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ミューラー・マルティニ、ブルーノ・ミューラーCEO来日〜「印刷」の存在価値向上へ〜

2010年10月19日

mm_ceo.jpg ミューラー・マルティニ ジャパン(株)(宮崎靖好代表取締役専務)は10月15日、スイス本社からミューラー・マルティニグループのブルーノ・ミューラーCEOが来日したことを受け、東京本社内で記者会見を開き、ワールドワイドな視点から見た印刷製本業界の現況やミューラー・マルティニグループの最新ソリューションを明らかにした。ミューラーCEOは、デジタルメディアと比較して、いくつもの強みを持つ「印刷」の将来性に言及した上で、「顧客とともに新しい特徴や機能で『印刷』の存在価値を高める」というグループの基本姿勢を強調した。今回はそのミューラーCEOによるプレゼンテーションを抜粋して紹介する。

印刷製本産業

 ここ数年で情報の発信方法が多様化し、ウェブを介したもの、あるいは急増するデジタル情報を提供する機器など、印刷された情報に対抗するものが増えている。
 この新しい競合と世界市場を取り巻く厳しい経済状況が私たちのビジネスを変え、私たちはこの変化が一時的ではなく、今後も継続するという事実を受け入れなければならない。
 デジタル機器(携帯電話、ラップトップ、ノートパソコン、タブレットPCなど)は新しいだけでなく、魅力的で多くの機能を提供する。印刷はこれらと違い、500年以上も前からある伝統的なメディアである。これから新しい答えをその中に見つけて、それを発展させていくのはそう簡単ではない。グーテンベルグが最初に本を印刷してからの長い年月で、印刷の持つ可能性はすべて試されてしまったと考えることもできるだろう。
 私ども、ミューラー・マルティニはこの挑戦的な環境にあっても、「印刷」は将来性を持っていると考えている。印刷物にはそれを際立たせるいくつもの強みがあるからだ。私どもの基本姿勢は顧客とともに新しい特徴や機能で「印刷」の存在価値を高めたいというもの。そこで今回、印刷の未来をサポートする私どもの取り組み事例をいくつか紹介する。

小ロット化、しかしタイトルは多種に

 印刷物の種類は多様化しているが、同時に、それぞれの部数は減少傾向にある。よってマシンの稼動速度よりも切替時間が重要になってくる。この観点に立ってミューラー・マルティニは、現有の製品ラインすべてを最適化し、新しく発表するマシンは例外なく準備時間の短縮を、生産品質を犠牲にせず追求するという見直しを図っている。
 「プリメーラ」中とじ機シリーズはその良い事例である。シリーズとして標準化することで、顧客のニーズに合わせた自動化と速度レベルの階層を用意できた。「Eモデル」は自動化の最も高いレベルを有し、仕事の切替えは、ワークフローソフト「コネックス」経由でJDF/JMF情報を受けての全自動設定を実行。その動作はサーボ駆動やコンピューターからの指示による調整が含まれる。
 同様の自動化は「ボレロ」無線とじ機にも採用されている。個人的にはフォーマットや厚みの変更が実に素早くできる「オービット」トリマーが気に入っている。
 また、ハードカバーブックライン「ディアマント」もさらに自動化レベルを高めた「ディアマントMCデジタル」を製品ラインに加えた。この新しいマシンは、ブックメジャリング装置からの製本データを利用して、短いセットアップ時間で美しい上製本を作ることができる。

デジタルソリューション

 ロットが短くなるにつれて、デジタル印刷は今後その効率のよい生産性で優位に立つ。製品を1冊ずつ最初から最後のページまで連続印刷して生産できることは、これからの製品作りにおいて大きな可能性を秘めている。当社は2000年からこの動向に注目し、2004年のドルッパで高速デジタル印刷機とのインラインで無線綴じおよび中綴じを行う「シグマライン」を発表した。デジタル印刷技術が、印刷製本業界の望む印刷品質と印刷速度に到達するためには、そこからさらに数年かかった。現在、とくに製本のマーケットにあっては、このデジタル印刷との連携はアメリカおよびヨーロッパでは最大の話題となっている。
 ミューラー・マルティニはこのトレンドに対応しており、すでに、HP、コダック、オセ社などのデジタル印刷機と連結した「シグマライン」を相当台数販売し、納入した。
 「シグマライン」は「プリメーラ」シリーズ中とじ機や高速無線とじ機との連結までも提供できるようになり、ハードカバー「ディアマントMCデジタル」もシグマラインにリンク可能である。「コネックス」ワークフローが中綴じ、無線綴じ、あるいはハードカバー製本に必要なセットアップデータを生成する。

フォトブックの市場

 近年、ソフトカバーあるいはハードカバーのフォトブック生産がかなり増えている。自分でインターネットを使ってフォトブックを編集し、数日後、デジタル印刷され、美しく製本されたフォトブックを受け取るという仕組みが流行し始めている。ミューラー・マルティニの無線とじ機およびハードカバーラインの技術はこの市場を産業ベースで支えている。多量に製本しても、たった1人のための1冊でも、同等の製本品質を提供する。このやり方はおそらく今後様々な可能性をもたらすだろう。

パッケージをオフセット印刷で

 今秋、ミューラー・マルティニは新しい印刷機「VSOP」を発表する。「VSOP」はユニークなスリーブ方式により、サイズ可変印刷にさらなるフレキシビリティーを提供するもの。これまでの紙印刷に加え、この「VSOP」はフィルム印刷にも使われる。
 消費者向け商品の細分化に対応するため、ロットを小さくする傾向がパッケージ印刷においても起きている。小ロットに関しては、伝統的にそして圧倒的に採用されてきたグラビア印刷あるいはフレキソ印刷に対して、オフセット印刷はセットアップコストを低減できるため、このビジネスは将来性のある分野だと私は判断している。

世界の市場動向

 先週、シカゴでグラフエクスポが、ハンブルグではイフラという2つの重要な機材展が開催された。総じて、1年前と比べると市場の反応は良かったと感じた。来場者は増え、決定時期の短い商談の数も増えている。多くの国で、広告収入の回復に伴う印刷量の増加が報告されているが、印刷製本単価への圧力の継続、すなわち印刷製本コストの削減プレッシャーは依然として強いものがある。この状況から、来年に予定された製紙会社による紙価格の値上げが大きな論議を呼ぶだろう。

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