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躍進企業REPORT

ブラザー印刷:UV印刷機による下請受注開始

印刷ジャーナル 2016年8月5日
野々下 会長
2台の厚紙対応UV印刷機(UVユニット連結)を保有
調肉は自社で行っている

 ブラザー印刷(株)(本社/大阪市東成区深江南2-8-35、野々下祐三朗会長)は、2台の厚紙対応UV印刷機(UVユニット連結)によるオリジナルパッケージ制作を得意とする印刷会社。特色印刷にも強く、社内で特色を調肉しており、品質やパッケージデザインにこだわりを持つ化粧品・医薬品業界からの信頼を築いている。これまではエンドユーザーからの直接受注がほとんどだったが、同技術を同業にも広く提供して印刷業界の発展に貢献するため、下請受注の本格展開を開始した。

特色パッケージ印刷に強み〜豊富な知識で形状からの提案が可能

 同社は1963年に創業。オリジナルパッケージ印刷のほか、POPなど資材関係の厚紙印刷を主力としている。とくにオーダーメイドの化粧品パッケージを得意としており、通常の厚紙に印刷されるパッケージ制作だけではなく、ホイル紙や蒸着紙など、特殊な用紙へのオリジナルパッケージ印刷を手掛けている。営業統括部長の播井敏彦氏は、「当社はオリジナルパッケージの美しさと品質に強くこだわっており、デザインから質感・耐久性・機能性までを考慮し、付加価値のある厚紙印刷の魅力をクライアントに提供している」と自社の品質を語る。
 そしてこの同社の品質を支えるのが0.02〜0.6ミリまでの紙厚に対応する菊半裁と四六半裁の2台の厚紙対応UV印刷機(UVユニット連結)だ。同社ではこの2台の印刷機を効率的に運用することで、繁忙期などもクライアントの短納期のニーズに対応している。
 同社の受注の6割以上は化粧品会社等からのオリジナルパッケージとなっており、品質やパッケージデザインなど、商品にこだわりを持ったクライアントが多いようだが、播井部長は「パッケージに関しては、用途などを教えていただければ形状から提案することが可能である。当社では商品の顔となるデザインはもちろん、質感、耐久性、機能性、コスト、納期までを考慮した厚紙印刷を提供し、クライアントニーズに対応している」としており、印刷会社が同社に発注する際も、印刷だけでなく、長年にわたり培った豊富なパッケージの知識により、形状などソフト面の相談もできそうだ。
 同社ではパッケージの受注のほとんどが通常のCMYKではなく特色となっているが、同社ではインキメーカーに発注するのではなく、ベテラン職人が自社にて調肉しているため、すぐに作業にとりかかることができ、スムーズな作業を実現している。実際に調肉している製造部1号機機長の吉田努氏は、「リピート仕事も多く、品質にシビアなクライアントも多いなか、当社ではしっかりとデータをとり、1グラム単位で色調整している。印刷についても、印刷される厚紙の光沢と印刷の色の掛け合わせなど、微妙な色合いも考慮し、表現することで、クライアントから評価していただいている」と自社の品質に自信を示している。
 さらに、同社では貼加工後の最終段階において、出荷前にすべての商品を専門スタッフの目により全数検品している。これにより、不適合品を排除し、適合品のみの納品を実現している。
 同社の野々下祐三朗会長は、今後の展開について「当社がこれまで長年にわたり培ってきた技術を同業に提供していくことで印刷業界に貢献していきたい。創業から50年以上が経つが、これまでのやり方に固執するのではなく、新たな業態に挑んでいくことで、さらなる研鑽を積み上げ、技術的発展を図っていきたい」と話している。