2012年7月10日
厚生労働省は7月10日、大阪の印刷事業場での胆管がんの発生を受けて全国561の印刷事業場を対象として実施していた一斉点検の結果を取りまとめ、以下の通り発表した。
(1)胆管がんの発症
胆管がんを発症した者がいるとするのは3事業場、3人(東京、石川、静岡)であり、大阪、宮城の事業場以外に、複数の胆管がん患者が確認された事業場は無かった。
(2)有機溶剤中毒予防規則の適用状況等
561事業場のうち、有機溶剤中毒予防規則(急性の有機溶剤中毒を予防する観点からの規制)の規制対象物質を使用していた事業場は494ヵ所、こうした事業場のうち何らかの問題が認められた事業場は383ヵ所(77.5%)であった。
(3)作業場所の状況
外気と接していない地下室で作業を行っている事業場は無かった。また、地下室と同視できるような空間で作業を行っている事業場は9ヵ所であった。
(4)使用化学物質
ジクロロメタンを使用している事業場は152ヵ所、1,2-ジクロロプロパンを使用している事業場は10ヵ所であった。
この調査結果を踏まえ厚労省は「現行法令等の遵守の徹底」、「有機塩素系洗浄剤のばく露低減化の予防的取組」、「職業性胆管がん相談窓口の設置」、「胆管がんの発症に関する疫学的調査の実施」の4点からなる対応策に取り組んでいく方針。