設立以来、一貫して勝田断裁機を活用 〜「櫛」の堅牢性を評価
作業性に配慮した導線などの提案力も
操作性は「断裁機と一体になる」感覚
さて、そんな同社が設立当初から活用している勝田断裁機。他メーカーの断裁機も使用した経験もあるという鳥居工場長は、勝田断裁機の特長について「筐体が丈夫」であることを第一に挙げている。
「とくに紙を背に当てる『櫛』の構造と強度はかなり優れている。私は他社メーカーの断裁機を使用したこともあるが、たいてい10年もせずに精度はくずれてきた。いくらタッチパネルに表示される数値が正しくても、櫛がずれていればタッチパネルの数値と実際の断裁値は違ってくるため命取りとなる。また、押え櫛の補助板を外す作業がワンタッチで行えることも評価できる」(鳥居工場長)
さらに、勝田断裁機は使用する際の「心地良さ」があるのだという。
「これはニュアンスの問題なので説明しにくいが、紙を押さえるバーの強さや紙に対してのクランプの当て具合などが肌に合うというか、それが足に伝わるような感じがあり、微調整もしやすい」。いうなれば、断裁機と一体になったような感覚になるのかも知れない。この微妙な操作性の心地よさにより、「位置手順の何秒かの省力化につながっている」と鳥居工場長。この断裁機と一体になる感覚は、勝田断裁機を使用したオペレーターにしか分からないものなのであろう。
20年前の断裁機も断裁精度は「問題なし」
現在、同社は全5台の勝田断裁機を設置。このうち、一番古い機種は2000年に導入したもの。実に20年以上にわたり使用しているが、これについても「断裁品質などはまったく問題ない」と鳥居工場長。オンデマンド印刷の化粧裁ち専用機として活躍しており、これが堅牢性を評価する所以なのであろう。これまでの20年間でも、「大きな故障は数えるほどしかない」(鳥居工場長)ということだ。

また、7年前には菊全サイズのUV印刷機を導入。同社はこれに合わせて菊全対応の断裁機を導入したのだが、このときに勝田製作所を再評価することになったエピソードを話してくれた。
「どのようにすれば人を動かすことなく無駄のないレイアウトにできるかを相談したところ親身になって聞いていただき、紆余曲折を経て今のレイアウトが完成した。UV印刷機から紙揃え機、断裁機の導線が無駄のないようになっており、効率的な作業環境を実現することができた」(鳥居工場長)

コロナ禍により、世の中で必要とされる印刷物が変化する中、有定社長は「何が世の中に必要なのかを改めて見つめ直し、自社も変革しながら世の中で必要とされるものを見つけ、それを顧客に提案していきたい」としている。全社員一丸となっての企画力に、今後の命運がかかっている。
