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ユポ・コーポレーション、創立50周年に向けて技術開発を加速

2018年11月25日

環境配慮と利便性を両立 〜 高機能資材「ユポ」がさらに進化

 (株)ユポ・コーポレーション(本社/東京都千代田区、藤原英幸社長)は2019年5月10日、創立50周年を迎える。創業以来、耐久性や耐水性などの特性を持つ高機能資材「ユポ」で印刷業界の付加価値向上を支援してきた同社であるが、その技術の根幹にあるのは「環境に配慮した商品開発」だ。50周年の節目を迎える同社では、その商品開発コンセプトをさらに進化させ、より環境配慮に適したユポやデジタル印刷対応ユポを提供することで多様化する高機能資材へのニーズに対応していく。

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内藤氏(左)と石田氏

 選挙ポスターや投票用紙をはじめ多くの用途で活用されているユポ。また、最近ではハザードマップやトリアージタグなどの防災用品としても広く社会に貢献している。印刷業界においても、その「破れにくく、水に強い」といった機能性は広く認知されているが「ユポは、環境に配慮した紙として開発されたもの」と同社の内藤勝弘氏(執行役員 営業本部長)は説明する。

 「当社は1969年5月、石油化学系合成紙の企業化を目的に王子製紙(現・王子ホールディングス)と三菱油化(現・三菱ケミカル)の折半出資により設立された合弁会社である。そのミッションは、木材に頼らない紙の開発、つまりユポは森林資源を守るために誕生した商品である」

 同社設立当時は、高度経済成長を背景に、あらゆる産業がめざましい発展を遂げた。製紙産業も例外ではなく、紙の材料として木材が使用されていた。その森林資源を守るために代替素材を利用して開発された素材こそがユポである。つまり、ユポは、開発当初から「環境配慮」というDNAを持って生まれてきている。

 以来、ユポは、様々な技術改良が施され、広く社会で活用されていく。しかし、時代の経過とともに社会の環境配慮ニーズも変化している。その変化に対応する新たな環境配慮型の商品として開発されたのが「ユポグリーン」だ。

環境配慮のDNAを受け継いだ「ユポグリーン」

 従来のユポは、ポリプロピレン樹脂と無機充填剤を主原料としていたが、新たに開発された「ユポグリーン」は、主原料の化石燃料由来樹脂の一部を植物由来のバイオマス由来樹脂で代替配合した製品で、温室効果ガス(CO2)排出量削減に寄与する。

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2018年度からの販売を予定

 このバイオマス由来樹脂は、サトウキビなどの植物を原料とした樹脂で、植物が育成する際に光合成を行い、大気中のCO2を吸収するため、焼却廃棄時に放出されたCO2をゼロとみなすことができるカーボンニュートラルな原料となっている。厚手「ユポグリーン」の菊全判1枚あたりで約1時間の蛍光灯消灯と同等の効果が、また、250枚では1,500ccのガソリン削減と同等の効果が見込める。

 「今年度中には商業印刷向けのユポグリーンの販売を予定しており、その後はラベル用などもラインアップとして拡充していく。印刷品質についても、従来品と同等の仕上がりを担保しているので、多くのユーザーに使用してもらいたい」(内藤氏)

SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

 同社では、SDGs(持続可能な開発目標)への対応を活動方針として掲げているという。

 SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。

 具体的には、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「ジェンダー平等を実現しよう」「安全な水とトイレを世界中に」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「働きがいも経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられるまちづくりを」「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」「平和と公正をすべての人に」「パートナーシップで目標を達成しよう」の17の目標で構成されている。

 内藤氏は、側面からではあるがユポがこの17の目標を支援していると説明する。

 その一例として、ある新興国では、ユポを使った教科書が生産されているという。新興国では、国民の多くが貧困から教科書を購入することができない。しかし、ユポで作られた教科書であれば耐久性があるので使い回しができ、そのため長期間にわたって多くの貧しい子供たちに使用してもらうことができる。また、青空学級のような屋根のない学校でも、耐水性に優れるユポは、雨や風による劣化を防ぐことができる。これにより、未来を担う多くの子供たちは、より良い教育を受けることができる。やがて、その子供たちは成長し、学んだことを国や社会の発展のために役立ていく。これはSDGsの掲げる目標の中の「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」、また「働きがいも経済成長も」などに合致しているといえる。

 「直接的なものではないがSDGsが掲げた17の目標に対し、当社の取り組みや商品は何らかのかたちで貢献している」(内藤氏)

デジタル印刷機におけるユポの課題

 環境配慮とともに、多くの要望が寄せられるのがデジタル印刷機への対応だ。同社もこのニーズを予見し、約20年前にフルカラーインクジェット印刷に対応するユポを開発している。しかし、どうしても対応できない印刷機が存在したと、同社の石田恒一氏(常務執行役員 商品開発本部長)は振り返る。

 「トナー方式のデジタル印刷機への対応についても問い合わせが多く寄せられていた。しかし、ユポの耐熱性では、トナー定着時に発生する熱に対応できず溶解してしまうなど克服できない高い壁があった」

 しかし、その同社にある転機が訪れる。それはトナー定着温度が低いHP社の「HP Indigoデジタル印刷機」の登場だ。石田氏は、低温定着であれば、対応できると確信し、技術開発を再開。その際、とくに重要視したのが耐水性であると石田氏は説明する。

 「ユポは、屋外用途のほか、メニューなど水にさらされる印刷物に使用されるケースが多い。そのため印刷適性だけでなく耐水性を考慮して開発を行った」

 その開発の結果、HPIndigoデジタル印刷機に対応するユポ「YPI」として完成。現在、多くのIndigoユーザーに利用されている。

リコー製のプロダクションプリンターでの印刷が可能に

 同社は今年5月、リコー製のプロダクションプリンターに対応するユポを発表した。この商品は「YPI」を、リコー製のプロダクションプリンターで使用できるサイズとして提供するもの。対応機種を手がけるリコーも省電力化を目的に低温定着のプロダクションプリンターの開発に注力していたことから、両社のコンセプトが合致したことで正式リリースにつながった。

 運用に関しては、プリンター側で専用プロファイルを設定・使用するだけで、特別な操作を行う必要はない。

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交流会ではRICOH Pro C7200シリーズで印刷実演を披露

 近年、デジタル印刷機の性能は進化を続けて、印刷業界においても導入は加速している。だが一方では導入したものの、想い描いたビジネスモデルが実現できない、と悩んでいる印刷会社も多いはず。しかし、今回、リコー製のプロダクションプリンターへの対応が可能となったことで、多品種小ロット印刷やバリアブル印刷といったデジタル印刷機の強みと、耐久性・耐水性を兼ね備えるユポを融合させ、これまでにない新たなアプリケーションが提供できるようになる。

 「従来、メニュー表などは、パウチ加工などを施して耐水性を持たせることが多かったが、耐水性に優れるユポであれば、印刷するだけのワンパス工程のため、その加工工程を省くことができる。これにより時間や資材の削減にも貢献できる」(石田氏)

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バリアブル印刷との融合で多彩なアプリケーションに対応

 また、営業面として内藤氏は「これまで当社と取引がなかった印刷会社からも多くの問い合わせがあり、デジタル印刷機への対応というニーズが高かったことを改めて実感した」と新規顧客の開拓にも効果を発揮したと説明する。

50周年記念スローガンは「夢と歩いて50年-感謝を込めて-」

 現在、同社では、一般インキを使用したオフセット印刷機で両面印刷が可能なユポの開発を進めている。この商品開発も同社の創業当初のミッションの1つだ。

yupo_50logo.jpg 「このユポが完成すれば、リコー製のプロダクションプリンターで、初めてユポを使用した印刷会社が、オフセット印刷機でも使いたいとなったとき、インキを変えるなどの作業を必要とせずに印刷することができる。これにより、さらに身近な資材としてユポを利用してもらえるはず」(内藤氏)

 来年5月の創業50周年を前に同社は、その記念ロゴマークとスローガンを策定した。

 同社では、海外子会社を含むグループ内公募を行い、100名160点の中から「夢と歩いて50年-感謝を込めて-」が最優秀スローガンとして決定した。

 このスローガンは、同社のブランド名であるYUPOに「夢(ゆ)」「歩(ぽ)」という「過去と未来」を感じさせる新しい意味が込められている。

 また、同じく50周年記念ロゴとして決定したロゴマークは、このスローガンに込められた想いを「50」の文字をバックに颯爽と歩く人物のシルエットで表現している。また、足元のオレンジのアークは「地球」であり、これから未来に向けて歩んでいく「道」を表現している。

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