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J SPIRITS 地代所社長インタビュー:創立10周年 感謝の気持ちで「進化(サピエンス)」

2018年9月25日

使い続けてもらえる基幹業務システム目指す

 (株)J SPIRITS(本社/東京都千代田区、地代所伸治社長)は今年、創立10周年の佳節を迎えた。同社が開発・販売する印刷業基幹業務管理システム「PrintSapiens(プリントサピエンス)」は、今では全国300社以上の印刷会社が使用しており、同システムの開発者である地代所社長は「これも偏にユーザーの皆様、ベンダーの皆様の支援と協力の賜である。皆様にありがとうと感謝の気持ちを伝えたい」との思いを語る。その思いの形として、10月12日には「創立10周年記念ユーザーカンファレンス」を盛大に開催する。「今後も印刷会社の基幹業務管理システムとして使い続けていただけるシステムを目指したい」と語る地代所社長に話を聞いた。

創立当初は大変だったのではないですか?

j_spirit_jidaisyo.jpg 当社の創立は2008年で、リーマンショックの年である。今から思えば、よくそんな時に会社を作ったなと思う。ただ創立当初は(株)オリーブからの仕事もあったので、立ち上げ当初は比較的スムーズだった。大変になったのは2010年、オリーブが破産して事業を引き継いでからである。印刷会社の基幹業務システムのため、こんな知らない会社に任せて大丈夫なのか?と、ユーザーの皆様からの信用を得るまでは大変だった。

プリントサピエンスはすでに全国300社以上のユーザーがいますが、どこが受け入れられて伸びてきたのでしょうか。

 プリントサピエンスは長く使ってもらえることを目的に開発したが、そこが受け入れられたのだと思っている。同様の他の製品では5年、10年ごとにバージョンアップや改修などが必要になるが、プリントサピエンスはその必要がない。開発から22年間、毎日のように少しずつバージョンアップしているが、22年前に導入したユーザーでもDVD1枚で最新の環境で使っていただくことができる。皆様にいつまでも使い続けていただけることは、開発者としてこの上ない喜びである。

その他には、プリントサピエンスの良さはどこにあるのでしょうか。

 ユーザーに優しく、使いやすいシステムを目標に開発している。例えばすべての帳票をエクセル展開することができたり、ユーザー自身で環境設定も行える。パラメーターは全部で10万項目以上あり、下版、校了などの会社ごとに呼び方の異なる文字の置き換えなども簡単に変更できる。
 また、使う、使わないは別として、基幹業務管理システムとしての機能がひととおり揃っている。最初は伝票機能だけしか使っていなくても、慣れるに従って工程管理、原価管理などステップしながら進んでいくことができるため、各社のペースで使い続けていただくことができる。
 昨今は業界でも「見える化」が声高に叫ばれているため、その影響からなのか、使い始めから請求書、買掛け・売掛けの管理、原価管理までを使い、何が利益を生み、何が損失を出しているのかを管理会計的に見ていきたいというユーザーが増えてきている。

ユーザーからの声を良い面、悪い面の両方を話していただきたい。

 サポート体制をさらに強化していきたいと考えている。現在、当社には6人のサポート部隊がいるが、それでもメールの返信が間に合わずに翌日になってしまうこともある。翌日の対応では遅いと指摘されることもあるので、できる限り改善してユーザー満足度を上げていきたい。
 一方、プリントサピエンスが評価されている最大の点は他社システムとの「連携」である。プリプレス、プレスの分野においては大方のベンダーのシステムと連携しており、プリントサピエンスだけでは完結できないことも、EQUIOSやXMFとの連携により対応が可能になる。ポストプレスはホリゾン、デリバリーについてもクロネコヤマトや佐川急便のシステムと連携しており、運賃データを原価に反映させることもできる。
 将来的には、デジタル印刷機やポストプレスのメーカーとも連携していけるようにしていくので期待していただきたい。

今後の課題や方向性は。

 まだまだ先の話になると思うが、iPhoneなど携帯端末との連携を進めていきたい。連携すべきものはまだまだあるはずなので、そこに細かく対応していくのが何年かの課題である。
 また、AIやIoTなどを活用して、サーバーに蓄積された情報をどのように生かすのか、どのような使い道があるのかを考えていきたい。例えば、今後は雇用の問題で現場も職人が少なくなり素人が多くなると思うので、「この紙にこのインキは乗らない」などの過去の事故情報を知らせるアラート機能などがあれば便利になると思う。
 世界も印刷業界も変化していくが、そのような中でも必要なコアのシステムとして使い続けていただけるように、スマートデバイスを活用しながらプリントサピエンスを進化させていきたい。

10月12日のカンファレンスはどのような思いから開催するのですか。

 「ありがとう」のひと言に尽きる。ユーザーの皆様、そしてベンダーの皆様、また、社員にも感謝の気持ちを込めて、この10年ありがとうとの気持ちで開催する。
 当日は記念式典、分科会、懇親会の3部構成となっており、全6つのセミナー開催を予定している。他のユーザーの事例を学べると同時に、懇親と情報交換を行えるカンファレンスとなっている。約100名が参加する予定である。

次の20年、30年に向けて、どのような会社を目指していくのか。

 プリントサピエンスのユーザーは毎年10社以上のペースで増えており、開発から22年で300社以上となった。プリントサピエンスの販売対象となる総合印刷会社は1,200〜1,300社はあるので、20年以内にユーザー数500社以上を目指していきたい。
 プリントサピエンスの製品名にある「サピエンス」とは「進化する」という意味がある。J SPIRITSとしても、進化し続ける会社を目指していきたい。

最後にひと言。

 繰り返しになるが、これまでの10年間お世話になった方々に改めて感謝を申し上げたい。そして、これからも末永く当社を見守っていただきたい。J SPIRITSとプリントサピエンスを今後とも、どうぞよろしくお願いします。

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