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躍進企業REPORT

丸新製本:PSC製本業務管理システム「綴之介」導入〜作業の「段取り」が容易に

印刷ジャーナル 2023年9月25日
「工場に降りるときは常にノートを持ち歩いている」と田口社長
東京都豊島区北池袋の本社外観

 専門書の小ロット並製本を得意とする(有)丸新製本(本社/東京都豊島区上池袋4-15-2、田口真吾社長)は、25年以上にわたり、ピー・エス・シー(株)の製本業務管理システム「綴之介」(現商品名)を活用するロングユーザー。当初は請求業務だけの使用だったが、現在は受注から納品までの全工程を同システムで管理しており、田口社長は「業務の流れが『見える化』できるため、生産工程における機械や人員の無駄がなくなり、納期短縮やコスト削減につながる」と評価する。急な割り込みへの対応、部分的な外注でもジョブの進捗状況が一目で確認できるようになるなど、様々な効果を発揮している。


 同社は、3代目となる田口社長の祖父が昆布販売を家業として開業したのが始まり。その後、昆布販売が不振になったことから祖父が製本工場に丁稚奉公し、昭和45年に独立して製本会社としてのスタートを切った。

 創業当初は手書きの複写伝票や帳票を中心としていたが、時代の流れとともに並製本に移行。田口社長は「現在は小回りの効く、小ロット書籍の製本を得意としている」と話す。主に2,000〜3,000部ほどの医学書などの専門書、地方自治体・行政の月刊誌の製本などを手掛けているという。


PSCの製本業務管理システムを25年以上にわたり活用


 そんな同社は、会社の規模は小さくても、デジタル移行の意識は早かった。田口社長は「現会長である先代が、ピー・エス・シーの原田社長の講演を製本組合の会合で聴講してきて、これからは手書きではダメだと、すぐに導入する方向で話が進んだ。もう25年以上前の話で、私が家業に入る前だった」と振り返る。

 当時はまだ、パソコンすら一般的に普及していなかったため、未だにアナログの体質が残っている製本業界にとって、かなり先進的な取り組みであったに違いない。そのような状況の中、先代が当時、製本業務管理システムに興味を持った理由について田口社長は「それまでは、受注履歴などを調べるのも伝票を1枚1枚めくって探していたようだが、その無駄な時間と手間をなくしたいというのが理由であったようだ」と説明する。


毎朝、全従業員にその日の作業予定表をプリントアウトして配布


 「綴之介」は、受注したジョブを機械毎に時系列で表示できるため、それぞれのジョブの進行状況、機械の空き状況なども一目で確認できる。途中の一工程だけを外注している場合も、いつ、どこに引き取りに行けばよいかが一目で確認できる。このため、作業の段取りをスムーズに行うことができる。「途中で急ぎの割り込みの仕事が入ったとしても、画面を見ながら作業時間の入れ替えなども簡単にできる。このため、仕事を断ることも少なくなった」(田口社長)。

 さらに、同社では毎日の作業予定表をプリントアウトし、朝礼で全従業員に配布することで、全員がその日の仕事の流れを理解するようにしており、スムーズな作業を実現している。1週間〜2週間先まで仕事の予定を確認できるため、「この日は仕事が重なっているから前倒ししておこうとか、この日はこれだけのアルバイトが必要だとか、仕事の段取りもしやすくなった」(田口社長)。過去にはアルバイトを頼みすぎて人件費を無駄にしたこともあったようだが、アルバイトの人数なども読みやすいため、そのようなこともなくなったという。


パソコン購入、インターネット接続からHP作成までPSCがサポート


 同社はPSCのシステムを導入する前、会社にパソコンも所持していなかったが、システムの導入と合わせてパソコン購入とインターネット接続、その後はホームページ作成とノートパソコンも購入し、さらにノートパソコンでも製本業務管理システムの画面を入力・閲覧できるようにしている。そして、同社はそのすべてをピー・エス・シーのサポートで行ってきたため、アフターサービスの充実には太鼓判を押している。

 「ノートパソコンでも作業できるようにしてもらえたことは非常に便利で、自宅でも仕事ができるようになった。当社の事務所は2階にあるが、1階の工場に降りるときは常に持ち歩くようにしている」(田口社長)

 田口社長は今後の目標として「全体的に設備の老朽化が進んでいるため、3年後を目標に、バインダー、加工機なども含めて全体的に設備の入れ替えを行いたい」としている。そして最新鋭の設備を「綴之介」と連携して活用することで、さらなる生産業務の効率化、印刷会社のニーズに応えていく。