成長市場の生産力強化〜リスロンGL644アドバンス導入
アッセンブリ事業の受注拡大へ
2024年には、成長市場と位置付けているアッセンブリ事業専門の施設を新設し、多岐にわたるアッセンブリ分野の市場ニーズへの対応を実践している。現在、同社では約50名体制で同事業に取り組み、化成品や什器の集約や組み立てサービスを提供している。
同事業における同社の強みについて山岸氏は「他社が断るような複雑な案件にも積極的に対応していること」と語る。森田氏も「どんな仕事にも対応する、という受け皿があるからこそ、営業部門も自信をもって顧客に提案できるようになった」と、その柔軟な対応力が新たな受注獲得につながっていると説明する。
また、アッセンブリ事業における近年の傾向として山岸氏は「社内で行っていたものをアウトソーシングしたい、これまで委託していた会社が廃業したため、その引受先を探していたといったケースが増えてきている。これらのニーズに応えるためにも、上流から下流までのすべての工程を一貫サービスとして提供していく当社の強みを最大限に活かし、事業拡大に挑戦していく。今回の新台導入は、その第1歩だと考えている」とリスロンGL644アドバンス導入を契機としたアッセンブリ事業のさらなる拡充を目指していくことを明らかにした。
工場全体の効率化体制の構築へ
さらに同社では、リスロンGL644アドバンス導入に併せ、印刷機の予定・進捗・実績を統合管理するソフトウェア「KP-コネクトPRO」を導入し、印刷工程の「見える化」による作業工程の最適化にも取り組んでいく。具体的には、リスロンGL644アドバンスを含め、他社製枚葉機と製本設備の工程管理による「見える化」を図っていく。そして最終的には工場全体における工程の「見える化」を目指していく。
「資材価格やエネルギー価格が高騰する中、適正価格による取引は、印刷会社として重要な取り組みといえる。そのためには『見える化』を図り、安売りではなく、収益性を担保した価格での提供が必須となる」(森田氏)
デジタル管理された工場全体の最適化を目指していく同社であるが山岸氏は「すべてをデジタル化するのではなく、人と人とのコミュニケーションがとれる作業環境も必要だと思う。デジタルだけに頼るのではなく、アナログを交えながら、当社にとって最適な作業環境を構築していくことが大切である」と、同社としてもモノづくりに取り組む姿勢を実現した「見える化」構築を目指していく考えを示した。
8月20日に同社・小田原工場で清祓式を挙行
2025年8月20日には、同本社・小田原工場において取引先などが参列のもと清祓式(修祓式)が執り行われた。
参列者をはじめ、同社の従業員らが出席し、二宮神宮の神主による進行のもと玉串奉天などの神事が執り行われたのち、起動式となり、萩野社長によって印刷機の始動開始ボタンが押され、リスロンGL644アドバンスの稼働がスタートした。

起動式終了後、挨拶した萩野社長は「搬入から設置まで小森コーポレーションのスタッフをはじめ、多くの方の協力を得て、無事、本日を迎えることができた。今後は、この新たな印刷機が当社のビジネスを支えてくれると確信している」と感謝のことばを述べた上で、改めて新たな生産設備への期待の意を述べた。
今後、同社では、KOMORIの協力のもとテスト運転を交えながら本稼働を行い、印刷機のパフォーマンスを最大限に発揮できる運用を目指していく方針だ。
