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新型コロナウイルスによるパンデミックがもたらした「ニューノーマル」の世界において、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」への関心がより一層高まっている。SDGsは、もはや「企業の使命」であり、印刷会社においても今後事業を継続して上で、「誰のために、何のためにSDGsに取り組むのか」という認識を今一度再確認する必要性が生じているのではないだろうか。そこで今回、改めて「SDGs」に焦点を当て、印刷経営における重要な視点として、事例やソリューションを紹介する特集を企画した。

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日印産連、SDGs導入を支援~印刷業界用サポートツール開発

印刷ジャーナル 2022年7月25日号掲載

 (一社)日本印刷産業連合会(日印産連)は、所属会員企業のSDGs導入を支援するため、SDGsのゴール・ターゲットと自社の取り組みとの紐づけを行う際に便利な「SDGsターゲットマッピングリスト」を開発し、SDGsサポートツールの一つとして提供している。

 2015年9月に国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択されてから間もなく7年が経とうとしている。昨今では、テレビ局をはじめとする各種メディアがこぞって取り上げ、また、流行語大賞にノミネートされるなど、SDGsは一定の市民権を得るようになった。このような状況を受け、印刷業界においてもSDGsへの取り組みを喫緊の課題として捉える企業が増えてきている。全国に約21,000社ある事業所のうち98%以上が従業員100人未満の中小企業で、53%以上が3人以下の事業所が占める印刷業界においては、各社ともに、SDGsへの取り組みを専門に推進する人員を確保することも難しいため日印産連では、今年6月より、これらの印刷会社各社のSDGsへの取り組み、SDGsの導入を積極的に支援する取り組みを開始した。

 各社がSDGsを社内に導入する際に利用できる各種サポートツールを日印産連のWebサイト上で提供するとともに、グーグルフォームを利用してSDGsの基本的な学習ができるeラーニングの機能を備えたアンケート調査やSDGs講習会の開催などを計画している。

 各種サポートツールとして、SDGsの基本的知識をまとめたYouTube形式の教育用動画や、SDGsに取り組むメリット・効果をまとめた資料、またSDGsとその導入に関わる各種参考資料などに加え、「SDGsターゲットマッピングリスト」を提供している。


「SDGsターゲットマッピングリスト」


 自社の取り組みが、SDGsのどのゴールやターゲットに紐づいているか、を理解することは、SDGsの理解へのもっとも近道とされているが、実際には「SDGsのターゲットを読んだが具体的に何をやったらいいのか、よくわからない」「紐づけしてみたけれど、これで本当に正しいのかどうか、わからない」といった声がよく聞かれる。

 これは、記載内容に国連の途上国開発事業に関わる専門用語が多いことや各国政府がやること、国際機関がやるべきこと、NGO、NPOに取り組みが期待されていること、企業に期待されている取り組みが、区分されずに混在していることなどがその理由に挙げられる。

 そこで、この課題を解決するために、日印産連では、企業がSDGsの取り組みを情報開示する際のガイドライン「SDGsに関するビジネス・レポーティング:ゴールとターゲットの分析」を用いて、「SDGsターゲットマッピングリスト」を開発。このガイドラインには、169のターゲットのうち、企業が情報開示すべき取り組み事項、つまり企業として取り組むことができる事項が多数掲載されているため、それを参考に約100のターゲットに絞り、印刷会社として取り組むことのできる事項・事例を検討し、該当する取り組み事項・事例をわかりやすく数多く掲載している。ダウンロード可能なM/S Excel形式のリストで、自社の取り組みを「ビジネス機会の創出・(企業)価値向上」と「リスク対応」の2つの視点でチェックし、紐づけできるようになっている。

SDGsターゲットマッピングリスト