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富士フイルム、CTP版/PS版のクローズドループリサイクル開始

2011年9月28日

PtoP_logo_white.jpg 富士フイルム(株)(古森重隆社長)は、印刷会社や新聞社などで使用された同社のオフセット印刷用刷版材料「CTP版/PS版」から主原材料であるアルミニウムを再利用するクローズドループリサイクルを今年10月からスタートする。これは、アルミニウムの製造から「CTP版/PS版」の生産までに発生するCO2量を、アルミニウム新地金を使用した場合と比較して最大63%削減できるというもの。同社は今後、印刷会社や新聞社、アルミニウム回収会社、合金メーカー、圧延メーカーなどと協力して、環境負荷を大幅に低減する同リサイクルを促進していく。

CO2排出量最大63%削減 〜アルミニウム再利用で省資源化にも貢献

 オフセット印刷用刷版材料「CTP版/PS版」には、耐刷性や保水性、耐汚れ性など良好な印刷特性を確保するために、純度の高いアルミニウムを使用している。そのため、従来はアルミニウムの新地金を使用してきた。しかしながら、アルミニウムの新地金を製造するには、新たな資源と大量のエネルギーを要し、大きな環境負荷がかかる。
 富士フイルムは、平成19年に生産工程で発生したテストサンプルや端材など、製品として使用されない廃材アルミニウムを再利用するクローズドループリサイクル体制を確立。リサイクル時の不純物の混入を抑えて、高品質な「CTP版/PS版」を製造・提供する中で、クローズドループリサイクルの実績を積んできた。
 今回、富士フイルムは、環境負荷のさらなる低減を図るため、印刷会社や新聞社で使用された「CTP版/PS版」のクローズドループリサイクルの仕組みを新たに構築。具体的には、まず同社グループ会社で、同リサイクルの推進窓口となる(株)エフアールが、印刷会社や新聞社などと取り引きしているアルミニウム回収会社を通じて、同社製の使用済み「CTP版/PS版」を入手。そして協力先の合金メーカーが、使用済み「CTP版/PS版」を再生地金として生産し、さらに圧延メーカーが、その再生地金を使って純度の高い「CTP版/PS版」生産用アルミニウムコイルへと加工する。富士フイルムは吉田南工場で、このアルミニウムコイルを原材料に使って、高品質な「CTP版/PS版」を製造する。

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 このリサイクルしたアルミニウムを生産工程へ投入することで、アルミニウムの製造から「CTP版/PS版」の生産までに発生するCO2量を、アルミニウム新地金を使用した場合と比較して最大63%削減できる。
 同社の試算によると、日本の全刷版を同リサイクルに回した場合、CO2削減量は60万トン/年(杉の吸収量換算で約4,000万本に相当)、また月間2,000平方メートルのCTP版を使用する印刷会社の場合、CO2削減量は116トン/年(杉の吸収量換算で約8,000本に相当)となる。
 富士フイルムは今回、同リサイクルの拡大を推進するため、同活動への参画を証明する同社独自の環境マーク「PLATE to PLATEマーク」を、ISO14021(環境ラベル・タイプII)に基づき制定し、印刷会社や新聞社などへ提供。今後、参画企業は、同マークを印刷物に表示するなど、環境への取り組みに有効活用できる。
 富士フイルムは、今後も資源リサイクルの質的改善や地球温暖化防止など、一歩先行したさまざまな取り組みを積極的に行い、21世紀の地球にとって最重要課題である「持続可能な発展」に貢献していく考え。

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