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太陽機械製作所、自社史上最小・低価格 - 新型フレキソ輪転ラベル印刷機

2024年7月25日

 (株)太陽機械製作所(本社/東京都大田区羽田空港1-8-2、岡倉登社長)は、新型フレキソ輪転ラベル印刷機「TCR-200F Tutti」を発表した。3年前に開発した凸版輪転ラベル印刷機「TCR-200 Tutti」の革新的なコンパクト性と機能を踏襲しつつ、さらなる進化を遂げた新機種は、従来のフレキソ印刷のイメージを払拭する製品として期待が持たれている。欧米と比べてフレキソ印刷の普及が進んでいなかった国内のシールラベル市場に変革期が訪れるかも知れない。


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フレキソ輪転ラベル印刷機「TCR-200F Tutti」


 同社のフレキソ印刷機開発の歴史は古く、1986年にアメリカ市場向けにフォームラベルのフレキソ印刷機を開発したことに始まり、その技術力には定評がある。ただ機械サイズや価格などの問題から、国内市場ではなかなか普及が進まないのが現状であった。

 しかし近年では、国内のシールラベル市場においても、徐々にフレキソ印刷機に挑戦する企業が出始めてきた。同社執行役員の越智政人営業本部長は、「ようやく国内市場においても、フレキソが認知される時期に入ってきたと感じた。そのような背景から、3年前に開発した凸版輪転ラベル印刷機『TCR-200 Tutti』をベースにしたフレキソ印刷機の開発に着手した」と経緯を説明する。

 今回、開発した新機種は、凸版輪転ラベル印刷機「TCR-200 Tutti」のアドバンテージを踏襲しながら、フレキソ印刷のメリットを兼ね備えた製品となる。

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越智 営業本部長

フレキソ印刷の魅力をコンパクトボディに凝縮


 「TCR-200F Tutti」の最大の特徴は、同社の従来のフレキソ印刷機と比較し、通紙パス長を60%も短縮していることだ。6色機で5,150mmというコンパクト設計の通紙パス長は、約7.8m(巻出し〜巻取り迄)。これにより、大幅なロス削減が可能になっている。越智本部長は、「いくら機械を自動化しても、パス長が長ければロスの下げようがない」と説明する。

 また、同機はフレキソ方式であるため、凸版やオフセット方式のようにインキキーの調整は不要である。色出しは、アニロックスローラで決まるため、セット時間が劇的に短縮されるのも特徴である。オープンチャンバーにより、安定したインキ供給と簡単な操作を可能にしている。これにより、勘に頼る属人的作業が不要となり、効率性が大幅に向上している。

 「たとえば、前回と同じ内容で印刷するという場合、調整は不要である。また、フレキソ印刷の最大の特徴は、誰が印刷しても同じ色目が出ることである。これにより、技術継承の難しさが軽減され、オペレーター不足の課題解決にも貢献する」(越智本部長)

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オープンチャンバーで安定したインキ供給を実現


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タッチパネルによる数値管理で属人的問題を解決

印刷トラブル抑制。ゴーストは発生せず、ドットゲインも少なめ


 今回、山形工場(山形県寒河江市中央工業団地)において、この新型印刷機の高い性能と100m/分の生産性を実際に確認することができた。

 同機はイニシャルポジションコントロール(初期位置制御)を標準装備し、ロスを大幅に削減できる。フレキソ印刷特有の特徴として、色調整が不要で、誰でも同じ品質の印刷ができる点も大きな魅力である。

 「凸版輪転とフレキソは樹脂版を使うところは同じだが、版の硬さが全然違う。よりやわらかいため、網点の再現性が良く、印圧はキスタッチのため、ドットゲインも凸版輪転に比べると少なくなる。フレキソ印刷の特性上、ゴーストが起こることもない」(越智営業本部長)

 同機は、日本国内のフレキソ印刷市場に新たな風を吹き込むことになりそうだ。従来のフレキソ印刷機は大きく、高価であったため、これまで導入に躊躇していたシールラベル業界の顧客に対し、このコンパクトで低価格なモデルは、大いに受け入れられることが期待される。

 「6色機での本体価格は従来のTuttiと同じで、アニロックスロールを6本付属して、標準仕様で3,540万円である。またオプションでLED-UVの採用も可能であり、エネルギー効率が向上するため、環境にも貢献することができる」(越智営業本部長)

 なお、販売は年間10台を目標にしているという。


10月の「ラベルフォーラムジャパン」で2種類のTuttiを出展


 同社は10月23日から25日の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催される「ラベルフォーラムジャパン2024」に出展し、凸版輪転方式とフレキソ方式の2機種の「Tutti」を出展する。越智営業本部長は、「従来の輪転機とは全く異なる性能を持つこの新製品を、ぜひ多くの方に体感してもらいたい」と語っている。

 同社は今後、フレキソ印刷のハード技術だけでなく、版材やアニロックス、インキなどソフトの部分の技術も高めていく計画である。現在、インキメーカーと協力してフレキソの標準的なカラーマネージメントの開発にも取り組んでいるということだ。

 これまでフレキソ印刷に挑戦してみたかったが、大きさや価格の問題で導入を躊躇していた企業にとって、「TCR-200F Tutti」は最適な選択肢となるはずである。シールラベル業界の明るい未来を開くきっかけとなることに期待したい。

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