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小林クリエイト、BPOを中核とする企業への変革を目指す

2023年10月5日

 国内屈指のサービスビューローとして、通知物のデータ加工から帳票出力・加工業務などを行う小林クリエイト(株)(本社/愛知県刈谷市小垣江町北高根115、小林友也社長)は、通知物を製作するだけのBPSから脱却し、より広い領域でアウトソーシングを受託するBPOを中核とする企業への変革を目指して挑戦を続けている。そんな同社が、小ロット通知物の封入・封緘に活用しているのが、ピツニーボウズのインサーター「Relay8000」だ。5年前の東京情報処理センターへの設置に続き、昨年にはDMT Solutions Japan(株)を通じ、中部情報処理センターに2台目を導入した。小ロット案件を素早く効率的に処理できるインサーターとして効果を発揮している。


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愛知県刈谷市の本社外観


5段階のグレードによる徹底したセキュリティ管理を実現


 同社は1937年に創業し、1944年からビジネス印刷物の製造に携わってきた企業。現在は愛知県刈谷市の中部情報処理センター、東京都大田区の東京情報処理センターの拠点を中心に、BPSを事業の中核として、個人情報を含めた受託プリントサービスを提供している。

 全国二拠点の情報処理センターでは、セキュリティ、プライバシー、品質管理に関する各種認証を取得しており、安心、安全なサービスを提供している。また、ISO14001の認証を受けるなど、環境にも配慮している。

 そして、個人情報を取り扱う上でセキュリティを特に重要と考えている同社の取り組みとして特長的なのは、5段階のセキュリティグレードに応じた対策をそれぞれ設けていることだ。

 グレード1は、同社の従業員であれば誰でも入ることができる共用のスペースで、記録紙やビジネスフォームの製作などを行っている。

 グレード2からは、セキュリティエリアとなっており、グレード1とは区別して入室制限を設けている。グレード2ではセキュリティエリアへの入室者について、入退室の記録と所持品の確認を行う。グレード2での確認を経て入れるグレード3は、帳票のプリントや封入・封緘、圧着などの加工処理を行う作業エリアとなっている。

 グレード4は、データの送受信や編集を行う場所で、グレード3よりもさらに厳しい入室制限がかけられている。このグレード4の入口には静脈認証が取り付けられており、あらかじめ生体情報を登録している作業者のみが入室できるという非常に高度な入室セキュリティを備えている。そしてグレード5は、データの保管エリアとなっており、従業員の中でもごく限られた人間だけが入室できる非常に厳しい制限がかけられた部屋となっている。


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厳しい入室制限がかけられているセキュリティエリア

 これら5段階のグレードによるセキュリティ管理に加えて、同社ではグレード4以上に所属する従業員の作業服を色分けすることで「視覚的」にも入室資格のない人間がセキュリティエリアに入室できないように工夫している。

 同社取締役の岡本壮司氏は、「『共連れ』により入室資格のない人間が一緒に入ってくることを防ぐため、セキュリティエリアで着用するネックストラップの色はオレンジにしており、一般の紺色と区別している。我々のような管理者でも、通常は紺色のストラップだが、セキュリティエリアに入るときはオレンジ色のストラップをつけるようになっている」と説明する

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岡本 取締役

 また、同社執行役員・BPS生産本部長の中根章氏は、自社のセキュリティ体制について「作業内容とセキュリティ上のリスクに応じた管理を実現している。また、セキュリティエリアでは入退室や移動経路に監視カメラを配備し、常に状況を監視、記録している」と話しており、これによりクライアントから預かった情報を厳重に管理しているという。

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中根 BPS生産本部長


データ加工からプリント、封入・封緘までのワンストップサービスを提供


 同社のデータ加工サービスでは、クライアントから預かったデータをもとにプリントイメージなどを作成している。データ加工のプログラムについては、自社に専門の開発体制を有し、様々な要望に対応できる。実際にクライアントのデータを扱う作業は、静脈認証を備えるグレード4の範囲で他の作業と区別して実施しており、データに対するセキュリティを確保している。

 また、同社ではプリントサービスのために様々な仕様に対応するプリンターを用意している。連続モノクロプリンターでは、文字だけでなくバーコードもプリントすることができ、様々な通知物の製作に利用できる。連続カラーインクジェットプリンターは、印刷物のベースとなる固定の画像と宛名などの可変の情報を同時にプリントできる。1分間でハガキ5,000枚に相当するプリントが可能で、通知物からダイレクトメ--ルまで幅広く利用できる。高解像度カラープリンターは、特別なトナーを用いる優れた表現力が特徴で、写真へのダイレクトメールなど、高画質が要求される製品に利用される。

 また、プリントサービスでは、製品のプリント品質を確かめるため、画像検査を採用。プリンターに取り付けた高速カメラにより、表面の汚れなどをチェックしている。

 そして、プリントされた製品とチラシなどの同封物を封筒に入れ、封緘する作業には、大型機からデスクトップタイプまでの様々なインサーターを保有している。岡本取締役は、「同一宛名のものをまとめる名寄せ、複数の種類の帳票を照合してまとめるマッチングなど、様々な要望に応えることができる。また、冊子や紙以外の同封物がある場合は、手作業での封入・封緘を行なっている。ハンディスキャナで連番をチェックしているため、手作業であっても正確な作業を実現していることが特徴である」と話す。また、万が一の誤封入を防ぐために、連番や重量を検査する設備を導入しており、輸送の途中に中身がでないよう、封筒のフラップの接着を検査することも可能という。BCPを考慮し、東京情報処理センターと中部情報処理センターでは、同等レベルの処理が可能なインサーターを保有しているという。

 また、帳票を貼り合わせてハガキの形態にする圧着では、加工仕様に合わせて糊による圧着、フィルム圧着、大型機での圧着設備を用意している。輸送途中で剥がれないよう、圧着強度のサンプル検査を実施している。個人情報が記載された印刷物を扱うため、圧着品質には特に注意しているという。


小ロット案件増加に対応し、2台目の「Relay8000」導入


 同社ではロットや仕様など、通知物のあらゆる需要に応えるため、様々なメーカーのインサーターを保有している。岡本取締役は「各メーカーのインサーターは機構に違いがあり、処理量と納期によって低中高速機を使い分けている。クロス折り仕様やDM、折り仕様などであれば縦折り機能が付いたインサーターを使用、定形外封筒の業務であれば、定形外が可能なインサーターに作業割り付けを行う」と説明する。その中、Relay8000については「大目的としては小ロット対応となる。大型機は大量の通知物を短時間で仕上げる瞬発力には優れているが、その分、段取り・調整がデリケートで時間がかかり、小ロットには不向きである。そういった製品を段取り時間が少ないRelay8000に仕掛けるようにしている」(岡本取締役)。

 2022年に電子帳簿保存法が大幅に緩和されたことや、2024年には電子取引は紙での保存ではなく、電子保存が義務化される中、大規模事業者は請求書や納品書が電子化されると予測しているという。そういった環境下においても、電子化対応ができない中・小規模な企業に対し、Relay8000のような小型機の活用を進めていくという。

 さらに「コロナの影響により、事務部門をテレワークに移行した企業も多いと思う。テレワークに移行するにあたってのインハウス処理を外部委託検討する企業も増えている。インハウス処理の請求書等は処理量も少なく、大型機では生産性が悪く、電子化対応同様にRelay8000のような小型機の活用が有効と考えている」(岡本取締役)としており、Relay8000の活躍できる場はさらに増えていくことに期待している。


誰でも簡単に段取り替え、オペレーションできることが魅力


 今後の小ロット案件の需要拡大に加えて、同社がRelay8000を評価していることは、段取り替えに時間がかからず、パート社員や派遣社員、女性社員など誰でも簡単に操作ができることであるという。中根BPS生産本部長は「大型のインサーターの場合、現行の仕事をカスタマイズすることは社内でできるが、新規案件の機微な調整が必要な場合はメーカーのサービス員に依頼しないとできないこともある。また、中速機の場合も熟練のオペレーターでないと難しいことが多いが、Relay8000は誰でも簡単に段取り替えが行える。たしかに処理量の違いもあるが、扱いやすさの"次元"が違う」と評価する。段取り替えは、平均1時間ほどで行えるということだ。

 同社では現在、1日50件〜100件、月末などは1日1万件ほどのロットの案件にRelay8000を活用しているという。岡本取締役は「当社は『最高の品質とサービスを提供し、お客様からありがとうと言われる企業をめざす』を理念としており、お客様からいただいた仕事は、どんなに小さな案件であっても、もらすことなく丁寧にこなしていくことを心がけている。そのためにRelay8000は、当社に不可欠なインサーターとなっている」と話している。また、いかにもメカニカルな印象の大型インサーターとは違い、Relay8000はデザインがシンプルというのも気に入っているということだ。

 ピツニーボウズへの今後の期待として、岡本取締役は「Relay8000は小回りが利くということで小ロット案件の生産性向上につながっているが、省電力などの環境対応や、人材不足を見据えての帳票のセットや封緘後の取り出しの自動化に期待したい」と、同社が目指しているスマートファクトリーに貢献するインサーターの開発を期待している。


2024年8月にスマートファクトリーを実現する新工場竣工


 同社は現在、本社工場敷地内に地上5階建ての新工場の建設を進めている。来年8月に竣工の予定で、規模は幅40m、長さ60mで、1階・2階部分は23mの物流倉庫となる予定だ。

 「投資規模としては過去にない規模の増設計画となっている。物流倉庫ではAGVを走らせ、3階から5階に製品や部材などを運ぶ。これまで点々としていた部材などの運搬を自動化し、人手不足などの問題を解消するスマートファクトリ--を実現できる工場となる。また、これまでスペースがなく外部に保管してもらっていた封入物なども自社保管できるようになるので、保管費用の削減にもつながる」(岡本取締役)

 同社は現在、総売上高400億円規模の企業で、このうちBPS分野の売上は60億円程度になるが、中根BPS生産本部長は「数年後にはこの分野での売上を現在の1.5倍、90億円を目指したい」。また、岡本取締役は「これまでのBPSから、アウトソーシングの領域を広げていくBPOを収益の柱に成長させていきたい」と話す。新たな挑戦を続ける同社の今後が注目される。

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