アヤト(富山)グループ会社化で封筒・伝票部門強化
営業ノウハウ吸収し直受注拡大めざす
将来的にはPP封筒にも対応する工場へ
そして、スキットがアヤトに魅力を感じたもう1つの理由は「封筒・伝票類」の印刷を得意としているところだ。スキットではこれまで、封筒印刷についてはオンデマンドによる少部数のデザイン封筒・オリジナル封筒を得意としてきたが、カラーや特色、大ロットになると外注に頼らざるを得なかった。その点、アヤトでは封筒専用印刷機を設備しているため、今後は封筒印刷についてはアヤトの生産設備を活用することで、グループ化のメリットを最大限に活用していく。
さらに、「将来的にはPP封筒にも対応していく。アヤトの工場に設備を導入する予定」(田村社長)としており、これにより封筒事業を強化していく考えだ。

アヤトにはスキットの持つ豊富な営業アイテムの技術ノウハウを提供
今回のM&Aによって綾藤社長は顧問に就任し、スキットの田村社長がアヤトの4代目社長に就任した。アヤトの従業員は現在13名いるが、営業・現場ともに若手の多いスキットと比べるとベテラン社員が多く、社長交代という新たな風は社内の空気を一変させ、企業再生の刺激的なカンフル剤となっているようだ。
「田村社長は現在48歳。若手社長へのバトンタッチにより、社内には良い意味での緊張感が生まれている。若手社長ならではの、大胆かつパワフルな経営に期待している。今回、身内に後継者がいないことからスキットに株式を譲渡しグループ企業となったが、今後のアヤトの経営を任せられる優秀な若手経営者だと確信している」(綾藤顧問)
スキットとアヤトの両社の社長となった田村社長は現在、アヤトの幹部社員にスキットの組織図やルール、評価方法などを教育しながら、営業面においてはスキットの持つ豊富な営業アイテムのノウハウを提供している。これにより、アヤトでは提案営業の幅が広がることになり、グループ企業化によるシナジー効果を最大限に活用できるようになる。
「まずは、約半年間をかけてアヤトの幹部社員を教育し、親会社であるスキットを超える社員集団に成長させていきたい。そして今後も新商品の開発を続け、営業・技術ノウハウでコラボレーションしながらグループ化によるシナジー効果で両社の事業領域を拡大していきたい」(田村社長)

さらなるM&Aで成長のスピードを加速
「M&A事業」への挑戦を開始した背景について田村社長は「アヤトの売上は約1億5,000万円ある。これだけの売上を新たに作っていくには長い年月が必要になる。企業の成長のスピードを早めていくことを考えたとき、M&Aは必ずしも近道ではないかも知れないが、マイナスではないと考えた」と説明する。
M&Aにより、企業としての成長を加速させていくスキットグループの今後に業界の注目が集まりそうだ。