「製品・業界の枠を超えた展開を」〜ウチダテクノ 岡野社長に聞く
2011年1月1日
多彩な製品群で印刷関連業界の効率化・省力化を支援してきた(株)ウチダテクノ(本社/東京都荒川区西尾久4-25-3)の新しい舵取り役として2010年7月、岡野清吾社長が就任した。昭和56年に内田洋行入社以来、「オフィス関連商品の販売一筋」と語る岡野新社長は、印刷関連業界という新たなマーケットに対し、どのような戦略を考え、そして実行していくのか。そこで今回、岡野新社長に2011年に向けた活動方針などについて伺った。
事業領域拡大を目指す企業を支援
私は昭和56年に内田洋行に入社し、以来オフィス系の販売セクションに在籍していた。そのため印刷関連業界については、もちろんこれから多くのことを学んでいくが、これまで培ってきた営業のノウハウは、引き続き活かすことができる分野であると思う。また、これまで私が携わってきたオフィス家具市場と比較しても、印刷関連業の市場規模は非常に大きく、とても魅力ある業界であると実感している。
どの業界も同じであるが、従来通りのビジネススタイルでは、この厳しい経済環境下では、もはや通用しない時代に突入している。今までの仕事の中身にとらわれず、さまざまな分野に対して幅広く展開していかなければならない。また印刷業界自体も従来のビジネス領域から、多岐にわたるユーザーニーズに対応していくスタイルを実践している企業が、成長を遂げていると聞いている。ウチダテクノとしては、そのような領域拡大を目指す企業をサポートできるような機器やソリューションを提案していきたい。またウチダテクノが扱っている省力機器以外にもウチダグループとして、さまざまな商品をラインアップしているので、印刷関連業の顧客に対しても、そういったニーズがあれば積極的に提供していきたい。そのためにも今後、内田洋行との連携をもっと強くしていく必要がある。
グループの連携強化で販路拡大
印刷関連業界へのアプローチとしては、これまでウチダテクノの一部の事業部で行ってきたが、これからはグループ全体で取り組んでいく。
内田洋行には、全国に直系販売会社が8拠点ある。この組織機能を利用しての販売戦略や内田洋行のチャネルを活用した販売展開なども積極的に実施していく。先程、説明したように、これまでは印刷関連業に特化した営業展開を行ってきた。もちろん、それ自体は大切なことであるが、ターゲット業界を特定せず幅広く展開していくためには、いろいろなチャネルを駆使していく必要があり、そのためにも連携強化への取り組みは重要となる。
強みを活かして全体最適を提案
今現在、内田洋行の営業マンでも当社の扱っている各種省力機器の存在自体知らない、といったケースも少なくない。その問題を解消すべく社長就任後、全国各地の営業拠点に当社製品のPR活動を行っている。
この活動が実を結べば、印刷関連業業界だけでなく、食品業界や薬品業界など業種を限定せずに商品提供をすることができる。そして、あらゆる業界にウチダテクノの製品の利便性を認識してもらえるはず。この連携強化による営業展開を実績に結びつけることが当面の目標となる。加えて新しい商品、具体的には、さらに顧客への訴求力がある従来型の機械とは別の新商品を提供していければと考えている。
私自身がこれまで扱ってきたオフィス家具や内装などは、なかなか差別化という意味では、顧客にアピールできるメリットが薄い。しかしウチダテクノで扱っている省力機器は、その機能性で差別化を具現化できる製品である。その意味でもウチダテクノでしか提供できない機器を市場に紹介していきたい。また機器だけではなく、内装関係を含めた空間、つまり工場内の効率化など全体的な最適作業環境の提案なども積極的に行っていく方針である。そのトータル提案ができるのもウチダテクノの強みであると確信している。