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躍進企業REPORT

大阪シーリング印刷:大阪工場に2,000本のエコリカLEDランプ採用

印刷ジャーナル 2018年2月5日
500本の蛍光灯をLEDランプに交換。最終的には2,000本をエコリカLEDランプに切り替える
社旗の前で貞包課長
大阪工場

演色性と明るさの両立を評価 〜 蛍光灯による色の見え方のバラツキを解消

 大阪シーリング印刷(株)(本社/大阪市天王寺区小橋町1-8、松口正社長)は、大阪工場(大阪市平野区加美北5-8-31)の省エネ化を目的に今年1月、同工場の蛍光灯500本をエコリカの直管形LEDランプに切り替えた。同LEDランプは演色AAA相当/Ra97を実現しており、演色性と明るさの両立を評価した。同社では全国的にLEDランプの採用を進めており、2月中には同工場の2,000本の蛍光灯をエコリカの直管形LEDランプに切り替える計画だ。多額を投資してRa84の蛍光灯からLEDランプに切り替える魅力について、大阪工場・生産技術課の貞包謙司課長に聞いた。

省エネ化による作業性向上などの効果も

 同社は1927年に現社長の祖父である松口兎吉氏が創業し、昨年2月には創業90周年を迎えた。現在はシール・ラベル印刷業界のリーディングカンパニーとして先駆を走り続けており、昨今では年間ラベル受注100万件の実績と経験を生かし、印刷会社ながらもラベラーの開発にも取り組んでおり、社内活用をはじめ、他社への販売も行っている。

省エネ化を目的に旧棟の蛍光灯をLED化

 大阪工場は旧棟と2年前に増築したばかりの新棟の2棟建てとなっている。同社では全国的にLEDランプの採用を進めており、新棟は竣工と同時に照明にはLEDランプが使用されていた。しかし旧棟は蛍光灯のままであったため、大阪工場では今回、LEDランプへの切り替えに向けて検討を進めていた。数社との打ち合わせを重ねLEDランプを検討していたようだが、タイミング良くエコリカの代理店からLEDランプの話を聞くことになり、話を聞いてみたところ、他メーカーよりも寿命が長い、既存の設備をそのまま流用できるなどのメリットを感じ、エコリカのLEDランプの採用を決めたという。
 「当社では、滋賀工場の色見台にのみエコリカのLEDランプを使用していたようだが、話を聞いたところ、エコリカの直管形LEDランプは明るさと演色性の両立が難しい昼白色タイプでRa97の演色性を持ちながらも2,100lmの明るさとの両立を実現している。寿命は5万時間で1日8時間点灯させても10年以上長持ちする。また、照明器具をそのまま使用できるため見た目も取り替えた感がなく、コストも安く済んだ」(貞包課長)
 今年1月中旬、まずは旧棟1階にある原反の在庫置き場と箔押しなどの加工機を設置している現場の蛍光灯500本をLEDランプに取り替えた。今後、2階、3階など調色台や印刷設備のあるフロアも数回に分けて取り替えを進め、2月中には合計2,000本程の蛍光灯をLEDランプに切り替える計画だ。
 貞包課長は「蛍光灯は古くなると暗くなってくるため、調色の現場で見た色と印刷現場、印刷開始時の品質確認時などで見た色の見え方にバラツキが生じる可能性があったが、LEDランプに切り替えたことにより、このリスクを解消することができる」と、色の見え方の標準化を実現できることを期待している。
 また、「当社では全社的に省エネ化を進めており、工場の電力がピークを越えないようにデマンドを導入。通路にはセンサーライトを設置し、一定時間を経過すると自動消灯するなどの取り組みを実行している。また蛍光灯も熱が発生するので、すべてがLEDに変わることで熱の発生量が減り、エアコンの効率が良くなり光熱費削減効果も期待できる。とくに印刷工程はインキの乾燥装置のUVランプによって熱が発生するので冬場でも冷房を使用している。LEDランプに変更することでエアコンの効きがよくなれば、省エネだけでなく、作業環境がよくなり従業員の体への負担軽減になることを期待している。また、昨今のIoT、AIなど数値管理・工程管理など管理者だけでなく、作業者もパソコンを見る機会が増えている。LED照明はチラつきが無く、蛍光灯に比べて目への負担も軽減できる」(貞包課長)と作業環境が向上するメリットにもつながっていることを強調する。
 さらに、長寿命によりランプを交換する必要がなくなったため、これまでのように社員が脚立などに上って取り替える危険もなくなり、労災の心配もなくなった。工場全体の蛍光灯の本数は相当数になるため、これまでは毎月のようにどこかの蛍光灯を交換しなければならなかったが、これらの作業負荷の低減と何より安全性が非常に高まったと様々な相乗効果が得られているようだ。
 また、他工場に設置されている他メーカーのLEDランプと比較しても、エコリカのLEDランプは明るさに優れているようで、貞包課長は「LEDランプに交換したら暗くなったという話をよく聞くが、交換後、もともと昼光色の蛍光灯から昼白色のLEDランプへの変更だったので、若干の色の違いに戸惑いもあったが、1週間ほどで違和感も無くなった。演色性についても他工場はRa80〜95ほどなのに対して、大阪工場のLEDランプはRa97であり、まさにLEDランプのフラッグシップモデルと言える」(貞包課長)

インダストリー4.0の取り組み

 同社はまた、IoT、AI、ビックデータ、AR、VR、MR、ロボティクスなど、最新の技術を積極的に取り入れることで機械の状態の可視化や自動化を進めていく方針だ。
 「人材確保が難しい世の中になっている中、AIやIoTを登載したロボットの導入で少人化、自動化の工場の実現を目指したい。よくAIにより人の仕事が無くなるのではないかと懸念されているが、当社ではロボットによりリストラするのではなく、人の手が足りなくなった時にロボットを稼働させるという考え方である。今後は様々な設備を積極的に導入しながら少人化、自動化の仕組みを構築するために必要な設備を見極める目を培い、さらに上を目指して努力していきたい」(貞包課長)

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 なお、エコリカは2月7日から9日までの3日間にわたり、東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターにおいて開催されるpage2018のブースB-53に出展し、今回、大阪シーリング印刷(株)大阪工場が採用した演色AAA相当/Ra97を実現する「直管形LEDランプ」を紹介する。