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躍進企業REPORT

アイカ:1色1枚のポスターを大切に...、「夢ある印刷会社」へ飛躍

印刷ジャーナル 2007年5月15日
「印刷会社のための印刷会社」

 1色1枚のポスターを大切にしたい―。(株)アイカ(名古屋市西区木前町35、渡邉照雄社長)は、「印刷会社のための印刷会社」として下請け仕事に徹しながら設備拡充を続け、いまや中部地区最大級の設備と技術を誇る仲間仕事専門の印刷会社である。「全国の印刷会社に当社のことを知ってもらい、もっと活用していただきたい」。そんな思いから、同社は昨年のJP2006に初出展。2回目の出展となるJP2007では、さらに強化を図った同社の設備を活用した印刷物を提案するとともに、「印刷会社のための印刷会社」として躍進する同社の企業姿勢を全国の来場者にアピールする。

 A輪5台とB輪3台、枚葉9台、計121胴の充実した印刷設備で全国各地の印刷会社をサポートするアイカグループ。「若い社員が自分の子供から『将来は印刷会社に就職したい』と言われるような、夢のある会社を目指したい」と語るのは同社の稲川博常務だ。そんな思いから名付けられた小牧工場「Dream」。同工場には、世界初のAヨコ倍判水なし輪転機「AYO」をはじめ、表紙コーティングを印刷5/5色+のインラインで行なうことのできる環境配慮の「eコート」、最新のCTP・製本加工ラインを充実、入稿から出荷までの全行程を1つの工場に集約・強化し、機密情報保持のための万全のセキュリティを整えるなど、まさに印刷業界の未来に"夢"を描ける環境が整う。
 Dream工場をはじめ、同社における設備のすべては、設備を持たない印刷会社をサポートするために拡充してきたものだ。つまりその設備力は、「印刷会社のための印刷会社」として成長してきた同社の姿をそのまま映し出していると言えるだろう。「この姿勢は今も昔も、そして今後も変わることはない」と同社の稲川博常務は断言する。
 「当社では1枚のポスターから数百万部のカタログまで、全国各地の印刷会社の皆様から多種多様な仕事をいただいている。しかしその中でポリシーとしていることがある。それは当社の設備を頼ってくれる同業者の方の信頼を裏切らないということ。仮に大手印刷会社から頼まれた何百万部のチラシ印刷をやむを得ず断ることになったとしても、それについて社員を叱るつもりはない。何故なら大手は自社にも設備があるからだ。だが、全判1色1枚のポスターを断っている社員がいれば叱りつける。一色一枚のポスターを大切に、設備のない同業者の皆様に当社の設備を上手に活用していただく―。これを基本的な考え方にしている」
 そんな同社の将来の夢は日本全国のポスターを水なし印刷で刷ることだ。「水なしのポスターは迫力が違う。ピカイチだ。たとえ100枚のポスターを九州の印刷会社から頼まれても、喜んでやらせていただく」と稲川常務は宣言する。
 だが印刷業界が現状を打破して、そして夢ある業界へと変貌するには、まずは利益体質を確立していかなければならない。そのような中、同社の渡邉社長は今年の年頭、全社員に送った年賀状において「5年後に年収30%アップを目指そう」とメッセージ。夢ある会社に向けて、全社員が意欲的に取り組んでいる。

 同社のJP2007出展の目的は、自社の強みを全国の印刷会社に知ってもらい、そして有効的に利用してもらうことだ。
 同社は全国でも数少ないパーフォレーター(ミシン)搭載のA輪、そして全国で数台しかないミシン搭載のB全輪転を所有している。その活用方法について、稲川常務は次のように話す。
 「例えばB全輪転でしかできないB3チラシというものがある。またミシン付のフリーペーパーの提案など、当社の設備を利用していただければ、オフセットプラスαの様々な提案ができる。当社では直の受注は行なわないので、JP2007ではそのような付加価値印刷をご紹介したい。印刷は当社で行なうが、マージン料を取っていただければ製造の心配はいらないわけだ」
 同社は全8台の輪転機のうち、この6月までに全6台に紙面検査装置を設置し、さらなる品質向上を図る予定。また、背割れ防止のためソフトニング装置も新たに付け替えている。
 「紙面検査装置の設置により、さらに印刷会社の皆様に安心して利用していただける印刷会社になる。また、ソフトニング装置の付け替えにより紙揃えが良くなり、加工業者も喜ぶだろう。紙揃えが良くなれば当然回転数が上がり、PDCAサイクルも良くなり、工程全体の効率化にも繋がると考えている」

8色枚葉機4台をアピール
 名古屋本社のほか、東京と大阪に支社、北陸に営業所を構える同社。「当社では基本的に半製品で納品することはなく、完成品で納品することがほとんど。最終的に大阪から納品しようが名古屋から納品しようが大差はない。このためデータはもちろん、物流の面からも距離的なハンデはゼロと断言できるので、より多くの印刷会社の皆さんに当社を利用していただきたいと考えている」。
 また、同社は今年1月の4台目となる枚葉8色機ハイデルベルグ「スピードマスター」導入に続き、この5月には、Dream工場の無線綴じ機にインラインの小口テープ貼り機を導入し、週刊・月刊誌の小口テープ貼りを行なえる能力を備え、印刷・製本共に高品質・短納期に対応する体制を整えた。
【問い合わせ】電話052-503-0003