オリジナルノベルティ関連商材に特化した多数の印刷通販サイトを運営する（株）アーリークロス（本社/宮城県仙台市宮城野区新田2-8-50、佐藤智裕社長）は今年3月、新たな印刷通販サイトとして「看板印刷Lab」（
https://www.signprint-lab.com）をオープンした。現在、同社では、ふせん紙やメモ帳などの「ノベルティ・グッズ事業」と「サイン・ディスプレイ事業」の2事業を精力的に推進しており、新たに立ち上げた「看板印刷Lab」は、「サイン・ディスプレイ事業」の中心的事業と位置付けられている。
同社は昨秋、大判UVインクジェットプリンターを導入し、各種ノベルティグッズを多面付けして印刷するなど、生産力の強化を図ってきた。今回、看板印刷というアイテムは、それ以外の新たな活用法として打ち出したのだと佐藤社長は説明する。
「以前から地元ユーザーからの要望を受け、建築工事用看板の印刷を行ってきた。従来、これらの看板は、シルク印刷によって生産されていたため、コストや納期がボトルネックとなっていた。しかし、大判UVインクジェットプリンターであれば、これらの課題を解決できる」
建築工事看板という非常にニッチな市場であるが、「版が不要で1枚からでも注文できる」という大判UVインクジェットプリンターの特性を発揮することで新たなビジネスチャンスにつながると感じた佐藤社長は、看板印刷に特化した新たな印刷通販サービスに挑戦することを決断した。
しかし、これまで各種ノベルティグッズを中心とした印刷通販サービスを展開していた同社にとって、看板印刷というサービスは顧客層を含めて、すべての面において未知の領域である。そのため同社は、市場調査を兼ねて今年3月に東京ビッグサイトで開催された「建築・建材展」に出展するとともに、工事用看板印刷を1枚から注文できる新サイト「看板印刷Lab」を立ち上げ、サービスを開始した。
大判UVインクジェットの特性を活用
新たに開設された「看板印刷Lab」は、建築工事看板やPR看板など1枚から短納期で提供する看板印刷に特化した印刷通販サイト。大判UVインクジェットプリンターで生産するため、版が不要なほか、CMYKの4色に加え、白インクをワンパスで印刷できるので、写真やグラデーションなど、従来のシルク印刷では表現できない、高画質な印刷が可能となっている。
さらに同社独自の前処理により、屋外での耐久性を高め、より長期間にわたり使用することができる。使用機材については、プラスチックダンボール（プラダン）やアルミ複合版などを用意している。また、要望があれば、同社既設のプロッター機で、好みのサイズ形状に仕上げることも可能となっている。
サイト開設から約2ヵ月が経過したが、佐藤社長は、現在の運用状況について次のように説明する。
「工事用看板という非常にニッチな分野であることから現在は、市場の調査を進めながらサービスを提供している。しかし、ニッチな市場であることからこそ、潜在需要は大きいと確信している」
看板印刷という新たな市場開拓に挑戦
これまで同社が提供してきたノベルティグッズは、幅広い顧客層にアプローチすることができた。しかし、街中の建設現場で、当たり前のように目する建築工事看板は、実際にその看板を誰が受発注しているのか、また、現状の価格や納期などのサービス面で要望や課題などがあるのか。それら市場ニーズの発見・開拓することが急務であると佐藤社長は考えている。
同社では、工事用看板のほか、大判UVインクジェットプリンターを駆使し、スチレンボードなどを使用したPOP関連商品への展開も視野に入れているという。
「POPなどをはじめ、多くの商材に活用できるため多くの需要が期待できるが、その分、競合相手が増えることが予想される。そのため新商品の開発については、慎重に進めていきたい。その上で当社の強みであるオリジナル性を付加した商品として提供していきたいと考えている」
同社では、6月6・7日の2日間、インテックス大阪で開催される建築材料・住宅設備総合展2019「KENTEN（建展）」に出展参加し、「看板印刷Lab」のサービスを幅広く紹介していく方針だ。
「インクジェット技術を活用した建材として壁材やタイルなどが多く紹介されると思うが、当社は、建築工事看板を中心に展示・紹介することで他の出展社との差別化を図っていく。また、専門展示会に出展することで、看板印刷という分野の市場ニーズを把握することもできる」
さらに同社は、6月19日から東京ビッグサイトで開催される「第11回販促EXPO（夏）」にも出展し、同社の主力商材であるノベルティグッズなどを紹介していく。
