、セラミックタイルの分野にもインクジェット技術の応用を提案している。これは、壁材や床材として、大理石や御影石などをモチーフとしたインテリア・エクステリア用の疑似石材のことで、この生産工程にインクジェット技術を活用すれば、大幅なコスト削減と環境保全を両立でき、さらにより高品質なモノづくりが実現できる。現在は、中国やインド、南米などの主要な生産拠点でインクジェットへの切り替えが進んでおり、この分野においてもインクジェット技術が産業を変えることとなるはず。
 
drupaで見えたデジタル印刷機の可能性と課題

 全体的な傾向として、デジタル技術がさらに本格的に進化した、ということが率直な感想。これまでのdrupaは、オフセット印刷が主役であったが、今回は出展社や出展製品、技術ともインクジェットをはじめとするデジタル技術が、その中心となっていた。
 その中で当社は、小森コーポレーションとの共同開発によるB2枚葉インクジェットデジタル印刷機「KM-1」を技術展示というスタイルであったが、製品デモンストレーションを含め、その機能性をPRできた。印刷業界では、仕事の全体的なボリュームが減少していくと予測されるが、一方では仕事の中身が今後さらに変化していくと思われる。その市場環境の変化のなかで、印刷産業界に新たなビジネスチャンスをもたらす設備がインクジェット技術を活用した「KM-1」である。
konicaminolta_ij_1.jpg 今回のdrupaでは、B2サイズのデジタル印刷機が数多く発表されたが、その中でも「KM-1」は、両面印刷機ということで大きな注目を集めたと実感している。両面印刷機であればビジネスの幅も広がる。また作業効率も片面機の2倍の生産性を提供できる、という特性で他の印刷機との違いをアピールできた。これは新開発のUVインクをはじめとする当社のインクジェット技術とパートナーである小森コーポレーションがオフセット印刷分野で永年培ってきた高度な紙搬送技術がうまく融合したから実現できたこと。
 印刷品質については、「KM-1」をはじめ、各メーカーから発表されたデジタル印刷機が、それぞれが評価を受けることができたと思う。しかしデジタル印刷機における今後の最大の課題は、後加工との連動だと私は思っている。「KM-1」は、UVインク仕様なので、すぐに後加工に移行できる。しかし同一絵柄をある程度の部数を印刷するオフセット印刷と違い、デジタル印刷は、多品種・少ロットを1ジョブとして処理する能力を有しているので、一気に印刷してしまうと異なる絵柄の印刷物が混在することになる。この問題は、デジタル印刷機の最大と課題であると同時に後加工ソリューションとして新たな提案ができれば最大のビジネスチャンスになると考えている。

躍進を遂げた「ナッセンジャー」
 
 これまで捺染業界における生産工程はスクリーン印刷方式で主流であったため、生産効率や版材などの諸資材のコスト、そして保管場所等、多くの問題を抱えていた。これら課題を解決する手段として、近年インクジェット方式のデジタルテキスタイルプリンターが使われるようになった。
 当社もこの流れに乗りデジタルテキスタイルプリンター「ナッセンジャー」シリーズのグローバルな販売展開を行っている。当社の「ナッセンジャー」シリーズは、作業の効率化による生産性の向上とコスト削減、環境保全への対応を実現する生産設備として、産業構造自体を変えることができると確信している。
konicaminolta_ij_2.jpg 「ナッセンジャー」については、先ほども説明したようにイタリアを中心に欧州において2013年もデジタルテキスタイルプリントへの移行が加速すると予想している。またその欧州の流れを他の地域にも持って行きたい。
 日本国内でも2012年に巻出し・プリント・乾燥・巻取機能が一体となった、オールインワン本格テキスタイルプリンター「ナッセンジャーPRO 60」の販売を開始した。このテキスタイルプリンターは、インクジェットテキスタイルプリンター普及モデルとして開発したもので、インクジェットテキスタイルプリンターとして初の9色インクに対応するなど、デザイン・素材の豊かなバリエーション作りをサポートすることができる。

2013年はインクジェット技術への理解をさらに深める年に

 インクジェット分野における当社の最大の強みは三位一体のサービス、つまりヘッドとインクとシステムの全て網羅したトータルソリューションとして提案できること。インクジェットとは、ヘッドとインクとシステムが独立した役割を果たすものではなく、各機能が歯車のように連動することではじめて最適な運用ができる技術。ですから、この3つの歯車がそれぞれ異なるメーカーであった場合、インクジェット本来の能力を発揮することは非常に難しい。しかし当社のように、その3つの歯車を全て兼ね揃えていれば、インクジェットの能力をフルに発揮させることができる。
 もちろんインクジェットへのニーズは、各産業によってさまざまある。当社は、その全てのニーズに応えるといった大それた考えはないが、しかし今後も、あらゆる産業分野において大きな変革をもたらす技術であることは確実である。
 2012年は、新製品を含め技術的な飛躍を遂げた年であった。また技術発表をしたことで、そのターゲットとなる市場も見えてきた。ですから2013年は、この技術をいかに市場に供給し、企業として商業的な面で実証できる年にしていければと考えている。
 「KM-1」については、本製品としての発表は、まだ先になると思うが、今後もさらに技術改良や市場ニーズの再検証を行い、グレードアップしたバージョンとして、あらためて披露できればと考えている。インクジェット技術は、これまでのオフセットやスクリーン印刷の発想を変える技術であると確信している。そのコンセプトを印刷業に携わる全ての方にあらためて理解してもらうことも積極的に行っていきたい。
 コニカミノルタHDでは、今年4月にグループ企業7社を吸収し、経営体制の再編を予定している。これは、これまでの分社化体制を見直し、時代の流れに見合った企業体として再構築を目的としている。その中でも、当社の事業であるインクジェット事業は、今後もコニカミノルタとしてのビジネスの柱の1つとして位置付けられていくはず。

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