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視点の行方

急成長する3Dプリンター市場

印刷ジャーナル 2013年3月15日

 市場調査・コンサルティング会社の(株)シード・プランニング(本社/東京都文京区、梅田佳夫社長)は、3Dプリンターの製品動向、業界動向、市場動向、供給企業動向などの調査を実施。このほど、その結果をまとめ公表した。
 3Dビジネスの中で、2009年の3Dシネマ「アバター」が歴代興行収入1位になったことが注目され、それ以降3Dシネマは映画館の約3分の1まで普及している。また2011年以降からは新たな3D製品である3Dプリンターが注目されており、その背景としては3DCADが普及し、安価な3DCADがパソコンに搭載され、それを出力するプリンターのニーズが高まったことが要因とされている。また3Dプリンターの価格は以前、数千万円であったが、デジタル技術の普及と新しい素材、接着材の進化により、数百万円まで価格が下落し、さらに数万円〜数十万円と安価な製品も販売されるようになった。これにより、今までの用途以外にも新しい用途(医療・教育・エンターテイメントなど)の可能性も広がっている。また3Dプリンター業界は、これまでストラタシス、オブジェット、Zコーポレーション、3Dシステムズの4大メーカーで市場の約8割を占めていたが買収、合併によりストラタシス、3Dシステムズの2大メーカーに集約されている。
 同調査では、3Dプリンターの主要関連企業にヒアリングを行い、製品動向、流通動向、市場動向、ユーザー動向の現状を把握し、今後の製品・市場動向を分析している。
 同調査によると3Dプリンターは2008年に、ワールドワイドで5,400台が普及。2012年には、16倍の86,000台(推定)になり、金額は961億円から1,366億円(推定)の1.4倍となっている。今後は、100万円以下のパーソナルタイプが普及して、平均価格を大幅に押し下げると思われることから、2016年のワールドワイドにおける市場規模は509,600台(内パーソナルタイプ500,000台)、2,306億円の市場と予測している。
 一方、国内の3Dプリンターの市場は、2012年(推定)で1,620台(内パーソナルタイプ1,100台)、93億円の市場であった。今後、海外市場同様に100万円以下のパーソナルタイプが増加し、2016年には15,920台(内パーソナルタイプ15,000台)、155億円の市場となると予測されている。