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印刷会社の印刷通販サービス活用 2016

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アーリークロス
ノベルティ商材に特化 〜 今夏に新サイト立ち上げを予定

印刷ジャーナル 2016年7月15日号掲載

佐藤 社長
​ (株)アーリークロス(本社/宮城県仙台市宮城野区新田2-8-50、佐藤智裕社長)は、「激安ふせん紙王国」や「激安メモ帳王国」など、ノベルティを中心とした商材特化型の印刷通販サイトを運営している。その同社では、今年3月の本社移転を契機に、加工設備を導入し、新たな商品開発への挑戦を開始した。さらに今夏には、新たな印刷通販サイト「激安リングメモ帳王国」の開設も予定している。


 平成20年8月、広告の企画制作から印刷まで手がける会社として設立された同社は、宮城県という地方都市から全国に営業展開するために平成22年8月、オリジナルクリアファイル印刷専門の印刷通販サイト「クリアファイル王国」をオープンし、印刷通販ビジネスを開始。以来、名入れカレンダー印刷サイト「激安カレンダー王国」、小ロット対応の印刷通販サイト「おこのみぷりんと.com」、オリジナルボックスティッシュサイト「激安ボックスティッシュ王国」、オリジナルふせん紙サイト「激安ふせん紙王国」、オリジナルうちわサイト「激安うちわ王国」、オリジナルマイクロファイバークロスサイト「激安マイクロファイバークロス王国」など、それぞれ商材に特化した印刷通販サイトを立ち上げ、ビジネスを開始している。

新たに後加工設備を導入

https://www.e-fusenshi.com
​ その同社は今年3月、新たな設備として、型抜き加工機や断裁機などを導入するとともに本社も移転し、生産能力の強化を図っている。
 佐藤社長は、型抜き機を導入した狙いについて、「これまで当社のふせん紙は、いわゆる四角形の一般的なものであった。もちろん『角まる加工』などをオプションで提供していたが、差別化という観点でみると、真のオリジナル商品とは言えない。そこで利用者の好みに応じた型抜きサービスを開始するために導入を決意した」と説明する。
 新サービスでは、マンガなどで使われる「吹き出し」や、キャラクターの輪郭など、これまでにない自由自在な型抜きが可能で、さらに同社では、オフセット印刷だけでなく、POD機によるデジタル印刷も手がけているので、1部からの注文でも問題なく対応している。
 そして、もう1つの新たなサービスとして、新しい商材特化印刷通販サイト「激安リングメモ帳王国」の開設を予定している。同サイトは、その名の通り「リングメモ」に特化した商品を提供するもの。リングの色は14色、PPカバーも10色、メモ帳自体のサイズバリエーションは7種の中から、好みに応じた色やサイズを選択することができる。さらに使用する用紙や、自分で型抜き加工もできるデザインの印刷絵柄を加えることで、世界で1つだけのオリジナルリングメモ帳を作成することができる。
 「リングメモ帳を提供している印刷通販サイトは存在するが、リングの色やサイズ、綴り枚数など、カスタマイズして注文できるのは、当社だけだと思う」(佐藤社長)。

販促EXPOに初出展

 同社は、今年7月6日から8日までの3日間、東京ビックサイトにおいて開催された販促商材・ノベルティの専門展示会「第8回販促EXPO」に初出展している。
 「印刷通販ビジネスの強みは、ネットを活用することで全国をエリアとして展開できること。しかし、利用者は、訪問した印刷通販サイトのページを隅々まで見ている訳ではない。そこで当社の製品をじっくりと見てもらうことを目的に出展した。これからの印刷通販は、ネットとリアル営業を融合したビジネス展開が必要だと考えている」(佐藤社長)。
 出展ブースで実製品を展示することで、これまでモニター上でしか見れなかった商材を実際に手に取り、確認できることは大きなメリットといえる。とくに同社が提供する、ふせん紙などのノベルティは、印刷・加工品質だけでなく、色やサイズなど、いわゆる見た目の「かわいらしさ」も重要なPRポイントである。その点も出展の狙いであると佐藤社長は説明する。
 ちなみに次回の販促EXPOへの出展も決定している。

販促EXPOで商品をPR 吹き出し型のふせん紙

個人ユーザーの利用が増加

 近年の傾向として、佐藤社長は、「個人ユーザーからの注文が増加している」と語る。
 その平均ロット数は、50部から100部といったところだが、利用者数は増え続け、その大半を占めているのが、法人ユーザーではなく、個人ユーザーであるという。
 小ロットでも対応してくれる同社の強みが市場から評価を得ていることが、その理由の1つでもあるが佐藤社長は、「おそらく同人誌などの作家が自分で描いたキャラクターを、ふせん紙などのノベルティに印刷して各種イベントで配布・販売をしているのではないかと考えている」と分析している。
 同社が提供する、ふせん紙は、実用性だけでなく個人の趣味・趣向を反映することで、利用者にとって貴重なコレクションになっているようだ。
 新サービスの提供や新サイトの開設など、積極的に事業領域を拡大している同社では、2020年に開催される東京オリンピックに向け、日本文化を表現できるような商品開発も進めているという。