臼田■「全印工連2025計画」というのは、基本的に組合員の1社1社はもとより、我々全印工連が業界として、もしくは印刷産業としてどういう方向性に進もうかを、様々な切り口から2025年をひとつのターゲットにして、行動あるいは数値目標を掲げて、成果を出していくというモデルになっている。
なぜ、このような印刷産業の新しい設計図が必要なのか。
業態変革は当然必要である。それは皆さん頭の中では理解している。ただどうすればいいのか、私も悩んでいる。これは、各社がやるしかない。そこまでの各社の取り組みに対する様々なロードマップは出揃ったと思っている。あと各社だけではできない部分については業界として取り組んでいく。例えば「環境」「地方創世」「ダイバーシティ」などがある。「最も環境に配慮した印刷産業」「女性が1番働きやすい印刷産業」「地域活性のエンジンになっている印刷産業」など、これらが達成できれば素晴らしい。「全印工連2025計画」は、1社ではできない2025年のターゲットを、結果としてこのようなキャッチーでマスコミの見出しになるような活動をするための計画書である。
そこで私が最初に話したことに繋がってくる。「雇用」が難しいということ。大阪が掲げるように「次世代に誇れる業界づくり」が必要なのである。「全印工連2025計画」は、現役の我々が業界として次世代に何ができるのか。その種を蒔くための計画書である。私も作道さんも長年組合活動に携わっているが、何か仕掛けて種をまいて、それがある程度形になるまで8〜10年かかる。MUDやCSRもそうだったように。未来に向けた種まきをしていくが、どんな種が入っているかは計画書をご一読頂きたい。
作道■全要素が実践できればそれに越したことはないが、各社でプライオリティが違う。明日にも倒産するかもしれない会社にCSRは無理。それぞれの立ち位置によって、必要な所に必要な情報が届く仕組みが必要である。
やるべきことは山ほどあるのは分かっているが、どこから手を付けていいか戸惑いがある。そこを委員会で噛み砕いて分かりやすく伝え、必要な方に必要な情報を届けて、アクションに繋げてもらう。そこまでいけば素晴らしいことだと思う。「全印工連2025計画」の一方で、きめの細かいサービス、言い換えれば「伝える努力」も必要になってくると思っている。
臼田■古い付き合いになる作道さんとは、組合員が必要としていることは貪欲にチャレンジしていこうと話している。我々はそれをできるポジションにいる。その力を使い切らなかったら、こうして我々を推してくれた方々、組合員の方々に対して失礼だと思っている。いま「やりきろう」と決意を新たにしている。