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LED-UV搭載の全判サイズ印刷機拡販へ 〜リョービ 堂本本部長に聞く

2013年1月1日

ryobi_doumoto.jpg 昨年4月1日付けで国内販売を担当する連結子会社のリョービイマジクス(株)を吸収合併し、組織再編を果たしたリョービ(株)(浦上彰社長)。LED-UV印刷システム搭載モデルを中心とした全判サイズ印刷機の出荷が回復傾向にあることから2013年3月期の国内印刷機売上高15%増を見込んでいる。一方、drupa2012に参考出品したB2判液体トナー方式デジタル印刷機の製品化も急いでおり、夏前頃のモニターテスト実施を目指している。今回、同社執行役員 グラフィックシステム本部の堂本秀樹本部長に、2013年におけるこれら印刷機器事業の展開について話を聞いた。

組織再編効果に確かな手応え

 2012年を振り返ると、4月1日付けでリョービイマジクスを吸収合併し、大きく組織を見直したことが当社のトピックスになるだろう。統合当初は、基幹システムのトラブルや営業・技術担当者の配置換えなどによって、お客様にもご迷惑をお掛けしたが、年の後半には「印刷機器事業の製造、販売、サービスの連携を一層高め、スピーディな商品開発やきめ細かな顧客対応、効率的な経営を目指す」といった当初の統合目的を達成しつつあるという手応えを実感できるようになった。
 販売面についても、決して環境は良くないものの、統合効果に加え、新製品の引き合いが好調なほか、全判サイズ印刷機の出荷が回復傾向にあることから、通期では国内売上15%増を見込んでいる。
 一方、輸出事業については、リーマンショック以降、厳しい状況が続いている。先進国では依然、設備過剰状態が続くと見られ、これまで堅調に推移してきた新興国、とくに中国、ブラジルにおける景気減速にも影響を受けており、大きな懸念材料となっている。これら状況のもとで、2007年当時85%程度だった輸出比率は、現在50%程度となっている。

LED-UVの進化と全判機

 昨年、販売面において我々がキーワードにしたのが「全判機」。A全判機「RYOBI920シリーズ」とフラッグシップモデルである菊全判機「RYOBI1050シリーズ」に注力してきた。いずれも訴求ポイントは、我々がdrupa2008以降展開しているLED-UV印刷システム搭載モデルによるものだ。
 商業印刷分野では「即乾印刷」や「パウダーレスによる印刷障害解消」といった部分で評価を得てきたLED-UV印刷システムだが、もうひとつの狙いとして、厚紙や特殊原反に対する取り組みも強化してきた。発売当初、UVニスを引くと黄変してしまうことがあったが、ニスメーカーによる改良が進み、現在では、通常のUVランプで乾燥させるUVニスと遜色ない品質まできていることから、「UVニスコーター+LED-UV」というバリエーションでも導入いただいている。さらに、パッケージやレンズシートへの印刷など、用途の幅を広げる取り組みを、今年も引き続き強化していきたい。
 LED-UV乾燥装置自体も改良が続いている。当初は、用紙との距離を10ミリしか取れなかったことから、接触による印刷物への傷を防ぐためにエアーや吸着シリンダーなどで対応してきた。しかし現在ではLED-UVの光量が強くなったことから通常で30ミリ、ハイパワーのもので80ミリまで離せるようになり、チェーンデリバリ内の設置も可能になった。とくにニスコーターの後のレベリングの距離を稼ぐためにニスコーターから離して設置できるようになったことは大きい。
 一方、ローコストタイプとして単色、2色用を開発してラインアップしている。最近ではこれをインターデッキに設置し、印刷ユニット間で乾燥させるといった用途展開も想定している。
 LED-UV印刷システムは現在、国内でおよそ60台が稼働している。その中心となっているのは920シリーズである。対菊全で考えた場合、A全サイズによる用紙、版代のコスト削減効果に、LED-UVのメリットを加えることで、商業印刷において最も経済的効果をもたらす生産体制を構築できるということだ。
 今後は、商業印刷だけのお客様には、928Pをおすすめしたい。セラミックスジャケットによる表裏の印刷品質差を解消できることが訴求ポイントになるだろう。

1050_LEDUV_2013.jpg

RYOBI1050-LED-UV

 一方、A全だけでなく菊全の仕事もあるお客様、厚紙への対応を視野に入れているお客様には1050をおすすめしたい。この場合、1050シリーズのもつシェル可動式スケルトン渡し胴が訴求ポイントになる。
 昨年10月11・12日の両日、広島東工場において「1050体感ツアー」を開催。全国から120名の方々にご来場いただいた。比較的、当社の印刷機をお使いでない印刷会社の来場も多く見られ、期待通りの成果を得ることができたと感じている。LED-UVの優位性、またリョービの先進的な姿勢を多くの方々に感じていただけた内覧会であった。
 一方、海外でも昨年、東南アジア、ブラジル、ヨーロッパに3台のLED-UV印刷システム搭載機を納入した。さらに認知度を高めながら海外で実績を積み上げていきたい。
 また、「インラインUVキャスティング・フォイリングシステム」にも注目いただきたい。偽造防止や人目を引く印刷物など、これまでも用途開発を行ってきたが、このたび、レンズシートを使わずに紙に印刷し、UVニスを塗布、キャスティングでフィルムを押しつけて、乾かして剥がすだけの3D効果印刷も実現しており、今年も様々な用途で訴求していきたいと考えている。

デジタル印刷機は今年夏までにモニターテストへ

 今年は、drupa2012に参考出品したB2判液体トナー方式デジタル印刷機の製品化という大きな宿題がある。
 これは当社とミヤコシが共同開発したデジタル枚葉4色印刷機。ミヤコシが持つ高解像度の超微粒子液体トナー電子写真技術と、リョービが持つオフセット枚葉印刷機で培った高速用紙搬送技術を融合することで、B2判用紙(最大用紙サイズ788×600ミリ、最大紙厚0.4ミリ)で毎時6,000枚の高速印刷を実現。超微粒子液体トナーを感光ドラムから用紙へオフセット転写させることで、1,200dpiという高解像度で繊細な印刷表現が可能である。
LQ-Digital_Fe.jpg

B2判液体トナー方式デジタル印刷機

 1〜2ミクロンという超微粒子液体トナーは、トナー層の薄膜化が可能で、紙が従来持つ光沢を損なうことなく印刷できるほか、折り加工時の割れの問題も軽減できるというメリットがある。さらに、超微粒子液体トナーは定着までに必要なエネルギーが少ないこと、圧胴式の「グリッパー用紙搬送システム」採用によるオフセット同様の見当精度、さらに1色ワンタワーの機械構成などが高速化に大きく寄与している。
 我々が以前主力としていたA3サイズの印刷は、少なからずデジタル印刷へ流れたものがある。今後さらに菊半サイズでもデジタル印刷に置き換えられる仕事が出てくるとの認識のもと、同機の開発を急いだ。
 そこで焦点となるのは、インクジェットか液体トナーか。我々が狙ったのは小ロット印刷と呼ばれるレンジをワンランク引き上げたロットに対応できるデジタル印刷機。いま見えているオフセットとの分岐点は1,000部程度。個人的にはいずれ3,000部程度にまで引き上げたいと考えているが、そうなると液体トナーが有利であると判断したわけだ。
 昨年11月30日にミヤコシ・POD事業本部クリーンルーム(千葉県八千代市)で開催した内覧会には、全国からおよそ200名の方々にご来場いただき、様々な意見を頂戴することができた。これらを反映しながら、今年夏までには国内外でモニターテストを実施したいと考えている。
 特徴を挙げるならば、まずは高い生産性である。毎時6,000枚というスペックは、枚葉タイプでは他製品の倍以上になる。いずれは毎時8,000枚まで引き上げる計画だ。
 また、ターゲットとなるのは印刷会社であるため、印刷機と同じような給排紙を装備する「取っつきやすさ」もひとつの特徴になるだろう。
 将来的には両面機も視野に入れているが、現在のところ具体的な計画はない。まず片面機として早急にリリースしたいと考えている。
 価格は、ショートランモデルで2億円を切りたい。バリアブルモデルではプラス2,000〜3,000万円程度となる。
 我々はA3縦から菊全まで、どのマーケットにおいても力を抜く気はないが、なかでも全判に注力するというのが今年の基本姿勢。商業印刷からパッケージへの展開、さらにオフセット印刷からデジタル印刷への展開。今年も「EVOLVING WITH YOU〜お客様とともに進化するリョービ」に注目していただきたい。

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