PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 特集 > 製本・後加工 2017:ホリゾン、操作性と高生産性を両立

「進化する製本・後加工」特集

特集一覧へ

ホリゾン、操作性と高生産性を両立

デジタル時代の作業にリズムと弾み

印刷ジャーナル 2017年3月5日号掲載

 製本・後加工機器およびシステムの「ホリゾングループ」は、デジタル時代における製本・後加工において、高い品質を維持しながら操作性、生産の効率化など、各部の機能に一段と磨きをかけ、印刷物の後処理、仕上げという両面から多くの製品を市場に送り出している。さらに将来に向けた新製品群を加え、現下の多品種・少量生産を余儀なくされる厳しい作業環境改善への貢献を目指して活動を強化している。新製品を中心に、いくつかの単体製品を紹介する。


▽デジタル印刷向け書籍製本システム「Smart Binding System」
 進化するデジタル印刷に向けて新しく市場投入した書籍製本システム。厚みや仕上げサイズの異なるJOBに対応し、ノンストップでの稼働を可能としている。トラッキングシステムも備えた新しい発想の製本システムである。
 drupa2016で同システムは、極少量生産型システムと小・中量生産型システムによる高品質と高い作業性を世界に発信。極少量生産型では、印刷機とはオフラインでロール紙をスタートに無線綴じ製本する流れを紹介した。基本構成は、折り面付けされたロール紙を面単位で切り出し、折り加工の後にブックブロックを作成して製本という少部数単位で異なるサイズの冊子ができ上がることがポイントでもあった。
 小・中量生産型システムでは、オフセットの後加工やデジタル印刷の後加工に対応するハイブリッド構造とし、16頁折り面付のオフセット印刷後の製本と、ロール紙をスタートにした製本を紹介した。
 ロール紙をスタートにした製本では、ページの端数処理を実現するダイナミックフォールド機能を搭載した紙折り機や折り後のブックブロックを仮糊付けしたもの、していないものを製本機にスムーズに搬送することが可能な新ユニットの搭載など、これからの製本における可能性を披露した。

Smart Binding System
▽全自動設定によるペラ丁合鞍掛け中綴じ製本システム「StitchLiner Mark III」
 ホリゾン独自のソフト制御により、厚みの異なる冊子に応じて各部を自動調整。作業を中断することなく常に安定した高品質製本を可能としており、より高品質な冊子を得るために用紙搬送、筋入れ、針金長さの調整、冊子折り、断裁前の位置調整など、すべてにおいて精度、品質、効率化を追求している。
 能力は、A4S綴じ冊子が毎時最高6,000冊、A4E綴じ冊子は5,300冊を処理する。ホリゾンの丁合機VACシリーズや周辺機器に連結でき、オフセット印刷からデジタル印刷まで、出力形態に合わせたシステム構成を可能としている。

 次に、各システムを構成する数多くの機器や単体製品の中からピックアップして紹介する。

▽セット替えの高速化と、より高品質な製本仕上げを実現。多くの先進機能を搭載した4クランプタイプの自動無線綴機「BQ-480」
 小ロット、バリアブル製本の需要が増え、セット替えの高速化が強く求められる中、これに対応する機能を搭載。1冊ずつ厚みの異なるバリアブル製本は最高で毎時800冊で処理する。また、独自のソフト制御により厚みに応じて糊の塗布量やニッパーの高さを自動調整する機能を備え、より簡単に安定した高品質の製本を可能している。
 そのほか、横糊、背糊、の塗布機構、ニッピング機構、筋入れ機能、デリバリーなどにも新機構を搭載し、EVAホットメルト、PURホットメルトに対応。それぞれの専用タンクの使用によって用途に合わせた糊の選択ができる。

▽自動調整箇所がさらに進化。大幅にセットアップ時間を短縮させる「2点式四六判半裁全自動紙折機AFV-56/TV-56」
 タッチパネルのアイコンを選択するだけで設定できる箇所がさらに増え、簡単操作で各部が自動セットされるもので、従来機と比べてセットアップ時間は最大で50%短縮を実現。ローラリンクに特殊無給油軸受けを採用し、折り精度を高めているほか、ベルト速度270メートル/分を実現させた。
 バックルや折りローラなど、用途に合わせて選択でき、フレキシブルなシステム構成で幅広い折りパターンに対応する。

▽筋・ミシン・カットまでをワンパス処理。デジタル印刷の後処理に最適なシートカット&クリーサー「SmartSlitter」
 (1)名刺やショップカードのほか、スタンプカード、招待状、グリーティングカード、ラミネートされた用紙、くるみ製本の表紙、クーポン券など、様々な種類の筋入れ、ミシン、シートカットがワンパスで行える。
 (2)自動ミシンカセットSMSL-PR装着時はジャンピングミシンが可能となり、デジタル印刷物の高付加価値化ともなる。
 (3)操作は、新設計の高解像度カラータッチパネルからの入力で簡単に操作できる。
 (4)製本工程の最適化を図るホリゾンのJDFネットワークフローシステム「pXnet」(後記)に拡張できる。
シートカット&クリーサ SmartSlitter

▽B2サイズのデジタル印刷物をシンプルかつスマートに加工するシートカット装置「SmartStacker」
 印刷されたB2用紙を1枚ずつカットし、ページ順に揃える。28面付されたカット処理が可能で、そのまま次の工程(無線綴じ、中綴じ、シュリンクラップ、梱包など)にスムーズに回せる。

▽簡単、コンパクトなロータリーダイカットシステム「RDシリーズ」
 (1)軽い力で型抜きが行えるロータリー式を採用。大きな力を要した平抜き機と比べて軽量、小型化された製品。
 (2)カードやパッケージなどの全抜き、シールなどの半抜き、加工などが可能で、木製抜き型では表現できない微細な文字や模様などが加工できる。オフセット印刷用紙やデジタル印刷用紙に対応している。
 (3)用紙を自動給紙し、型抜き、抜きカスの分離排出までワンパス処理が可能。
 (4)新機能の順送り抜き機能によって抜き型を1面製作してセットするだけで複数面付された用紙を型抜き加工する。
 (5)操作はカラータッチパネルからの簡単操作を可能としている。シリーズにはB3ワイド対応の「RD-4055」とA3ワイド対応の「RD-3346」がある。

ロータリーダイカットシステム RD-4055
▽自動調整機能での操作性で高品質なミシン、筋入れに威力を発揮する多機能自動ミシン機「VP-66A」
 (1)自動設定=大型カラータッチパネルに用紙サイズとミシン目位置を入力するだけで、給紙定規、ミシン目位置、ミシン刃切込みが自動設定される。用紙スタックガイドも自動設定され、短時間でセット替えが行え、簡単に操作できる。
 (2)大量の用紙をストック=500ミリまで用紙をストックでき、用紙の取り出し回数の削減により効率化。ミシン加工されたものは、突き揃えガイドで揃えるために後作業の効率化ともなる。排紙トラブルに備えては、排紙ジャムセンサーや満杯検知機能で対処する。
 (3)ジャンピングミシン加工を標準装備=タッチパネルからジャンピング回数とミシン開始と終了位置を入力するだけで4本まで個別に設定でき、4回までのジャンピング加工が行える。

▽一連の流れを最適化する「pXnet」
 「postpress express net」に起因する造語で、製本機器をネットワーク化することにより高効率な製本部門を確立するための仕組みを意味する。JDFデータを活用したMIS、プリプレスとの連携により、受注から出荷までの全体最適化を行う。
◎導入メリット
 (1)pXnetによるデジタルワークフローの構築により、機器の自動化や作業の効率化をもたらし、コスト削減や納期短縮を可能とする。
 (2)機器の稼働状況がリアルタイムに管理でき、人員と機械の最適化、より効率的な生産計画が立てられる。
 (3)部署内あるいは他部署間での正確な情報交換が可能になり、伝達ミスなどのトラブルを防止する。
 (4)作業量の多いときや何らかのトラブルで作業を複数機械に分けたいときなどは、作成したJOBをドラッグアンドドロップで思い通りに分割、あるいは統合できる。
 (5)現場での稼働状況を、より正確に把握することで的確なコスト管理へと繋げられる。
 (6)JDFワークフローを活用し、MISとの連携を実現することで全体最適化を目指したポストプレス機器の運用が可能となる。

 問い合わせは、(株)ホリゾン西コンサル(電話075-933-3060)へ。