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視点の行方

下請代金法の取締状況を公表

印刷ジャーナル 2016年7月25日

 中小企業庁は、このほど平成27年度における下請代金支払遅延等防止法に基づく取締状況等について発表した。
 中小企業庁では、親事業者および下請事業者を対象とした定期的な書面調査の実施や立入検査の実施により、下請代金法の違反行為の把握に努めており、「下請代金の不当な減額」、「支払遅延」などの下請代金法上の11の禁止行為に該当する行為や発注時の書面交付義務、関係書類の保存義務などに違反している事実などが確認された場合には、親事業者に対して指導を行い、減額した下請代金の返還、遅延利息を含めた下請代金の支払などの原状回復措置や再発防止策を講じさせてきた。
 平成27年度には、親事業者45,551社(平成26年度45,937社)に下請事業者157,735社(同194,688社)を加えた計203,286社(同240,625社)に対して書面調査を実施した。また、中小企業庁および地方の各経済産業局では、下請事業者から下請代金法に違反するおそれのある事業者についての情報提供・申告の受付を随時行っており、平成27年度は102件(同63件)を受け付けている。
 平成27年度は、1,053社(平成26年度1,115社)に対して立入検査などを実施し、そのうち955社(同999社)に対して書面により改善指導を行った。
 違反が認められた親事業者のうち270件に対しては、減額した下請代金、支払遅延に係る遅延利息などについて、合計で約216百万円(同211百万円)の返還を指導した。
 違反の内容としては、実体規定関係の禁止行為の違反として「支払代金の支払遅延」、「下請代金の減額」が、また、手続規定関係の義務違反として発注時の書面の不備や未交付が多く見られ、これら禁止行為や義務違反に対し、改善指導を行った。
 また、下請代金法の違反行為が今後生じることのないよう、これらの親事業者に対して、社内における体制整備など再発防止についての指導を行っている。
 中小企業庁では、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)及び下請代金法の間で密接な協力体制を構築することにより、より効果的で効率的な運用を確保していく方針。