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すがの印刷、独自のシルバー表現を確立〜初エントリーでIPA2025に入賞

地域社会の想いを印刷に込めて

シルバートナーを全面に採用

 その同社は今回、IPA初エントリーで初入賞を遂げている。その作品制作には、2024年10月から稼働を開始したPC1120の特殊トナー、長尺印刷機能を活用している。

 表紙は、長尺用紙を活用するとともにシルバートナーを中心に北陸新幹線カラーであるブルーとブロンズで走行する車両を、そして10年前の3月14日、桜の季節を迎える中で新幹線停車駅として開業を迎えた「黒部宇奈月温泉駅」に対するN.P.O.の歩みと想いを表現している。

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北陸新幹線カラーと車窓から見える桜を表現

 

 自身もN.P.O.に参加している廣澤氏は「N.P.O.では、毎年『サクラ咲ク・フェスタ』というイベントを開催している。N.P.O.にとって桜と新幹線には特別な想いがあり、活動を積み重ねた10年を、毎年満開の桜の中を駆け抜けていった新幹線の姿と重ねて表紙の中で表現したかった」と、表紙デザインに込めたコンセプトについて説明する。

 また、この作品の全ページにわたり使用されているシルバートナーには、シアンとブラックを微細に配合し、独特の高級感と重厚感を演出している。

 オペレーションを担当した同社・制作部PODチームの菅野智美氏は「ここまで長い長尺印刷物は印刷したことがなかったので戸惑いがあった。またシルバートナーについては、この作品で初めて使用したので、仕上がりにも不安があった」と、この作品の印刷は、試行錯誤の連続であったと振り返る。

 「最終的に色が確定するまで、何度も印刷を繰り返してもらった。予算も限られた中での制作のため、ヤレ紙を再利用するなどしながらトライを重ねて完成度を高めていった」(廣澤氏)

 また、菅野氏はシルバー部分の印刷だけでなく、冊子に掲載されている多数の写真の印刷品質にも細心の注意を払って印刷したと説明する。「写真は、補正をかけてもらっているが、人物の顔色や背景などに色ムラがないか1枚1枚確認した」

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圧倒的な存在感を発揮するシルバートナー

 
 様々な苦労を経て完成した作品は、シルバートナーで重厚感と高級感、そして他にはない煌びやかさを実現している。さらに菅野氏が説明したように冊子にふんだんに掲載されている人物や風景なども色鮮やかに印刷されている。そのため発注元であるN.P.O.からだけでなく同社内からも高い評価を得ることとなった。そしてこの作品への評価が後押しとなり、同社はIPAへの応募を決断。そして初エントリーで入賞を果たすこととなる。

 入賞の知らせを聞いた廣澤氏は「印刷を担当した菅野と、すぐにその喜びを共有した。また、機会を与えてくれたN.P.O.にも感謝している。そして、この作品が地域の記録として残っていくことが、何よりも嬉しく感じた」と、また菅野氏は「すごく苦労した分、喜びも大きかった。この経験を糧に今後も素晴らしい作品制作に携わっていきたいという気持ちも強くなった」とそれぞれ説明する。

新規需要獲得のカギは提案力

 特殊トナーを活用できるPC1120の導入は、同社の新たな受注獲得にも貢献している。その1つが地域振興券のような金券印刷だ。偽造防止用にシルバートナーで印刷するとともに、擬似透かしなどを盛り込むことでセキュリティ機能を付加している。

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Revoria Predss PC1120の前で。右から菅野社長、廣澤氏、菅野氏

 
 新たな受注獲得の生産機として稼働しているPC1120であるが、菅野社長は「PC1120は、今以上のパフォーマンスを発揮できるプリンターだと確信している。制作部門は、すでに様々なチャレンジを行っている。今後は、営業部門がPC1120を当社の強みとして再認識し、これまでとは違う視点から提案活動を実践することで、新たな需要創出につながっていくはず」と、今後は、顧客への提案力が新規需要創出のカギであり、その生産機としてPC1120を想定していると語る。