水を絞り、品質も向上へ〜インキの無駄がなくなり使用量20%削減
コスモテック製 新型ケミカルフリー・マルチユニット型 湿し水冷却循環装置「TOP-ONE CFG」導入
細分化装置と殺菌装置で高品質印刷を実現
「水を絞ってもこんなにきれいに印刷できるのか!」。中嶋工場長がコスモテックの新型ケミカルフリー・マルチユニット型 湿し水冷却循環装置「TOP-ONE CFG」を小森のオフ輪に設置し、印刷したときの第一印象である。
「正直、これまでは水についてシビアに考えていなかった。インキが汚れたら水を増やせばいいし、水が増えたらインキ量を増やせばいいと考えていた」(中嶋工場長)
品質を重視するあまり、インキ量を削減するという意識は少なかったようだが、そのような中、コスモテックの営業マンから、「インキ量を削減でき、さらにH液の量も減らすことができる」という提案を受け、お試しにと他社製の湿し水供給装置との入れ替えで設置したのが「TOP-ONE CFG」である。
「TOP-ONE CFG」は、ろ過機能だけでなく、細分化装置と殺菌装置のユニットを搭載しているのが特長。これにより、印刷適性の高い湿し水を作り出すことができ、印刷品質の向上と同時に、15%以上のインキ削減効果を見込むことができる。
「細分化装置により、版に対して網点に無駄なくインキが載るので、水を絞ってもきれいな印刷を実現できる。また、殺菌装置によりバクテリアなどの水の不純物を殺菌し、常にきれいな水を保つことができる」(中嶋工場長)

同装置を設置した直後、1年前の教科書のデータを落とし込んで同じインキ量で印刷するとベタベタになったようで、「こんなに違うのかと、そのときに初めて気づいた」(中嶋工場長)。同社はA輪2台、B輪2台のオフ輪を設備しており、「TOP-ONE CFG」はB輪に使用しているが、「A輪と比べてB輪の場合、同じ教科書でも美術資料や図工など、絵柄の多いものが多いので、とくにその差が顕著に現れる」(中嶋工場長)ようである。
インキ量削減などの具体的な成果として、同社の場合は平均を大きく上回り、「おおよそだがインキ量は20%削減、エッチ液の使用量も従来の2.5%から1.7%に削減できた」と中嶋工場長。インキなど資材価格高騰が続く中、この数字は経営にも大きな影響を与えると言えそうだ。さらに、同社はコスト削減と品質向上を実現すると同時に、「ローラーのグレーズも出にくくなった」(中嶋工場長)など、印刷トラブルも減少したため、生産性向上にもつながっていると言えるだろう。同社にとって「TOP-ONE CFG」の導入は、想定以上の成果があったようだ。
社員とのつながり・人とのつながりを大切に
同社では、会社として一番大切にしていることとして、「社員とのつながり・人とのつながり」を挙げている。中嶋工場長は、「当社は『品質第一』を方針に掲げているので、今後も社員全員で品質を守っていくための取り組みを進めていきたい。そのため、社員同士の連携もこれまで以上に密接に行っていくことを心掛けていきたい」と話す。
なお、「TOP-ONE CFG」は、JP2022において、(株)コスモテックのブースにて紹介している。