PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 視点の行方 > 顧客と適正な品質基準の共有へ
視点の行方

顧客と適正な品質基準の共有へ

印刷ジャーナル 2017年1月15日

 全国グラビア協同組合連合会(全国グラビア、田口薫会長)は、3年の歳月をかけて策定した「品質判定ガイドライン〜軟包装(インキ抜け)〜」の購入申込受付を2月1日より開始する。
 同ガイドラインは、品質課題の中で自力での解決が難しいフィルム起因によるインキ抜けなどについてまとめたもの。体裁は、本文カラー54ページにインキ抜けフィルムサンプルおよびCMYK+Wの各インキ抜け品質判定シート付きとなっている。
 第1章では、軟包装パッケージの品質基準と業界の現状および同課題における背景と目的、そしてフィルム起因によるインキ抜け発生のメカニズムをまとめている。
 第2章では、現状のフィルムメーカーの品質の実力値や欠点検査機の運用上の精度限界を調査し、それらから軟包装業界として適正と考え得る品質判定基準をまとめている。
 第3章では、同ガイドラインの運用方法などについてまとめるとともに、第4章の補足資料には、グラビア印刷関連の周辺情報およびインキ抜けの実例写真、フィルムによるインキ抜け見本サンプル、欠点検査機の原理をまとめている。この他、品質判定基準を考えるベースとして利用したコントラストのサイズ表をフィルムサンプルとして別途同封している。
 同ガイドラインの策定にあたり、田口会長は「私たちの作っているものは工業製品であり、『芸術品』ではない。適正なコストで大量に良い物をお客様に提供することが私たちの使命と考えている。しかし、物には許容される分岐点がある。その分岐点は『環境・品質・コスト』の調和である。この度、発刊される『品質判定ガイドライン』が、お客様と製造者との接点になれば幸いである。本ガイドラインを活用し、各社の営業担当者とお客様とで接点を見出し、『もったいない』の心で、企業の過剰な負担を除いてくれることを念願している」とコメントしている。