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ウエマツ(東京)

GTB製・検査装置「コレクトアイ SIS」導入

新たな検査体制を構築 〜 品質管理システムとして運用開始

検査基準の見直しにも着手

 より効果的な検査体制構築に向け、同社では検査基準の見直しを図り、運用を開始している。それは、品質要求レベルが高い印刷物はもちろんだが、2万枚以上のロットについても1,000枚ごとの抜き取り目視検査に加え、「コレクトアイ SIS」による5,000枚に1枚の検査を実行するもの。

 「当社は、1,000枚ごとの抜き取り目視検査を基準としている。当然、人間が行うことなので、不良を見逃すこともある。しかし、コレクトアイ SISによる検査を組み込むことによって、目視で発見できなかった不良を検出でき、無駄な印刷を未然に防ぐことができる」(緒方執行役員)

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緒方 執行役員


 同社では、1日で約200〜300アイテムの印刷を行っているが、3分の1以上が、この検査基準の対象となるという。

 「現時点の検査装置の設置台数では、ここまでが限界なので、今後は増設も検討していく」(福田社長)

 「コレクトアイ SIS」は、戸田工場2階の両面機エリアと片面機エリアにそれぞれ設置され、8台の印刷機をカバーしている。また、1階に設置されていた「コレクトアイ」は、主に同フロアで稼働している5台の印刷機をカバーし、そして3階には、インライン検査装置を搭載した印刷機が稼働し、インラインによる検査を実行している。

 導入以前は、1階の「コレクトアイ」に検査作業が集中し、検査待ちの行列ができるようなこともあったが、導入後は、その問題も解消している。

品質管理システムを構築して情報を一元管理

 また、今回の「コレクトアイ SIS」の導入は、単なる検査装置の増設による検査時間の短縮といった目的ではなく、社内全体で情報を共有できる品質管理システムの確立が本当の狙いだ。

 同社では「コレクトアイ」のオプション機能である品質管理サーバーを「コレクトアイ SIS」の導入に合わせ検索エンジン部を増設。この機能を活用してSCREEN GA社のユニバーサルワークフロー「EQUIOS」からの検査データとジーティービー社のコレクトアイ+品質管理サーバーオプションを連携させた運用を開始している。「EQUIOS」で書き出されたファイル名に付けられた受注番号、折り番号、表裏など情報は、品質管理サーバーで登録され「コレクトアイ SIS」と連動することで印刷前の刷版データと実際の印刷物の高精度な比較検証が可能となる。

 さらに同社のMISとコレクトアイ+品質管理サーバーオプションは、Webベースのシステムとして稼働しており、入力された受注情報は、品質管理サーバーを介して管理され、各部門のスタッフが閲覧できるなど、全社員がWebブラウザから情報を確認することが可能となっている。

 「どのフロアで入力しても一元管理ができるシステムを目指している。今後は、当社のMISとコレクトアイ+品質管理サーバーオプションを連携させた品質管理システムとして構築できればと考えている」(福田社長)


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品質管理システム構成図


「ゼロ枚目の不良」発見に効果を発揮

 福田社長は、将来的な構想として、インライン検査装置搭載機で印刷したものを「コレクトアイ SIS」でチェックするダブル検査を視野に入れているという。

 同社が導入しているインライン検査装置は、刷り出し後にオペレータが確認したOKシートを基準とする検査、つまり紙と紙による照合である。

だが、仮に版にゴミの付着やキズがあるにも関わらず、それに気付かず印刷し、OKシートとしてデータを読み込んでしまうと検査装置は、ゴミやキズも不良として認識することはない。結果として、すべてが不良となってしまう。福田社長は、これを「ゼロ枚目の不良」と呼んでいる。

 「コレクトアイ SISは、刷版データと印刷物を比較しているので、この『ゼロ枚目の不良』を発見することができる。その運用方法については今後、検討が必要だが、インラインとオフラインの検査装置によるダブルチェックが実現できれば、より高精度な検査が可能となる。そして最終的には、全アイテムで全量検査ができる体制を構築していきたい」(福田社長)

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