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視点の行方

国内3Dプリンティング市場〜2020年には700億円規模に

印刷ジャーナル 2016年8月5日

 IDC Japan(株)は、国内3Dプリンティング市場の2013年〜2015年の実績と2016年〜2020年の予測を発表した。
 2015年の国内3Dプリンティング市場の総売上額は344億8,600万円(前年比成長率4.4%)。このうち3Dプリンター本体は、売上額141億1,100万円(同マイナス32.5%)、出荷台数7,900台(同マイナス20.2%)。IDCでは、国内3Dプリンティング市場の2015年〜2020年のCAGR(年間平均成長率)を15.3%、2020年の総売上額を702億300万円と予測している。
 2015年の3Dプリンター本体市場は大きく縮小。デスクトップ3Dプリンター本体の出荷台数は6,300台(前年比成長率マイナス19.3%)、売上額は9億2,500万円(同マイナス40.9%)。マイナス成長となったのは、2014年に3Dプリンターが注目されて出荷台数が急増したものの、その後、造形物の限界が明らかになったことなどから一般消費者の購買意欲が一気に低下したことが理由であると思われる。また、この失望感は2016年以降にも影響するとみられ、2020年の出荷台数は3,700台(2015年〜2020年のCAGRマイナス10.2%)、売上額を6億4,200万円(同マイナス7.0%)と予測している。
 プロフェッショナル3Dプリンターは、2015年の本体出荷台数1,600台(前年比成長率マイナス23.5%)、売上額131億8,600万円(同マイナス31.8%)。マイナス成長となったのはデスクトップ3Dプリンターと同様、2014年にブームに先行投資したユーザー企業が多く、その反動が表れたとみられる。しかしプロフェッショナル3Dプリンターは製造業を中心に着実に応用範囲を広げていることから、IDCは2020年の出荷台数を2,400台(2015年〜2020年のCAGR8.2%)、売上額193億9,000万円(同8.0%)と、今後5年間のプラス成長を予測している。
 本体以外では、関連サービス売上額が118億3,300万円(前年比成長率62.1%)、造形材料売上額が85億4,200万円(同77.3%)と2015年に市場は大きく成長。関連サービス市場では、3Dプリントサービスの認知と利用が拡大したことに加え、前年の2014年に大きく導入が進んだプロフェッショナル3Dプリンターの保守/修理費用が売上額を押し上げた。
 2016年以降、国内3Dプリンティング市場は成長を維持するとIDCは予測。3Dプリンター本体市場は2015年〜2020年のCAGR7.3%で成長し、2020年に200億3,200万円に達すると予測している。また、関連サービス市場は2020年に202億200万円(同期間のCAGR11.3%)に、造形材料市場は299億6,900万円(同28.5%)に達すると予測している。