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ゴプス、広島の印刷業界に恩返し〜「印刷会社の駆け込み寺」開設

極小ロットデジタル印刷サービス開始

サービス対象はあくまでも印刷会社

 しかし、印刷資機材を販売する同社が、「印刷」をビジネスとすることは、顧客である印刷会社の市場に参入する、つまり競合となるのではないか。それでは、「印刷会社の役に立つ」という点で真逆の取り組みと捉えられる可能性がある。

 その点について、福田社長は、「このサービスの対象は、あくまでも当社のお客様である印刷会社である。つまり、印刷会社が有している極小ロットの受注物件を当社の設備で印刷してもらうことが運用の大前提である。当然、当社が独自に一般の発注者に印刷営業をかけることもないので、安心して当社の設備を活用してもらいたい」と、あくまでも印刷会社だけを対象としたサービスであることを強調する。

 「印刷会社の駆け込み寺」は、極小ロットの印刷案件やサンプル作りを主軸とした稼働を想定している。多くの印刷会社では、極小ロットの仕事を積極的に受注することはない。言い換えれば敬遠傾向にある。

 そこで自ら市場調査を実施。その調査では、従来の印刷需要とは別の需要、つまり「潜在需要」があることが確認できた。

 コロナ禍によって多くのイベントが中止になり、それに付随する印刷物もなくなっていった。しかし、イベントの中止にともない新たな印刷物ニーズがあると説明する。

 「一例としては卒業式や結婚式など、多くのイベントが中止になったことで、それに代わる記念品を作り、贈りたいというニーズだ。これらの案件は限られた人に贈られるためロットや売上金額としては微々たるものだが、件数を集めることで大きな売上を創出し、その収益を顧客である印刷会社に還元できる。まさにデジタル印刷機だから実現できるビジネスモデルと言える」

「印刷の力」で広島の地域活性化に貢献

 極小ロット印刷に特化したサービスで印刷業界に貢献するという「印刷会社の駆け込み寺」のゴールとして描いているのは、地元・広島の名産品などを取り扱う企業を「印刷の力」で全国にその魅力を発信し、地域活性化に貢献していくことだ。

 「広島には多くの素晴らしい名産品・特産品があり、これら商品のPRに印刷会社が携わることができれば、新たな印刷需要を創出することができ、さらには顧客のビジネス発展にも貢献できる。その結果、広島の経済活性化にもつながっていくはず」

 その具体的なプランとして、印刷会社が作成した購買意欲をかき立てるようなチラシやポスター、パッケージなどの印刷物を駆使した広島の名産品を広く紹介・販売する物産展を印刷会社と共に開催することを目指している。

 そして2022年2月17日、ついに「印刷会社の駆け込み寺」がオープンした。

RICOH Proで新規需要を創出し印刷会社に恩返し

 「印刷会社の駆け込み寺」では、「RICOH Pro C7200S」のほか、カッティングプロッターやクリアファイル加工機も設置しており、様々なアプリケーションに対応できる体制を整えている。


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カッティングプロッターも設置

 「これら後加工機器は、あくまでもサンプル作成用の設備ある。今後は、これら後加工機器を上手く活用し、これまでにない新しい商品開発にも挑戦していきたい。その面では、リコーの協力に期待している」


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クリアファイル加工機でサンプル作成も可能

 「印刷会社の駆け込み寺」のオープンに駆けつけたリコージャパン・PP事業部の三浦克久事業部長は、「様々な印刷物制作に当社の製品が活用されていくことに期待すると同時に、メーカーとして活用実績を共有させてもらい、さらなるビジネスの発展に向け、共に歩んでいきたい」と述べている。

印刷営業マンの教育・研修の場としても活用

 印刷関連資機材を販売する同社では、顧客にRICOH Pro Cシリーズを数多く販売・納入しており、今後は、これら顧客のバックアップ機としても活用できると確信している。

 同社では、現時点でゴールド、シルバー、ホワイト、クリア、ネオンピンクの5色のスペシャルカラーを用意しており、「ゴールドはあるがシルバーはない」といった顧客に対しては、スペシャルカラーを補完するような運用も検討している.
また、印刷会社の営業マン向けの勉強会なども積極的に展開していく方針だ。


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多彩な印刷サンプルも展示

 「スペシャルカラーをはじめ、RICOH Pro Cシリーズだからできることを印刷会社の営業マンが理解していなければ、印刷の発注者に、その魅力が伝わることがない。そのため当社では、個別の勉強会なども実施している。また、今後は、実機を使用した研修会なども開催していきたい」

 福田社長は、今後も市場調査を継続し、極小ロット案件を開拓して印刷会社の新規受注の獲得につなげていく。

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