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躍進企業REPORT

デジタ:レーザー加工機「ラベルマスター」が活躍

印刷ジャーナル 2019年7月5日
藤下専務(左)と藤下常務
カッティング精度の高さとスピードを両立する「ラベルマスター」
印刷通販「デジタ」のカスタマーセンター

小ロット大量品種に威力、短時間でのジョブチェンジ機能を評価

 (株)デジタ(本社/岐阜県恵那市大井町2695-727、藤下和也社長)は、シール・ステッカーなどを得意とする印刷通販サイトとして実績のある「印刷通販DIGITA(デジタ)」を運営する印刷会社。極小ロットから大ロットまで、全国のデザイン会社やシール印刷会社などから連日大量品種のジョブを受注している。そんな同社のシール・ステッカー加工を支えているのが、コムネット(株)が販売するイタリア・SEIのレーザー加工機「ラベルマスター」だ。4年前に導入し、シール・ステッカー加工の中核機として活躍している。

 同社の前身はフォトスタジオ。(有)フォトハウスとして1987年に設立した。1998年から印刷事業を開始し、写真・印刷・デザインの総合業務に移行。そして2010年に「印刷通販デジタ」を開設してからは従来の対面営業から撤退し、インターネットによる印刷通販サイトのみで事業を展開している。

 現在の従業員数は126名。会社近くには自社で運営する保育施設「森のこども園」を営んでおり、女性既婚者にも働きやすい職場環境を提供している。

 今年で開設9年目となる「印刷通販デジタ」の現在のユーザーは約8万人。この間、シール・ステッカーを得意とする印刷通販サイトとしてその地位を確立するとともに、Tシャツのプリントやパッケージ、クリアファイル印刷、ポリ袋印刷、マグネット印刷、タオル印刷、そして今年からはPOP印刷を開始するなど、取り扱うアイテムの拡張を進めている。

 その理由について藤下社長は「ひとつのアイテムで走ると価格競争になり粗利が下がる。このため当社では各アイテムの売上金額を決め、その金額に到達したら、それ以上の投資はせずに新しいアイテムに取り組むようにしている。この方針により、これまで粗利を下げることなく事業を継続・発展させてきた」と説明する。その結果、現在は主要アイテムであるシール・ステッカーの売上を確保しながらも、その他のアイテムの売上で2〜3割を占めるまでになっている。

 また、「印刷通販デジタ」では、もともと同人系の受注が多かったことから、同社では今年5月に同人向けの関連ページとして、クリエイター向けの「デジタクリエイト」をオープンした。一般の人も注文しやすいBtoCを意識したページづくりを目指していく考えだ。

 同社の藤下知也常務はデジタクリエイトの特長について、「印刷通販デジタの商品を使ったグッズの制作例や、それぞれの商品の特徴を紹介している。紹介している多くの商品が印刷通販デジタのデザインシミュレータに対応しているため、専門ソフトがない方や初心者の方でも気軽に注文していただける。写真やイラストも多く使ってイメージしやすい作りになっているほか、スマホ対応など従来の印刷通販デジタでは行っていないサービスにも対応している」と説明しており、今後さらに充実を図っていく。

1日に300ジョブ以上をレーザー加工

 同社では数十枚の極小ロットから数万枚以上の大ロットまで、あらゆるロットのシール・ステッカーの注文を連日全国のデザイン会社やシール印刷会社などから大量に受注している。4年前に「ラベルマスター」を導入する以前は、これらの仕事を小ロットはカッティングプロッターで、大ロットはトムソンなどで型抜きをしていたが、型代は料金に含めていないためトムソンでは「粗利を下げない」という方針を貫くことは難しくなってきていたという。

 そんな中、同社がコムネットから提案されたのが、型が不要となるレーザー加工機「ラベルマスター」である。藤下社長は「レーザー加工機は初めてだったが、オペレーターは約2ヵ月で操作をマスターできた。当初の予想以上に良かったのは、ジョブチェンジ時間の短さである。当社では毎日のように500〜700以上のジョブをこなしており、ラベルマスターでも300ジョブ以上をこなしているが、ジョブの切り替えは1分以内で行うことができ、ロールを交換しても3分程度で次のジョブに入ることができる」と、小ロット大量品種対応を最大限に評価している。

 また、同社の女性オペレーターは「ジョブチェンジの早さはもちろんですが、実際の加工スピードも早く、3,000枚ほどなら10分程度で終了して次のジョブに移ることができます。また、印刷が多少ずれていた場合も、ラベルマスターで調整してカッティングすることができます。スピードを出すとカットが斜めになることがありますが、オペレート側で微調整することができるという機能も大変便利です。オペレーターが少ない中でも、ラベルマスターがあれば大量のシール・ステッカー加工を短納期で行うことができます」と評価しており、カッティングプロッターなど様々な加工機がある中、同社のシール・ステッカー加工における中核機として活躍しているようだ。

 藤下社長は今後の方針として、「当社はインターネットだけで仕事をしているため、サイトの充実化は常に進めていきたい。誰かに勧めたくなるような使い心地、自慢したくなる商品、安心できるサポートなど、ユーザビリティの先にある満足以上の感動、サービスを提供していきたい」としており、今後も「印刷通販デジタ」のさらなるユーザビリティ向上に努めていく考えだ。