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躍進企業REPORT

太成二葉産業:スターティアラボ AR制作サービス「COCOAR」導入

印刷ジャーナル 2016年4月25日
コレクションカードをスマホにかざすとキャラが飛び出してくる
付加価値印刷物に「COCOAR2」の機能を融合

 太成二葉産業(株)(本社/大阪市東成区、荻野隆社長)は、差別化された印刷物を求めるクライアントのパートナーとして、様々なSPツールを活用した事業活動を展開している。そんな同社は2014年3月、新たなSPツールとして、スターティアラボ(株)のAR制作サービス「COCOAR(ココアル)」を導入し、印刷物からWebへの誘導、コンテンツを表示するなどのクロスメディアサービスを開始した。これにより、紙メディアだけでは伝えきれない情報や魅力を伝えるという新たな付加価値をクライアントに提供している。

「気軽に取り組めるSPツール」〜コスト面の安さ、汎用性など評価

 同社は昭和24年、印刷物の光沢加工業として創業。以来、長年にわたり印刷物の美粧性・機能性を高めるという付加価値を印刷業界に提供してきた。その一方で、平成7年からは印刷事業を開始。現在は、印刷物の企画・提案からデザイン、印刷、表面加工、紙工、アッセンブリまでをトータルに手がける印刷会社として、その品質とオリジナル性の高さから、多くのクライアントより高い評価を得ている。
 クライアントのSP活動を、企画・デザインから印刷・加工、納品までワンストップでサポートする同社では、そのSPツールとしてPOPやDM、パッケージ、ノベルティ、Webデザイン、CI・VI、エリアマーケティングなどを展開してきた。そして2014年3月には、新たなSPツールとして、AR制作アプリ「COCOAR2」を導入し、AR技術を用いたクロスメディアサービスを開始。同社は従来から、「特殊印刷」を得意とする印刷会社として付加価値印刷物を顧客に提供していたが、その延長線上に「COCOAR2」を乗せることにより、そのSP効果をさらに高めることに成功しているという。
 同社・東京支店の鈴木満支店長は「COCOAR」を導入した経緯について、一番に莫大な費用がかかるという従来のARの既成概念を覆す桁違いの導入コストと運用コストの安さを挙げ、「印刷物にマストなツールである」と断言している。
 「ARに本気で取り組もうとする場合、企画ごとにアプリやコンテンツを制作するなど、制作会社・クライアントともに莫大な費用がかかる。1,000万円以上かかるというケースも珍しくないだろう。しかし、『COCOAR』は導入コストも250万円で、クライアントにも1ヵ月に数万円からの予算で提案することができるため、印刷会社が『印刷物のプラスアルファの付加価値』として提案するには価格帯としても最適なSPツールであると言えるだろう」(鈴木支店長)
 また、汎用性も「COCOAR2」の魅力の1つだ。バーコードやQRコードでは印刷物への印字が必要であるが、「COCOAR2」のARマーカーは「画像」を使用するため、すでに印刷済の媒体でもARマーカーとしての設定が可能で、既存の印刷物を使用できる。また、「写真」(画像)として登録を行えば、商品のパッケージや建造物などの立体物でもマーカーにできる。さらに「COCOAR2」では、このマーカーやコンテンツの変更を数分〜数十分程度で行うことができるほか、いつどこで誰がコンテンツを閲覧したかというログを分析することも可能となっている。
 「たとえ数万円の予算であっても、販促担当者は費用対効果を検証できないと会社の承認を取りにくい。しかし、『COCOAR2』はマーケティングデータを性別・年代別などでとることができるため、販促担当者も上程しやすいツールと言える」(鈴木支店長)

グリコなど4社が「COCOAR2」を採用

 同社は、江崎グリコなど4社・18案件に「COCOAR2」を販促ツールとして提案して採用された。この中の15案件はグリコからの受注となっており、「グリコからの受注は、現在では基本的には印刷と『COCOAR2』がセットになっている」と担当の笹川ひかる氏は話す。
 同社は「コレクションカード」においてグリコと従来から取引があったが、笹川氏は「グリコ様に『COCOAR2』を提案したところ、1ヵ月に数万円で取り組めるところに興味を持っていただき採用していただいた。スマートフォンにコレクションカードのキャラをかざすと、キャラが動き出したり飛び出たりしてくる。多額の費用をかけて新しくムービーを作成しなくても、見せ方を工夫して安くARコンテンツを作成することはできる」と話しており、今後も様々なプロモーションを提案しながらエンターテイメント業界をはじめ、様々な業界に『COCOAR2』を活用したSPを提案していく考えだ。

◇ ◇

 鈴木支店長は今後の展開として、「当社はこれまで一般的な印刷ではなく、特殊印刷を得意とする印刷会社として他社との差別化を図ってきた。そんな中、3年前から取り組んできたフレキソ印刷による柔包装印刷の事業がようやくカタチになってきている。この新たな取り組みをさらに進めていきたい」と話す。
 紙メディアによる付加価値印刷物とWebによるクロスメディアサービスを展開する同社のさらなる展開に注目したい。