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トップ > 特集 > drupa 2012 情報:ミヤコシ、リョービと共同開発したB2判液体トナー方式デジタル枚葉印刷機発表

【随時更新】世界最大規模を誇る国際印刷・メディア産業展「drupa2012」(主催:メッセ・デュッセルドルフ)がいよいよ5月3日から16日まで、ドイツ・デュッセルドルフ見本市会場において開催される。今回は世界約50ヵ国からおよそ1,850社が出展を予定。見本市会場の全19ホールを使用し、実質17万平方メートル以上に及ぶと見込まれる展示スペースでは、世界の印刷関連メーカーが進めてきた過去4年間における研究開発の成果が競演する。2週間限定で突如として姿を現す「世界一の印刷工場『drupa』」には、会期中35万人以上の来場者が見込まれている。

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ミヤコシ、リョービと共同開発したB2判液体トナー方式デジタル枚葉印刷機発表

高解像度インクジェットプリンタ「MJPシリーズ」のハイクオリティモデルも

 (株)ミヤコシ(宮腰巖社長)は、drupa2012で過去最大規模となるブースを確保し、リョービ(株)(浦上彰社長)と共同開発したB2判液体トナー方式デジタル枚葉印刷機と、高解像度インクジェットプリンタ「MJPシリーズ」のハイクオリティモデル「MJP20MX-7000」を発表する。

【B2判液体トナー方式デジタル印刷機】
 デジタル印刷機とオフセット印刷機の両者のメリットを兼ね備えた「新方式の印刷機」をコンセプトに、リョービと共同開発したデジタル枚葉4色印刷機。ミヤコシが持つ高解像度の超微粒子液体トナー電子写真技術と、リョービが持つオフセット枚葉印刷機で培った高速用紙搬送技術を融合することで、B2判用紙(最大用紙サイズ788×600ミリ、最大紙厚0.4ミリ)で毎時8,000枚の高速印刷を実現。超微粒子液体トナーを感光ドラムから用紙へオフセット転写させることで、1,200dpiという高解像度で繊細な印刷表現が可能となっている。
 1〜2ミクロンという超微粒子液体トナーは、トナー層の薄膜化が可能で、紙が従来持つ光沢を損なうことなく印刷できるほか、折り加工時の割れの問題も軽減できるというメリットがある。
 さらに、超微粒子液体トナーは定着までに必要なエネルギーが少ないこと、圧胴式の「グリッパー用紙搬送システム」採用によるオフセット同様の見当精度、さらに1色ワンタワーの機械構成などが高速化に大きく寄与している。
 小ロットのカタログ、ポスター、パッケージなどの印刷用途に加え、高品質な大判のバリアブル印刷もターゲットとしており、drupa2012における反応を見極め、2013年度中を目処に両社それぞれのブランドで発売する計画。
B2判液体トナー方式デジタル印刷機

【MJP20MX-7000】
 1,200×1,200dpiの高解像度のプリントヘッドを搭載したロールtoロールのインクジェットプリンタ。プリントタワー中にCMYK4色+特色4色のプリントヘッドが実装でき、最大で片面8色を両面印字できる。さらに新開発の水性顔料インクを使用することで直接グロスコート系の用紙に下地処理なしで印字できる。
 1,200dpiという高解像度にすることで、ドロップサイズを小さくでき、従来水性インクジェットプリンタの弱点とされていた「にじみ」や「裏抜け」の問題をカバーできるとし、同社では「グラフィックアーツ系のアプリケーションにも対応可能な高解像度インクジェットプリンタ」と位置づける一方、ハイスピードモードでは最高速度320m/分で印字でき、トランザクションやDM印刷の高速化ニーズにも対応。A4サイズのアプリケーションを幅方向2面付けで印刷した場合、13万枚/時処理できる。
 さらに、従来のMJPでは装置の駆動側に付帯装置があったが、同機ではプリントタワー内に格納することで省スペース化を図っている。
 同社では年内の発売に向けて準備を進めていく考え。
MJP20MX-7000