7office、バックオフィスからフロントオフィスまで〜付加価値印刷物で創注へ
レーザー加工機「KBD Pro-vision 340S II」導入
法人向けクラウド型名刺印刷サービス「7card」などを展開する7office(株)(山梨県甲府市、滝口三朗社長)は今年6月、光文堂のレーザー加工機「KBD Pro-vision340S II」を導入した。高付加価値なパッケージやDMを製作し、およそ9,800社のオンラインクラウドサービスの顧客に対し、従来のバックオフィスだけでなく、フロントオフィスまでを対象にビジネスを拡大していくことが狙いだ。同社は同時に製袋機とニスコーターも導入。これらの機能を融合させることでさらに印刷物の付加価値を高め、新たな「創注」につなげていく。

同社は昨年100周年を迎えた(株)ヨネヤ(山梨県甲府市、須沢ますみ社長)のグループ会社で、法人向けクラウド型名刺印刷サービス「7card」をはじめ、法人向け封筒印刷サービス「7封筒」など、主にバックオフィスの事務系印刷物を支援するサービスを展開している。「総務のあなたの近くに」がキャッチフレーズだ。
同社がこれらのサービスを開始したのは13年前。それまではオフセット印刷をメインにしていたが、オンラインのクラウド上で名刺の組版ソフトをアップすれば需要は全国にあるのではないかと考えたのがきっかけだ。滝口社長は「印刷通販ではなく、先に会社ごとの名刺のテンプレートを当社で作成し、役職や部門、名前などの可変の部分だけを顧客にクラウド上で入力してもらう。これにより、従来のようなメールやFAXでの校正のやりとりがなくなり、顧客は手間と時間などのコストを削減することができる」と同サービスを利用するメリットを説明する。すでに日本全国48都道府県のすべてに会員を有していることが、同サービスが広く受け入れられている証明と言えるだろう。
また、中村泰久取締役は「印刷通販ではなく、あくまでも『名刺の受発注業務をオンライン化して業務負担を軽減しているというイメージで考えていただきたい」と話している。

既存顧客へのビジネス拡大を目的にレーザー加工機を導入
同社の顧客は、製造業や小売業が中心。このため、従来の事務系印刷物だけでなく、「顧客の業務により関連する印刷物を提供できないか」と考えたことが、今回のレーザー加工機を導入した背景となっている。
同時に、新たな設備を同業の全国の印刷会社の仕事にも活用してもらい、仕事の幅を広げるための貢献もできるのではないかと考えた。滝口社長は「グループ会社ではゴールドやシルバー、ホワイトなどの特色を搭載できるオンデマンドプリンタを保有しているので、それにレーザー加工機の機能を融合させることで、顧客のプロモーションに近い印刷物を製作できるのではないかと考えた」と話す。例えば、アイキャッチ効果を高めて開封率を上げられるDMや、企業の宣伝を印刷・加工した洋封筒、パッケージなどである。
さらに「レーザー加工機と同時に、製袋機とニスコーターも導入したので、これらの機能を融合させてノベルティで配れるような販促効果の高い印刷物も製作していきたい」(滝口社長)とも話している。

長年にわたる光文堂のアフターサポートと情報提供に安心感と信頼
同社と光文堂との付き合いは長く、数十年にわたるという。印刷機や消耗品をはじめ、ほとんどは光文堂を介して導入しているようで、オンデマンドプリンタやニスコーター、製袋機も光文堂から導入したものだ。
このため、レーザー加工機のスペックを慎重に比較しての導入というよりは、むしろ長年の付き合いの中での光文堂への信頼と安心感で導入したところが大きいというのが本音のようだ。滝口社長は「どこのメーカーの機械であっても、いずれ使っていくうちに問題は出てくるものである。スペックよりもトラブルが起こったとき、いかに迅速、丁寧に対応してくれるかが重要なポイントになる。このため、問題が起きたときに一緒に解決にあたれる関係性を重視した」と話す。これまで光文堂の担当者は数年ごとに変わってきたが、その全員が信頼できる人物であったようだ。
ただ唯一、同社が機能的に求めたのはある程度の生産性であったという。滝口社長は「大量生産とまではいかなくても、最低でも500〜1,000部のロットの仕事をとっていきたいと考えていた。その点、KBD Pro-vision340S IIはフィーダーが付いていて自動で用紙を流してくれるので、イメージしていたロットにもマッチするということで、導入することを決定した」と話す。
実際に操作を担当している吉野裕介オンデマンドプリントマネージャーは、KBD Pro-vision340S IIの利点について「Illustratorをベースにカッティングのデータを作れるので、細かいところまでデザインできるのが魅力。また、カットの種類や早さも調整できるため、紙の種類や厚みごとに自由に調整できるところも便利」と説明する。また、制作の望月裕之氏は「トライアンドエラーでサンプルを作っている段階だが、光文堂のアフターフォローがあるので非常に助かっている。場合によっては名古屋の本社からも駆けつけてくれる」と話し、充実したサービスに満足しているようである。
総務以外の部門にも取引口座を広げ、顧客数1万社突破を目指す
同社は今後、バックオフィスの総務だけでなく、営業やマーケティングなどのフロントオフィスの部門へも取引口座を増やす展開を図る。滝口社長は「まずは顧客数1万社を目指し、その後は2万社、3万社と増やしていきたい」と展望する。
すでに、「KBD Pro-vision340S II」を活用した製品として、卓上カレンダーで実績を出しているようで、将来的には高付加価値な名刺やPOPなどの製作にも活用し、新たなビジネスの創注につなげていきたい考えだ。今後の展開が注目される。