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視点の行方

2015年のLFP世界出荷台数は31万5,000台

印刷ジャーナル 2016年4月5日

 IDC Japan(株)は、2015年の世界LFP(大判プリンター)市場における出荷実績を発表した。
 これによると、2015年のLFP世界総出荷台数は、前年比2.4%減の31万5,000台。世界のLFP市場は、エンドユーザーニーズの変化により、テクノロジーのトレンドが大きく変わりつつあり、テクノロジー別の製品構成が大きくシフトした1年となった。
 エコソルベントインクジェットなどの主要テクノロジーは順調に成長を続けているが、テクニカル市場におけるカラープリンターへのシフト、グラフィックス市場における高速両面印刷へのシフトなど、LFPビジネスの重要セグメントがその構成を大きく変えようとしているようだ。
 「2015年のLFP出荷台数は、単色トナープリンターと従来型水性インクジェットプリンターが落ち込み、全体で約2%減少した。一方、エコソルベント、ラテックス、UV、カラートナープリンターなどの分野が成長していることは注目に値する」(米国IDC社)
【セグメントハイライト】
▽CAD/テクニカルプリンター市場は前年比で約1.5%落ち込んでいる。2015年の終わりにかけて、インクジェット分野では、HPのPageWide XL シリーズに代表される高速シングルパス方式のプリンター、カラートナー分野では、KIPの800シリーズのような機器が登場した。これらの製品の登場が、この分野の製品構成が大きく変化した要因のひとつ。
▽グラフィックプリンター市場においては、ローエンドの大判校正システムが電子的校正支援にとってかわり、ローエンド水性インクジェットプリンターの出荷台数は全世界で前年比15%以上減少。一方、広告/販促向けグラフィック市場においては、ローエンドUV硬化型インクジェットグラフィクスプリンターがパッド印刷の一部を置き換えることによって出荷を伸ばした。
▽高耐久グラフィックス市場は、UV硬化型インクジェット、ラテックス、エコソルベント、昇華型インクジェットプリンターを中心に、全世界の前年比で約10%増加した。
【ベンダーハイライト】
 2015年の世界LFP市場の上位5ベンダーは、HP、キヤノン(オセ部門を含む)、エプソン、ローランドDG、ミマキの順。
▽HPは年間出荷台数の63%以上を占める下半期(7〜12月)にCAD/テクニカル市場が軟調であった影響を受けたが、グラフィックス市場においてシェアを上げることでLFP市場全体でのシェアを拡大させた。
▽キヤノンの総出荷台数は前年比ほぼ横ばいだったが、シェアは20%へと上昇した。
▽エプソンは、大判デジタルプリンター市場における世界第3位のポジションを守った。ローエンド水性インクジェット市場の減少が大きな影響を及ぼした。
▽ローランドDGは世界第4位のLFPベンダーであるが、エコソルベント、ソルベント、昇華型、ラテックス、UV硬化型インクジェットプリンターを含む耐久性の高いグラフィクスプリンターセグメントにおいてはトップの地位を占めている。
▽ミマキはリコーを抜き、世界第5位のポジションを取り戻した。ただしミマキとリコーは密接な協力関係にあり、リコーはミマキのUV硬化型およびラテックスインクジェットプリンターの一部を販売している。