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躍進企業REPORT

エスエス企画:スーパーファックスのフォトアルバム制作システムを導入

印刷ジャーナル 2014年3月5日
太田部長
宮崎 制作部リーダー
手動フォトブックメーカー「ファストバインド フォトマウント F32」
筋付け機「ファストバインドC500」
平綴じ製本機「ファストバインド ブックスター・トリオ」

写真技術にアルバム製本技術を融合

 建築写真、竣工写真の撮影などで全国展開するエスエスグループは、同社グループ(株)エスエス企画の名古屋ラボ(名古屋市北区)にスーパーファックス(株)のフォトアルバム制作システムを導入し、専門の写真プリント技術に付加価値の高い製本技術を融合させることで建築業界の昨今の需要に応えている。年間4,600冊を生産する同社オリジナルブランドのフォトアルバム「A-book」の品質と生産性、作業性向上に貢献しているアルバム制作システムの導入効果についてお話を伺った。

生産性と正確性が向上
〜タック紙の使用で衛生面を改善〜

 エスエスグループは建築写真、竣工写真、映像制作などを主体とする会社として1960年に創業。全国にグループ企業を有するほか、昨年には中国にも現地法人を立ち上げるなど、昨今は海外展開にも力を入れている。3年前に全国から集まる写真を現像していた名古屋のエスエス現像所(現エスエス企画・名古屋ラボ)と、建築以外の写真を取り扱う企画部門のエスエス企画を統合し、現在は名古屋ラボにおいて写真の焼き付けやレタッチに加えて、それに付加価値の高い製本技術を融合させたオリジナルブランドのフォトアルバム「A-Book」の制作までを行っている。
 そんな同社がフォトアルバム制作関連のシステムを初めて導入したのは4年前。オリジナルブランドのフォトアルバム「A-Book」の受注が増えてきたことから筋付け機「ファストバインド C500」をスーパーファックスから導入したという。その効果について制作部リーダーの宮崎守氏は、「『A-Book』を制作するのに、それまでは手で筋付けの作業を行っていたが、それでは時間がかかって効率が上がらないため、半自動の筋付け機を試験的に導入した。これにより、生産性と正確性は飛躍的に向上した」と話す。この筋付け機は、最大510ミリ幅まで、表面加工した用紙でも加工可能で、2ヵ所の位置合わせにより、2ヵ所折などの筋付けも簡単に行えるようになっている。

フォトブックメーカーと平綴じ製本機を追加

 筋付け機の導入から3年近くにわたって、同社ではフォトアルバム関連のシステムは導入してこなかった。しかしフォトアルバムの発注がさらに増え始めたことを契機に、同社は2013年にフォトブックメーカーと平綴じ製本機を追加。そして同年12月には、写真プリントの出力機も富士フイルム「フロンティア」からキヤノン「ドリームラボ5000」に入れ換え、写真プリントとアルバム製本の設備力を飛躍的に向上させた。
 「ちょうどフロンティアはハード・ソフト両面で買い換えの時期になっていたのだが、結果的に昨年は出力機と製本機の両方をほぼ同時に増強させたことになり、品質と生産性のさらなる向上につながった」(宮崎氏)
 平綴じ製本機「ファストバインド ブックスター・トリオ」は、あらゆるサイズのハードカバー・ソフトカバー製本が行えるほか、通常の平綴じ製本が行える。音も静かで、素早く簡単に製本できる。
 また、手動フォトブックメーカー「ファストバインド フォトマウントF32」は、最大アルバムサイズ316×310ミリ。印画紙やデジタル用紙もきれいに製本することができ、アルバムは180度フラットに見開きが可能となっている。
 同社は従来、スプレーによる糊貼りで写真の貼り合わせを行っていたが、新たな設備投資と合わせ、これをタック紙で行うことで生産効率の向上と作業環境の改善を実現した。スプレーによる糊貼りは、作業スピードがはやい反面、糊が飛散したり付着したりするため、その後にクリーナーで拭き取る作業が大変で、何時間も作業時間を取られていたようだ。
 「タック紙を使用するようになり、消耗品コストは割高になったが、何時間も要した糊を拭き取る工程がなくなったため、全行程で換算すると人件費でペイできている。また、スプレー糊は拭き取りきれずにクレームになることもあったが、それもなくなった。さらに糊の飛散による汚れや臭いなど、衛生面の改善にもつながった」(宮崎氏)
 スーパーファックスのフォトアルバム制作システムの導入により、同社は様々な効果を実感している。執行役員・営業部長兼国際事業部長の太田和正氏は、「当社の専門は写真焼き付けやレタッチであるため、最初から大規模な製本ラインの導入は逆に使いにくいと考えていた。その意味からも半自動のスーパーファックスの製本システムは我々の事業内容や制作量を考えると最適な選択であったと言える」と話しており、今後もスーパーファックス製品を使用しながらさらに付加価値の高い製本技術を身につけ、高品質なフォトアルバム制作に努力していく姿勢を示す。
 建築業界は今、東京オリンピックに向けて建設ラッシュや消費税増税前の住宅関係の駆け込みの映像需要が増加しており、また海外進出する企業も増えているという。同社はその需要に対応できる企業を目指し、今後も「写真プリント+製本」の技術向上を目指し、飽くなき挑戦を続けていく方針だ。