IGAS2022|広瀬鉄工、高付加価値化製品を〜デジタル時代の差別化提案
作業性ならびにコスト削減を含めた数々の高付加価値化製品を市場投入している広瀬鉄工(株)(本社/大阪市東成区)は、東ホール2-12にLED-UV乾燥システムを搭載した「ワンパス圧着ハガキ製造システムSAC-18DM」ならびに「オンライン枚葉両面印刷検査装置SKSSP-40」を展示し、期間中は実演を通して厳しい時代の差別化を提案する。
LED-UV乾燥システム搭載機 圧着ハガキ製造システム「SAC-18DM」
厳しい時代に際して高付加価値化の追求が利益確保、企存続業のポイントとなっており、光沢度アップや表面保護などの役割に留まらず、圧着ハガキ、抗ウイルスニスコーティングに至るまでの需要が拡大している中、同社は「ひと目で分かる付加価値」を主として表面光沢、UV乾燥によるニスコーティング製品の開発を続けてきた。
近年、オフセット印刷ではインラインコーティングマシンが普及し、対してデジタル印刷の分野ではオフラインコーターが真価を発揮している。
同社のニスコーティングは、少部数、バリアブル印刷のデジタル印刷分野において、既に300台を超える実績を有し、POD出力物に対するコーティング装置のスタンダード機として実績を積み上げてきた。
個人情報保護のニーズやターゲットマーケティング手法の拡大により、加工部数の小ロット化や発送コストの削減なども加わってハガキ仕様で多くの情報が盛り込める圧着DMは、需要拡大に大きく優位性を発揮しているこうした時代、フレキソ方式による同社のUVコーティングマシンは、あらゆるスポットコーティングの圧着に対応する製品として真価を発揮してきた。
折機と圧着をドッキングさせたものでⅤ折、Z折、ハガキからA4仕上がり圧着までをこなすワイドレンジの圧着DMの一貫製造装置。昨今では事業再構築ものづくり補助金活用による採用が相次いでいるということだ。
オフライン枚葉両面印刷検査装置「SKSSP-40」
国内の大・中型枚葉検査装置の9割以上の実績をもち、この要となるのはその検査方式にある。用紙はすべてグリッパーで搬送され、検査部では胴シリンダーに巻きつけられてカメラ検査が行われる。
カメラは定評あるダックエンジニアリング(株)製を採用し、水平搬送検査搬送機の蛇行、浮き上がり、ベルトの劣化などによる誤検知や過検知などによる検査ミスを防ぐもので、医薬品の化粧箱の他、化粧品、シートラベル、セキュリティカード、証券類など、精密検査に威力を発揮している。
この他、同社が得意分野として市場投入している製品に、シートグラビア印刷機やLCラミコートシステムなどがあり、グラビア印刷の金・銀、パール印刷や表面加工において他の方式で実現できない優位性を持ち、化粧品や医薬品、各種カードなど、その用途は多岐にわたり、国内唯一の枚葉グラビア印刷機としての地位を確立している。
LCラミコート機は、UV塗工後にフイルムによりラミネートされた上部からUV照射を行い、フイルムは用紙より剥がれ、完成した印刷紙はフイルムを残さず、平滑にプレスされた鏡面だけを残して付加価値を高める。
フイルムをホログラムやマット紙に変えることでLC加工を実現しており、フイルムが残らない疑似加工、地球環境に優しいエコ加工による出版物の表紙や各種商業印刷物に多用されている。
今回のIGAS展への出展に際して広瀬安宏社長は「お蔭様で当社は創業101年を迎えた。これまでのご恩に報いる気持ちを新たに各社コーター機、検査搬送機の製品向上を目指していく私共の姿勢を今回のIGASでご理解いただけたらと思う」と語っている。