臼田■いま全印工連は5,000社で組織されている。「厳しい」と言いながらも5,000社あり、組合員以外がその倍いると言われている。つまりこの国に1万5,000社もの中小印刷関連業がある。
全印工連に話を戻せば、この5,000社がこの時代でもなぜ経営が続いているのか。街の酒屋、本屋はなくなりつつある。印刷業もただ刷るだけの専業ではお客様から選ばれなくなる。これはかれこれ10年以上前から皆さん認識していることだ。でもなぜ、いまの時代残っているのか。理由はたったひとつ。その会社が何らかの独自ノウハウを持ち、それが社会から必要とされているからだ。これに尽きる。ただ、これは偶発的に生まれたものではなく、組合員という名の経営者達が、本気で、命がけで、命を削って自社の経営を守っているからである。その努力は、まさに「志の塊」だ。改めて、この「志の塊」同士が触れ合い、ぶつかり合う場所を増やしたいと思っている。
優秀で高い志を持つ経営者の集まりは、それなりの価値を生み出せる力を持っている。改めて、その志を全印工連というプラットフォームに結集させてほしい。その上で、期待される価値を創造していきたい。
作道■まさにその通りだと思う。それが互いの刺激になるし、自分のモチベーション維持にも繋がる。普段会社でそんなことは考えないし、課題を先送りしがちな日常の中で、周りにそんな志を行動に移している仲間を見ると自分を奮い立たせるきっかけにもなる。そんな効果が組合にはある。
志があるところには何かが生まれる。それは必然である。
臼田■私も作道さんも、皆さんに後押しいただいてそれぞれのリーダーになっている。我々が自ら率先して、その志をぶつけていけば必ず周りに同感、あるいは反発という本質的な議論に発展するはず。
地区協もそうである。やめてしまうのは簡単だが、いまあるものをより意義のあるものにする議論が非常に重要である。
作道■地区協を、連続性のある共通テーマを議論する場にしたらどうか。あの場で全印工連の事業を説明する必要はないようにも思う。組合活性化、組合員減少対策などを真剣に2時間議論し、継続的に経過を追っていく。そんな「群れ方」はどうだろうか。
臼田■地区協のあり方について、理事長の皆様の中にも地区協の意義とあり方について改革の必要性を感じられている方も多い。すでに試行錯誤しながらも改善に向けて挑戦されている地区もある。過去の流れがあるので一気にとはいかないが、少しずつマイナーチェンジはしている。どこかで地区協モデルをひとつ作って実際やってみるのもいいかもしれない。
作道■成功モデルを横展開することで、意外とスムースに浸透するのではないだろうか。
臼田■ぜひ近畿でお願いしたい。