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(一社)日本印刷産業機械工業会(日印機工、森澤彰彦会長)とプリプレス&デジタルプリンティング機材協議会(プリデジ協、辻重紀会長)の共催による「IGAS2022(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)」が11月24日から28日までの5日間、東京ビッグサイトにおいて開催される。統一テーマは、「Venture into the innvation!〜新たなイノベーションへの挑戦〜」。コロナ禍以降の印刷業界では、初のビックイベントとなる「IGAS2022」は、リアル展を主軸としつつ、リモートを併用したハイブリッド形式で開催され、国内外に広く最新情報を発信していく。 [事前情報 随時更新中!]

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IGAS2022|富士フイルム、スマートファクトリー化による最適生産環境提案
乾式トナー技術採用のB2枚葉デジタルプレス発表〜新世代の完全無処理CTPプレートも

「BELIEVING IN PRINT つながる。流れる。広がる。新たな印刷ビジネスの魅力を、ここから。」

 富士フイルムは、11月24日から東京ビッグサイトで開催される「IGAS2022(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)」に出展する(東3ホール、90小間)。出展コンセプトは「BELIEVING IN PRINT つながる。流れる。広がる。新たな印刷ビジネスの魅力を、ここから」。市場環境が激変する中で、印刷会社の持続的成長のためのソリューションとして、スマートファクトリー化による「最適な生産環境の構築」を提案するとともに、成長戦略の具現化に向けた道筋を提示する。

印刷の魅力と木漏れ日に包まれる広がる「光の森」をイメージ


 「自動化技術やIoTなどの活用により、いかにしてシステムや工程、人、会社をシームレスにつなぎ、スムーズかつ柔軟に仕事を流せる生産環境を構築するか。そして、そのスマート化された環境から、どのような価値を生み出し、ビジネスを広げていくか」。このような課題に対して同社は今回、リョービMHIグラフィックテクノロジー(RMGT)、ホリゾンジャパンのブースと連携し、ひとつの大きな印刷会社に見立てたスマートファクトリーの実践的なデモを披露するとともに、印刷会社の成長戦略の事例として多彩なサンプルを展示する。

 同社では、「労働人口の減少、生活様式や働き方の変化、そして印刷物の小ロット・多品種化、超短納期化などが進む中、企業として今後も成長を続けていくには、まず生産基盤の改革、すなわちスマートファクトリー化による最適な生産環境の構築が重要だ」と定義している。最適な生産環境とは、「最適なタイミングで、最適な量と品質の印刷物を、最適なリソースで生産できる環境」。そして、常に仕事のコストに見合った生産が行え、確実に利益を生み出せる生産体制のこと。その実現のためのソリューションとして同社が提案しているのが、「FUJIFILM Smart Factory」である。

 同社が定義するこの「FUJIFILM Smart Factory」は、(1)オフセット印刷とデジタル印刷の共存環境、(2)入稿から出荷までの全工程の統合ワークフロー管理、(3)メーカーの垣根を超えた自動化技術活用によるオープンプラットフォーム─の3点をコンセプトとしている。生産性の向上だけでなく、「業務品質を担保した人協働による運用」「柔軟性と可用性を考慮した工程設計」により、「顧客提供価値の最大化」と「利益最大化」を両立できる実践的な「スマートファクトリー」である。今回、富士フイルムブースでは、さまざまな実機デモにより、このような生産現場を体感できる。

ブースは2エリア、4ゾーンで構成

 今回の同社ブースは、2つのエリア(ポストプレスエリア、プレゼンテーションステージエリア)と4つのゾーン(デジタルプレスゾーン、ワークフローゾーン、企画展示ゾーン、オフセットゾーン)で構成されている。

 プレゼンテーションステージエリアでは、「最適な生産環境」を実現する「富士フイルム スマートファクトリー」について2部構成で紹介。第1部では、富士フイルムが提案する最適生産の考え方やスマートファクトリーのコンセプト、その要となる統合型ワークフローシステムの概要について説明。第2部では、富士フイルムブースとRMGTブース、ホリゾンブースをつなぎ、「富士フイルム スマートファクトリー」の具体例を再現。オフセット印刷/デジタル印刷、さまざまなメーカーのデバイスが共存し、全工程が見える化・一元管理された、オープンでフレキシブルな生産工程の一例として、ライブデモを交えて紹介する。

 また、企画展示ゾーンでは、「印刷ビジネス魅力発信コーナー」を設置。「新たな印刷ビジネスの魅力を、ここから」の出展コンセプトに即し、来場者の企業成長のヒントを提示する。「自社の強みを活かした新たな価値提供」、「柔軟な発想で生み出した独創的な印刷物」など、印刷会社が実際に手がけた様々な事例を展示している。

出展製品

〈ワークフロー〉

 「Revoria One Production Cockpit」を中心に、利益を生み出す最適な生産フローを紹介する。
 また、今回は「Production Cockpit」をRMGTブースとホリゾンブースにも繋げ、オフセット印刷機や後加工機も含めた、印刷工程全体をマネジメントした生産管理システムを紹介する。

▽Revoria One Production Cockpit
 印刷会社のスマートファクトリー化を支援し、生産工程を変革する統合型ワークフローソフトウェア。RMGTブース、ホリゾンブースとも連携し、それぞれのブースで生産計画や進捗状況を把握できる。各ブースに設置するデジタルプレスや印刷機、後加工機、搬送AGV、仕分けロボットなど、自動化ラインを構成するすべての機器の稼働状況を一元管理するデモを実施する。

▽Revoria One Prepress(仮称、参考出品)
 デジタル印刷フローを効率化するプリプレス工程の自動化ソフトウェア。従来人手で処理してきた複数の後工程を簡素化や自動化することでオペレーターの負荷を軽減する。デジタルプレスゾーンで面付処理、後加工機用のバーコードを配置したPDF作成を実演する。

▽tilia Phoenix
 POP、チラシ、パッケージ、アクリル、シール・ラベルなど幅広い分野で利用可能な自動レイアウト&プランニングソフト。ブースでは、MISの受注情報と連携してオフセットとデジタルの最適な振分けをコストベースでシミュレーションするツールとして紹介。印刷コストや後工程、納期・配送先などを考慮した時、そのジョブにとって最適な生産方法は何かを瞬時に導き出すデモを実施する。

▽FormMagic5
 高機能バリアブル印刷ソフト。自動組版機能でバリアブルデータの作成を省人化できるだけでなく、グラフ、バーコード、表、イメージバリアブルなどの多彩な表現力で、バリアブル印刷提案の増力化に貢献する。会場では、圧着DMを題材にバリアブルデータ作成の実機デモの他、DMとネットの連携事例などを紹介する。

▽最適生産ソリューション
 オフセット印刷とデジタル印刷の「最適運用ポリシー」を探る富士フイルムメソッド「ジョブ分析」。印刷工程では、様々な改善を繰り返して現在の仕事の進め方に至っているが、利益を残す生産改革では、人員効率・設備効率・コスト効率が重要であり、効率化を実現するには、時間の扱いが重要成功要因となることが分かってきた。
 今回は、現状を見える化し、日常知らず知らずのうちに費消しているこれら経営資源の最適な運用について対話を通じて探っていく。

〈デジタルプレス〉

 IGASで初披露の「Revoria Press B2(仮称)」、新しく圧着トナーを搭載した「Revoria Press PC1120」、さらなる高生産性を実現する「Jet Press750S高速化モデル」など、課題に合わせた富士フイルム・デジタルプレスの幅広いラインアップを紹介。また、Revoriaシリーズではホリゾン後加工機との連携により、印刷から配送までの自動化を実演。豊富なサンプルとともに実際の品質、耐久性、生産性を披露する。

▽JetPress750S高速化モデル(国内初展示)
 3,600回転の標準モードに加え、B2インクジェットプレスとしては世界最速となる5,400回転の高速モードを実装。会場では、国内外のJetPress導入顧客サンプルの展示や実例化紹介と合わせて、実機による両モードでのデモを通じて、オフセット印刷の代替が可能な唯一無二のデジタル印刷機として訴求する。

Revoria Press B2(仮称、参考出品)
 乾式トナー技術を採用した世界初のB2サイズ枚葉デジタルプレスを技術展示する。用紙汎用性に優れた乾式トナー技術を採用することで、様々なメディアを活用したアプリケーションを柔軟に出力し、さらにスキルレスな操作性を実現。会場ではホリゾンと連携し、B2デジタルプレスによるフォトブックの自動化事例を紹介する。

Revoria Press B2

▽Revoria Press PC1120
 1パス6色のデジタルプレス。自動化ラインを実現するスマートファクトリーのデモに加え、世界初となる圧着トナー(仮称)を技術展示し、ダイレクトメールの作成工程の変革をデモとサンプルで紹介。特殊色のデザイン作業を効率化するプリントサーバー、工数削減や品質を担保する検査装置機能も技術展示する。

〈オフセット〉

 視認性を大幅に改善させた新無処理版「SUPERIA ZX」や「刷版工程自動化ソリューション」をRMGTブースとのタイアップで、その効果を紹介する。

 また、オフセット印刷とデジタル印刷の共存に必要不可欠な品質管理ソリューション「GA Smile Navi」も紹介する。

▽完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZX」
 全方位に進化した次世代無処理プレート。新規発色技術を導入することで、露光後の画像コントラストが大幅に向上。また、プレート表面に新しい機能層を設けることで、圧倒的な着肉性と現像安定性を実現している。
 さらに、従来のキズ防止効果に加え、キズが付いても印刷物上で汚れにならないよう工夫することで、キズ汚れに対する耐性が向上。最適化した砂目と新たな硬膜化技術による網点耐刷性も特長。

SUPERIA ZXと従来品の視認性比較

▽印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」
 富士フイルムが長年培ってきた印刷診断技術によって、印刷の客観的な評価と、印刷品質の潜在課題の見える化が可能。会場では、製品紹介の他、印刷品質の見える化・定量化の具体例として、印刷物と印刷診断報告書を展示する。

▽刷版工程自動化ソリューション「プリプレスファクトリーオートメーション」
 未だに人手を要する刷版工程の作業に対し、自動化・省人化をサポートするソリューション。会場では、協業メーカーとともに、実機の実演で自動化の一例を紹介する。


 これらの他にも、主催者企画の「INNOVATIVE BUSINESS ZONE」に出展。これは、中小印刷会社やプリントバイヤー、ブランドオーナーに向けて、出展者が共同でビジネスチャンス創出のためのヒントを提供する特設ゾーン。富士フイルムはこの中の「スモールスタートエリア」に出展する。出展製品は、ApeosPro C810とForm Magic5。