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視点の行方

世界の3Dプリンタ市場〜ローエンド装置の牽引で成長

印刷ジャーナル 2016年12月15日

 矢野経済研究所は、今年9月から11月までの期間において、3Dプリンタメーカー、販売代理店、造形サービス事業者(サービスビューローなど)、ソフトウェア関連企業などを対象に、「世界の3Dプリンタ市場」について調査を実施した。なお、この調査における3Dプリンタとは、3次元データをもとに樹脂や金属などの積層によって立体物を造形する装置を指しており、主な製品タイプとしては、造形方式や、使用する材料の違いにより、熱溶解積層方式、光造形方式、粉末焼結方式、インクジェット方式などがある。

◇2015年の世界の3Dプリンタ出荷台数は前年比72.7%増の19万台

 2015年、世界の3Dプリンタの出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は、前年比72.7%増の19万台となった。市場は60万円未満のローエンド3Dプリンタと60万円以上の産業用ハイエンド3Dプリンタの二極化が進んでいる。出荷台数を牽引するのはローエンド装置で、簡易かつ迅速に試作を行うための導入が進んでいるほか、教育機関での導入が増加基調にある。

◇世界の3Dプリンタ出荷台数は2019年に215万台へ拡大と予測

 3Dプリンタの性能は近年、かつてないスピードで進化している。装置の性能向上、新しい材料の誕生、製造現場などへのさらなる普及により、市場は今後も大きく拡大する見通しである。
 これらを背景に、世界の3Dプリンタ出荷台数は、2013年から2019年までのCAGRは77.0%で推移し、2019年における出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は215万台になると予測している。

◇日本国内で3Dプリンタを使用して造形しているもの/用途は、「治具」が24.7%、「最終製品(の一部)(パーツなど)」が20.1%、「金型」が16.9%

 この調査に関連したアンケート調査で、日本国内の3Dプリンタユーザー154人に対して、3Dプリンタで造形しているもの/用途についての回答では、「試作品」がトップで59.1%であった。続いて、「治具」が24.7%、「最終製品(の一部)(パーツなど)」が20.1%、「金型」が16.9%となっており、アンケート調査の結果からは、国内においても3Dプリンタを用いた本格的なものづくりが始まりつつあると言えそうだ。